表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】の秘密
175/198

優先権

 ティンカーが、猛烈な速さで室内を飛び回る。

 壁に沿って、素早く動き回ると、ティンカーの近くの壁が、次々と閃光を発した。プログラムの上書きをしているのだ。


 ──優先権、プレイヤー、タバサ上書き終了……。


 タバサの頭の中に単調な声が聞こえてくる。


 同じ声を聞いていたのだろう、玄之丞、知里夫、晴彦の三人も、顔を見合わせ頷き合った。


 対決している二郎とシャドウは……と、そちらへ目をやると、何と二人は、部屋の中央の空間に浮かんでいた!


 空中に浮かんだ二人は、怖ろしい形相でお互いを睨みつけていた。時々ふっと微かな身振りで、決闘が続いていることを見せ付ける。ぐっと二郎がシャドウに向け、指先を向けると、シャドウの全身に何か目に見えない衝撃が走る。髪の毛が逆立ち、苦痛に顔が歪む。お返しに、シャドウもまた二郎に向かって目に見えない攻撃を加えている。


「どっちが優勢なのかしら?」


 タバサの呟きに玄之丞は首を捻った。

「判らん! どっちにしろ〝世界〟の法則を歪めている戦いらしいから、切った張ったの戦いではなさそうだな。さて、どうやって加勢すればいいのだろう?」


 タバサは呆れて玄之丞の顔をしげしげと眺めた。

「だって……あんなに自信たっぷりに!」


 玄之丞は、にっと笑い掛ける。


「判らんものは、しかたないじゃないかね? まあ、無勝手流にやるさ! それより、修正ディスクを何とかせねばな!」


 忘れていた! 修正ディスクを持つゲルダを見ると、二郎とシャドウの戦いにすっかり見とれ、ポカンと馬鹿のように口を開き、上を見上げている。


 チャンス! と見て、タバサは頭を低くしてゲルダに突っ込む。無論、勝算はない。ティンカーの上書きによる何かアクシデントが起きることを期待しての行動だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ