友情は儚い。そして、愛もまた。
先生が私に残した遺書を、この<小説家になろう>に公表していいものか、とても悩んだ。遺書をウェブに公開するなんて、常識に反することだと思うからだ。
だが、それは故人の思いに反するものでもある。先生は遺書の中で、私に次のように依頼しているのだ。
「この遺書を、小説家になろうへ、投稿して欲しい。友情と愛に関する、私の率直な思いを綴った、この遺書のすべてを開示してくれ」
頭がおかしくなったとしか思えない頼み事だが、先生の遺志に背くことなど、私には出来ない。
偶然にも「秋の文芸展2025」のテーマは「友情」だ。
せめてもの供養に、投稿させてもらう。
時間がないので遺書の内容を要約する。
先生が死んだのは、若き日の罪を償うためらしい。
若き日の過ちとは何か?
友人を自殺に追いやった……らしいのである。
先生は、その自殺した友人と、同じ人を好きになった。そして、友人に先んじて、その相手のフィアンセに納まった。それで友人は落胆し、死を選んだ……とのことだ。
自殺の理由として筋は通っている。だが別の解釈も成り立つ。
自殺した友人が、その相手を、本当に好きだったのか?
もしかすると、その友が愛していたのは、先生だったのではないか?
無論、真実は分からない。そういうことも考えられる、というだけだ。
やばい、残り五分だ。そろそろ終わる。さいなら。




