表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
シャドウとの対決
149/198

パレード

「おい、ボケっとしている暇はないぞ!」


 二郎がくるっと一同に振り向き、叫んだ。


「さあ! 今のうちシャドウの居城へ向かうんだ。パレードに城の連中が気を取られる今こそ、忍び込むチャンスだ!」


 二郎の言葉に全員が頷く。二郎は小走りに町の裏道を縫いながら、シャドウの居城へと近づいていった。

 丘を駆け上がっていくタバサは、どきどきしていた。横をちらりと見て、パレードを確認する。


 パレードは丘の踏み分け道をぞろぞろと行列を作っていた。先頭のシャドウの人形が、ふわりふわりと奇妙な足取りで歩いていく。遂に居城の正面に達した。

 二郎たちは居城の側面に集合し、じっと見守る。興奮に、タバサは息が苦しい。


 ぴたりとパレードが静止し、音楽が止まった。静寂の中を、ギャンが堂々とした歩みで居城に近づき、手にしたステッキを上げると、いきなり壁を叩き出す。


「【ロスト・ワールド】の支配者にして、暗黒の帝王! シャドウ殿に〝ロスト・シティ〟の代表であるギャンが物申します! ご開門を願います!」


 大声を上げた。


「何するつもりかしら……」

「しっ! 黙って見ていろ!」


 タバサが思わず呟くと、二郎はさっと指を挙げ制止する。


 だんだん! だんだん! と、ギャンは辛抱強くステッキで壁を叩き続けている。


「煩いぞ! 何の騒ぎだ!」


 頭上から声が降ってきて、ギャンは顔を上げた。にんまりと会心の笑みが浮かぶ。


「これはこれは……シャドウ殿、御自らお出ましとは、光栄至極……」


 シャドウが姿を表していた。しかも、空中に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ