表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
輪廻転生
115/198

原理

 タバサは二郎に話し掛けた。


「ねえ、空路を行く、と言ってたけど、あれなの?」

「そうだ」と、二郎は頷いた。タバサの見ている風船を、二郎も見上げて説明を加える。


「ここは、熱気球の発着場なんだ。あれを使って、シャドウの本拠地へ向かう」


 タバサは「ほっ」と安堵の溜息をついた。


 良かった! また、虫の背中に乗り込まなくてはならないのかとビクビクしていた。

 しかし、どうやってあそこまで登るつもりなのだろう? まあいい、二郎が総て知っているはずだ。

 気になっているのは、ゲルダ少佐の態度である。プロペラ生物のゴタゴタが終わった後は、なぜか、むっつりと黙り込んでしまった。


 ゲルダは膝を抱えた姿勢で視線を上げ、二郎を見つめた。


「二郎さん。質問があります」

「なんだ」と二郎は振り返る。


 ゲルダは居住まいを正した。正座し、真っ直ぐ二郎を見つめ、質問する。


「どうしてわたしの銃が作動しなかったのか、知っているのですか?」

「ああ、そのこと」


 二郎は薄っすらと笑いを浮かべる。ゲルダの頬が、二郎の笑いで紅潮したが、それでも黙って答を待ち構える。


「あれは【蒸汽帝国】から持ち込んだものだよな。それも、おれの見たところ、蒸汽軍制式の蒸汽銃だ。

【蒸汽帝国】のテクノロジーは蒸汽に依存している。とはいえ、普通の蒸気機関ではなく、【蒸汽帝国】独自の原理で動く。

 ここは【ロスト・ワールド】だ。【蒸汽帝国】で有効な原理は、ここでは作動しない。だから、だよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ