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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
仮想現実の掟
105/198

スプリング

 近づくと、チューブは見上げるような高さにある。表面は雨風に打たれ、薄汚れ、とても鉄道の線路とは思えない。

 そっと表面に手を当てたタバサは「どくん! どくん!」という微かな脈動に気付いた。


「生きているみたい……」

「その通り! これは、生き物の身体の一部だ」


 驚いてタバサは手を離した。なんだか、やたら気持ち悪い!

 タバサの表情を見て、二郎は「くくっ」と笑った。


「噛みつきはしないよ。さあ、登らないとな……」


 見上げながら二郎は呟く。

 ゲルダ少佐は難しい顔つきになって、一緒に見上げた。

「どうやって? 階段すら、ないのに」

「こいつが、ある!」


 二郎が手を空中に浮かすと、ポケットからティンカーがぴょん、と飛び上がり、手の平にすっぽりと収まった。


「ティンカー! 頼むぞ!」

「了解!」


 ティンカーの身体が変形して、発条スプリングの形に変形した。

 二郎は脚を挙げ、ティンカーの上へ立つ。

 ぐっと上を見上げ、叫んだ。


「行くぞ!」


 びょーん! とティンカーが変身した発条は一気に跳ね上がる。二郎は先端に立ち、そのまま上空へ飛び上がった。

 一瞬、ふわり、と空中で静止したと見るや、すでに二郎は、チューブの上へ飛び移っていた。チューブから身を乗り出し叫ぶ。


「さあ! 続いて来い!」

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