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3話 歴史と由来

そしてその数分後、長は目を覚ました。


「お目覚めになったのですね⋯!!お体は...?」


「あ、あぁ⋯大丈夫だ、心配をかけてすまんな」


しかし、長の頭の中では、あの訪問者のことでいっぱいだった。


(あの者が私を助けてくれた⋯?)


「さっきまで、ここに女の訪問者がいなかったか⋯?」


「いましたけれど、あれは魔女でしたっ!!」

「症状は毒キノコだとか色々言い訳していたけれど、私達が――」


人々が必死に出来事を語る中、長は確信した。

実際、長は倒れる直前に、空腹により道端に生えていたキノコを食べた。

そしてうっすらだが、その者によって体を走る激痛が和らいだことも記憶にある。

確かに今思えば、姿も魔女に相当する。しかし、


(魔女が、助けてくれたのか⋯)


すると直後、大粒の雨が降ってきた。


始めは、それぞれの家で凌ぐことができたが、

次第に豪雨、強風、雷鳴、強霧と天候はさらに悪化し、

全員で集落近くにある洞窟へ逃げ込んだ。


数時間後、嵐の音が消え、洞窟を出て広がる世界はこれまでとは一変し、


「これは―――」


荒れた土地が穏やかな大地に。草木が生い茂り、川も流れ、沢山の動物が生息し、

緑いっぱいの豊かな地に変わっていた。


集落の人々は、この嵐の恵みを神や聖者の力の働きだと讃え崇める。

しかしそんな中、長は静かにこう言った。


「あの魔女が、我々を救ってくれたのだ」と。


ただ一人がこの奇跡の答えを導き出していた。

しかしその考えが正解だと当人が揺るぎない確信を得ることはない。

答え合わせをする方法は、何もなかったから。

そして真実とは、そう簡単に皆に受け入れられるものではない。

そのことを理解していた長は、せめても歴史の陰に形として残るよう、この広大な地の名を決めた。


"ラロサアスール"


この言葉の意味は『青い薔薇』

人々の解釈上、これは花言葉の『奇跡』や『神秘』などの意味から来ていて、

この地が豊かに一変したことを表していると誰もが考えた。


だが、その名に込められた本当の意味は決して語られることはなく、

集落は村、街、そして国にまで規模を広げ

時は現代へ______

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