客家二郎
見るからに初心者らしいプレイヤーは、すらりとした上背のある、髪の毛を背中に垂らした少女であった。
年齢は十五、六歳くらいに見えた。
とはいえ、大抵のプレイヤーは分身を実際の年齢よりも低めに設定するから、多分、十七~八歳といったところか。
中には六十を過ぎて、二十歳前後に設定する図々しい輩もいる。だが、それだと身動きに実際の年齢が出てしまい、ふとした瞬間に、ぎくしゃくとした、見っともない動作になる。だから大体、実際の年齢前後に設定するものである。
再び案内柱に向かうと思われたプレイヤーは、ふと立ち止まった。くるりと振り返り、向き直ると、悪戯っぽい表情を浮かべる。
おや? と、客家二郎は伸び上がって、プレイヤーを見つめ返した。
つかつかと少女は二郎に近づいてくると、切り込むような口調で質問する。
「どうして、あたしが初心者だって、判ったの? そんなに覚束なく見える?」
含み笑いを浮かべ、二郎は答えた。
「ああ、見えるね。一目見て、君は初心者だと判ったよ」
「まあ」と、少女は口を丸く開いた。目が大きく見開かれ、驚きにまん丸になっている。
「そんなにすぐ判るものなの?」
「うん」と二郎は頷いた。
す、と指を挙げ、反対方向からやってくる二組のプレイヤーを指し示す。