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異端の子  作者: 水園寺 蓮
義焔再団編
65/93

前夜

 この一歩を進めば、もう俺達も引き返せない刃を貫くことになる。レイが殺さないよう足掻いたって、戦場はそのままいさせてくれない。殺さなければ、殺される。仲間を守るには、敵を倒さないといけない。殺さないように倒す、は双燕相手にどの程度通用するかなんて愚問だ。通用しないのだ。あれは。


 俺達は保護下に置かれ、監視されていたけれど、同時に情報を得ていた。双燕は俺達が協力できないようにバラした。それが間違いだった。それぞれ違う場所にいるから、それぞれもっている情報も見てきたものも違う。つまり、双燕は俺達に意図せず自分の状況を流し続けていたのだ。外との交信、王族の情報、建国式の日の予定…全部、全部流れている。


 俺達に届いてないとでも思っていたんだろう。


 だが、俺や途中加入組を除けば、鬼呪一天は潜入の経験者。潜入の術をレイに直接叩き込まれた駒場や田中、睦月達だって、それぞれの場所で根を張り、いくつも、いくつも転がっていた情報を拾ってきた。


 レイの言う通り、時間のおかげでわかったことがある。時間のおかげでこっちも準備はできた。戦力差も、立場もわかってる。普通なら、負け戦。誰だって馬鹿だって言うだろう。それでも俺達はこの一歩を踏む。


 このままいけば、双燕によるUNCの奴隷化は避けられない。あいつは、王国をつくり、俺達を牛耳るともに、兵として戦わせる一方、使えなくなれば、素材にするつもりでしかない。俺達はどうやら何かに使えるらしい。これは駒場の情報。「転生」という曖昧な単語は拾えたが、詳細はわからないとのこと。


 とにかくあいつは戦力として使ったうえ、使えなくなれば素材にする、UNCをあいつの道具にしかしない。このままじゃ平和ほど遠い。あいつは王族、それも時期皇帝らしく、時折、貴族軍といわれる連中がやって来ては会議を開いているらしい。貴族軍は確認できただけで三人だが、睦月情報だと全部で十三人いるらしい。どんな奴らかはわからないが、とにかく強いとのこと。もし、もう一度戦うとなれば、貴族軍も参戦するだろう。

戦力差はきっと向こうのは上で、届かない。何せ双燕には王様が付いてるわけだ。

それでも俺達は挑む。


 レイが語った平和をもとに、俺達は集まった。この地獄を終わらせるために。レイを信じて、自分達も立ち上がった。戦ってきた。皆、この島でただ生きるために傷を負って負わされてきた。奪って奪われてきた。

これ以上、この連鎖が続いていいはずない。

そう思った俺達はここに集まった。レイに集められた。


 レイがこの不利な状況をどうすると思う?


 俺達ならすぐにわかる。レイなら迷わす挑む、と。


 平和のために、未来のために、この地獄を終わらせるために。


 そのためなら、レイは自分を犠牲にできてしまった。殺しも覚悟していた。

綺麗なままじゃこの戦いは終われないことを、俺達も覚悟している。もう、綺麗ごとで終われる場所にいない。殺されるか殺すかの、一人一人の戦い。

俺は、真っ白な手で傷ついたレイといるより、同じくらい傷だらけで隣に立っていたい。


 多分、こう思ってるのは俺だけじゃない。




「覚悟はいいか。全て終わらせるための、最後の戦いだ。」


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