表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】の秘密
174/198

アイディア

「ね、何とかできないの?」


 ティンカーの表面から、小声のきんきん声が聞こえてくる。


「無理です! ディスクがなければ、プログラムのデバッグはできません!」


 ティンカーの鏡のように滑らかな金属面に、タバサの必死の表情が映し出されている。


「そのデバッグとかいうの、何だか知らないけど、他に何かできないの? あんたは」


 困ったように、ティンカーは金属の身体を捻じって、ゴルディオスの結び目のような形になる。


「卒辞ながら、吾輩一つ提案があるのだが」

 なぜか玄之丞が、悠然と話し掛けた。

 タバサは玄之丞に喧嘩腰に声を掛ける。


「なによっ!」


 玄之丞は、ますます呑気な口調になった。


「あの二人がしている戦いだが、確か〝世界〟の法則を変える、とか申しておったな」

 タバサは改めて玄之丞の顔を見詰めた。妙に自信ありげである。


「それで?」


 玄之丞は頷いた。

「その〝世界〟の法則を変える、というのは、あの二人だけにしかできないものかね?」


 ティンカーは黙り込んだ。何か考え込んでいるのか、表面に目まぐるしく、様々な記号や、数列が走っている。


 ようやくティンカーは頼りなげな口調で、話しはじめる。


「それは……ここは【パンドラ】プログラムの中枢ですから、デバッグは無理でも、上書きならできるでしょう……。あなたがたのデータを書き込んで、優先権を与えれば、二郎とシャドウの二人と同じことが……」


「それだ!」と、玄之丞は、ぱちりと指を鳴らした。


「それができれば、我々も二郎の戦いに加勢ができる!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ