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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】の秘密
172/198

決意

 二郎は「けけけっ!」と奇妙な笑い声を上げる。


「折れるものか! そいつは物質的なものじゃない。一種の力場フォースそのものなんだ!」


 憤然とシャドウは、ディスクをゲルダに投げた。ゲルダは取り落としそうになるのを、慌てて掴み上げる。シャドウはゲルダに、顔を向けずに、短く命令する。


「持っていろ! おれと二郎の決着がつくまで!」


 シャドウの言葉に応じるように、二郎は一歩ささっと前へ歩き出す。背中を向けたまま、タバサたちに語りかける。


「皆も知っているように、おれとシャドウは、もともと同じプレイヤーだった。つまり、【ロスト・ワールド】の法則は、おれも好き勝手にいじることができる。今までは、潜入するため、封印していたが、今、対決のため、おれの全能力を解放させる! おれたちの戦いは〝世界〟を変化させて行う戦いだから、あんたらにはどうすることもできない。だから余計な行動は控えてもらおう」


 二郎の言葉にタバサは猛烈な怒りを感じていた。


「それ、どういうこと? 邪魔だから引っ込んでいろ……ってことなの?」


 二郎は横顔を見せた。二郎の見せる表情に、タバサは「はっ」となる。深い憂愁が二郎の表情には刻まれていた。


「そうだ。君らは邪魔になる」


 二郎の口調は苦渋に満ちていた。タバサは何も言えなくなっていた。


 シャドウは邪悪な笑みを浮かべた。

「話は済んだかね? それじゃあ、二郎。始めようか!」


 二郎は頷くと、両手を軽く上げ身構える。


 タバサは二人の戦いとは、どんなものなんだろう、と息を呑みこみ、じっと見詰める。

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