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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】の秘密
167/198

法則

 シャドウが空中に浮かんでいる。真っ白な髪の毛が、吹き付ける風で別の生き物のように蠢いている。


 しかし一同が驚愕したのは、シャドウの手に握られている、エミリー皇女の姿であった。二人とも、天井を突き抜け、出現していた。

 二郎の姿を認め、シャドウは高々と声を上げた。


「客家二郎! 修正プログラムは、どうした? 持ち込めば、おれの感知するところとなる。そこで多分、他の〝世界〟に残し、〝門〟から手に入れるつもりだったのだろう? 残念だったなあ! 【蒸汽帝国】に繋がる〝門〟は、すでに閉じられているぞ!」


 シャドウの言葉に、二郎はぐっと息を詰め、拳を握りしめる。


 そんな二郎の表情を楽しむかのように、シャドウは皮肉な笑みを浮かべている。シャドウの手に握られているエミリー皇女を見上げ、ゲルダは叫んでいた。


「皇女さまを離せ!」


 シャドウは眉を上げた。

「いいのかな? おれが手を離すと……。そら!」


 ぱっと手を離す。すとん、とエミリーの身体が落下する。わっ、とゲルダはエミリーを受け止めるべく、大股で走り寄った。


 シャドウは手を振った。


 エミリーの落下が、唐突に止まる。空中で浮かんだまま、エミリーは、じたばたと手足を動かした。シャドウが指を上げると、エミリーの身体は再び上昇していく。同じ高さに上昇したところで、シャドウは腕を伸ばし、再び腕をがっちりと掴んだ。


 なぶっている。


 ゲルダは悔しさに、だん! と、足踏みをする。


「どうして、あんなことができるの?」


 タバサは二郎に顔を寄せ、囁いた。二郎はシャドウを見上げたまま口の端で囁き返す。


「ここが、シャドウの作り上げた【ロスト・ワールド】だからだ。この〝世界〟の法則は、奴の思いのままなんだ! 畜生、修正ディスクが手に入れば……」

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