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よく見た夢


 小学校の昇降口 自分の下駄箱が分からず

 私は上履きのまま 外へ飛び出してしまう

 重い曇った空と 濃い松の木の匂い

 傍らの手洗い場 そこに身をひそめる

 休み時間なのか 子供たちが遊んでいる

 体操服の生徒らが 体育館へ向かっている 

 私は落ち着きなく 周囲を見ている

 背後から何か来そうで 何度も振り返る

 何かに追われているのだ

 友達?先生?あるいは化け物?

 私はいつも激しく緊張していた

 でも”何か”が現れたことは一度もなかった


 小学校をL字に囲む松林 

 私はその中を奥へ奥へと走っていく

 空は曇って重苦しく むせるような松脂の匂い

 松の赤茶けた枯葉で 地面は埋まっている

 まつぼっくりと太い枝が たくさん転がっている

 見えない木の根に 何度も転びそうになる

 それでも私は 息を上げて走っている

 何かに追われているのだ

 だが振り返っても何もいない

 いや、きっとこれからやってくるのだ

 いつも激しい不安に憑かれていた

 でも”何か”が現れたことは一度もなかった

 

 郷里を離れるまでの間によく見た夢だ

 緊張や不安に襲われながら逃げる夢

 だが不思議と混乱や恐怖はない夢

 昔ほどではないが今でも時折見る夢だ


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