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異端の子  作者: 水園寺 蓮
義焔再団編
62/93

これだから鬼波は…


 前略、遊喜と龍ト。お前達は元気ですか。俺は頭が痛いです。

なんでこんなやばい奴の味方になったのか、俺は今ではもう理解できません。覚えていますか、あの時鬼波零斗は死んだはずでした。それが、全てやばい奴の作戦通りで監獄をぶっ壊し、ここで生き延びて訓練しながらUNCの歴史に手を出して、そりゃもう情報過多です。鬼波達はなんでもない、とさも日常報告のように話してきました。もう俺はわかりません。話された内容全てを理解するのは無理でした。三月なんて、第一世代とかいう昔話の時点で意識を明後日の方へ飛ばしていました。俺も限界です。



秋崎はなんとか聞いた話をまとめる。


「つまり、レイは上手いこと皆を騙して生きてて、お師匠さんを助けて、偉人様方と協力してて、三人は戦間で潜伏生活?」


「そういうこと。流石適応力の神だね。」


眉間をつまんで苦笑いをする秋崎にレイは水を差しだした。


「ま、君らが来るのは予想外だったけど。」


「勝井さん達は津宮に頼まれてお前らをここに連れてきた。勝井さんがここを選んだのは俺達がいるからだろうな。」


俺が補足をする。


「…なんで私たちまで?」


 今まで黙っていた石崎が声を発した。その顔は先ほどまでの話を全て諦めた顔だった。まぁそうなるだろう、と話した側の俺も思った。


「殺したくない、それだけじゃダメか?」


レイは首を傾げた。


「それが理解できないって言ってるのよ。」


「うーん…石崎と僕は親友だった。君は最初から利用するつもりで仲良くしたんだろうけど、僕は楽しかったから、情が消しきれない僕は今回の作戦を聞いて助けたいと思った。これでどう?」


石崎は苦笑して、目を伏せた。レイはそんな人間だ、と思い出した様子だった。そう、呆れた顔をしているから間違いない。



 区切りがついたと見た秋崎が「お前、津宮と連絡とってるのか?」と問う。


「いや?あれから一度も取ってない。」


「じゃあ、どうやって―」


「お忘れかな?僕の使獣もルアとソウの使獣も島に残ってるんだ。情報は筒抜けさ。」


「いや、見たことないが?」


秋崎はどこいたっけ?と頭を回す。


俺の使獣は猫。ソウの使獣はオウム。レイの使獣は鴉。となれば、情報収集には困らない。大体、俺達と使獣は施設時代からの付き合いだ。彼らも相当賢く育っている以上、情報収集以外も彼らにはできることが多い。


「僕の使獣は形見としてクルが持ってる。紘は多分気づいてるだろうけど、僕の使獣の首輪には石が埋め込んである。そしてそれは石じゃない。」


秋崎はそれでおおよその仕組みを察した。鬼呪一天とつるむようになってから、驚くまでのハードルは高くなったと自分で思う。


「僕の目はそこにもある。ま、単に僕の使獣は頭がいいから、定期的にここにやって来るよ。」


「そんで俺の使獣のオウムは悟といるから、そこの情報は俺のオウムからレイの鴉に。」


「俺の猫は駒場が預かってくれてる。駒場は真壁のお膝元…だからこっちも筒抜け。」


秋崎は目の前で悪い笑みを浮かべるこの三人を二度と敵に回したくないと心底思った。


「津宮も相当やるみたいだからな、そろそろメンバーがもう一度繋がれる。秋崎の協力のおかげだ」


ありがとな、と笑うレイに秋崎はまた苦笑して軽く頷いた。


「雪が解けるとき、僕らの戦いは本番だ。」


「零斗…今年は雪が早く解けそうだ…早々に神社巡りは終わらせるべきだ。」


黙っていた樹が立ち上がり、砂浜へ向かい出した。レイもわかった、と立ち上がって立てかけてあった鉄パイプを手に取った。


「…秋崎は三月を任せる。まだ追いついてないようだからな。」


三月はここに来てからずっとぐるぐるしたままだ。


「石崎と赤松は本国に渡ってもらう。」


「え。」


石崎は目を丸くしてレイを見つめる。


「二人にこれからの戦場は厳しい。」


「でも、私は救われた身。要田とあなたの仲間が私を救った。だから私にも戦わせて。」


石崎にも義理を通す精神がある。強い瞳をレイに向けている。


「……なら、ルアに戦闘指導をしてもらうといい。赤松は僕と共に戦うのが嫌なら去ればいい。でも覚悟があるなら、力を貸してくれ。」


覚悟を受け取ったレイは頷きながら、赤松にも目を向けた。


赤松はちらっとソウを見て、すぐにレイに目を向けて「私は貴方が嫌い。」と告げる。レイはまぁそうだろうな、という目で見つめ返した。


「でも私は麗奈様を守るために戦う。」


赤松は暗に今は忘れる、とも告げた。


レイは嬉しくなるも顔に出さないよう気を付けながら頷いて、「…そうか。ルア、四人を任せる。行こうか、ソウ。」と言って立ち上がった。


「今度はどこだよ?」


ソウは眠そうに歩き出したレイについていく。


「海馬の神社だ。」


「オーッケー。」



 浜に出れば二人を樹は待っていた。

レイは羽を作り出すと、海面に立ち、一気に上昇した。ソウも水銀でスケボーのような板を作り出し、乗ると一気にその後を追った。樹はそんな二人の後を魂となって追う。

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