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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
初心者
18/198

道連れ

 そのとき、ようやく二郎は背後のタバサに注意を戻した。タバサは呆然とした表情で、見守っている。


「済まん……。つい、夢中になってしまった。さっきも言ったように、おれは【ロスト・ワールド】を探検するチャンスを探していた。こいつは──ティンカー(修繕屋)といって、おれの相棒だ。ティンカー。この女の子は、タバサだ」


 ティンカーはつい、とタバサに近寄る。

「よろしく、タバサさん!」

「よ、よろしく……」


 ちょっと仰け反ったような姿勢になって、タバサは答える。すっ、とティンカーは二郎の側に戻る。


「二郎さま。この人、初心者ですね?」

「まあ……」とタバサは、はっきりと気分を害した表情になる。


「まったく……、あたしを馬鹿にして! 二郎っ!」

 呼び捨てにする。


「あんた、今からあたしを放っぽり出して、その【蒸汽帝国】とやらに出かけるつもりなの? ええ? あたしを指導するってのは、どうなったのよっ!」


 二郎はほりほりと指先で鼻を掻いた。

「ああ……。そうだったな……。つまり、こんな次第で……要するに……」


 ぐっとタバサは詰め寄った。

「あんた、あたしを連れて行きなさい!」


「えっ?」


 二郎の口が、ぽかんと開く。

 タバサは畳み込む。


「あたしも連れてって! あんた、道連れを探しているんでしょ? ちょうど良いじゃない。【ロスト・ワールド】に、あたしを連れて行きなさい! それが、あんたの義務よ。あたしに声を掛けた、あんたのね!」


 二郎とティンカーは顔を見合わせた。ティンカーはくにゅっ、と身体を変形させ「?」の形になった。タバサは笑顔になった。


「【蒸汽帝国】って、面白そうな〝世界〟じゃない?」

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