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黄昏は優し
黄昏こそ もっとも心安らぐ
窓際にいても 薄暗く感じて
キリもいいので 小説を切り上げる
心地よい疲労と ほどよい空腹
電灯をつけるか 悩む薄暗さ
窓の外には 紫に染まる山
道路の向かい 広い工事現場で
作業員たちが 片づけをしている
みな今日の仕事が 終わる頃だろう
今頃家にいても おかしくはない
私が安堵し 電灯をつけると
窓が反射し 部屋を薄く映した
脳のスイッチも 切り替えたみたいに
私は前向きに イキイキしだして
なんとかなるさ また明日があるさ、と
何もなかった日の終わりを享受する
一日を明確に区切る黄昏
私にとってそれは許しの時間
みなが渡れる時間の交差点だ
そこではどんなノラクラ者でさえも
真っ当な大勢と見分けがつかず
カインの印さえ消滅するのだ




