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臨春望冬


 冬は力尽き、果てようとしている


 全てに対して平等に過酷で

 全て殺風景にしてしまう冬が


 人をしかめっ面にする北風も

 私の指を動かなくする寒さも

 夜を延ばす短い昼の時間も

 私を残して消えようとしている


 そして春がそこに差し迫っている


 世界に祝福と恵みをもたらし

 誰もが手放しにもてはやす春が


 盛装で浮かれ気味の大学生

 新しい制服、リクルートスーツ

 卒業式、入学式、入社式……

 私より年下の若者たちよ


 春はとりわけ君らのためのものだ

 春を謳歌できる者は正統だ

 私のような人間はうつむいて

 自身の空虚さをかみしめるだけだ


 世界は進む進む、進み続ける

 ついていけない者は取り残される


 冬の間に葉っぱを散らしきって

 みすぼらしく死んだように見えた木々

 私の同情を買った街路樹も

 すぐに青々と葉を茂らせるのだ


 冬に耐えようとも春が来ようとも

 芽は潰れ、根腐れしている私に

 もはや展望などあろうはずもない

 なんでもいいさ、春よ、もう来ないでくれ


 春に臨んで、私は冬を望む


 世界よ、私を置いてかないでくれ

 時間よ、私を追いたてないでくれ


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