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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
再び蒸汽帝国
139/198

初年兵

 内心、首を傾げる。

 気のせいか、さっきより直径が大きくなったように感じる。


 伍長は素早く渦巻きを中心に、警戒態勢にある兵士たちを見やった。

皆、無表情で、おのれの任務のみを遂行することだけに余念がなさそうな表情である。


 現在、歩哨に立っている場所には、数人の初年兵が訓練通りに背筋を伸ばし、微動だにせず見張りの任に当たっている。

 ここは広場の外れで、あまり人通りがないので経験の浅い初年兵たちが配属されたのだ。

 多分、自分が一時ぐらい離れても、問題はあるまい……。


 伍長は近くの初年兵に「おい」と声を掛けた。


 初年兵は「はっ!」と、型通りに身体を伍長にねじ向け、全身を耳にして命令を待ち構えている。


「おれは少しここを離れ、上官殿に報告することがある。あと十五分で交代の時間だが、おれが戻らなくても、交代はできるな?」


 初年兵の顔に血が昇った。


「はっ! ご安心下さいっ! 伍長殿のお留守でも、自分らは一瞬も油断せず、ここを死守いたしますっ! 交代要員の申し送りも、できますのでっ!」


 伍長は重々しく「うむ……」と頷く。日頃の薫陶の成果である。


「では、行ってくる! 油断するなっ!」


 初年兵たちの見送りの声を背に、伍長は素早く立ち去った。

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