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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・シティ】
130/198

一巻の終わり

 ギャンと名乗った男の目が、テーブルの向こうに据わる二郎の顔に止まった。

 驚きが、ギャンの顔に弾ける。長い手足を折り曲げるようにして、空席に座る。


「どういう風の吹き回しですか? 客家二郎とは、何とお珍しいお客人!」


 二郎は、にやにや笑いを浮かべ、返事をする。

「シャドウと対決するため、来たんだ。いよいよ【ロスト・ワールド】の正常化に手を着けようと決意してね。あんたの助力を当てにしてやってきた。協力してくれないか?」


 ギャンは両手を組み合わせ、目を光らせた。


 タバサは、ギャンの目が光った瞬間「キラーン!」という効果音が、どこかで聞こえたような気がした。


「お断りします……。あなたのお手伝いなど、金輪際、断固として御免蒙りたい!」


「おいおい……」

 二郎の両目が、驚きに見開かれる。


 さっとギャンは右腕を振った。まるで手品のように、右手に拳銃を握り締めていた。

 拳銃の銃口をぴたりと二郎の胸に擬し、ギャンは素早く忠告する。


「おっと! 動かないで下さいね。こいつは引き金が軽くて、あなたがちょっと動いた途端、間違えて撃ってしまうかも知れません。知っての通り【ロスト・ワールド】では倫理保護規定は働いておりません。もし撃たれたら、あなたでも冗談ごとでは済まなくなりますよ!」


 二郎は両手を挙げ、口を引き結んだ。

 食い縛った歯の間から、言葉を押し出す。


「ギャン……貴様!」

「客家二郎、一巻の終わり……かな?」


 ギャンは銃口の狙いをつけたまま、薄い唇を持ち上げ、軽く笑った。

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