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異端の子  作者: 水園寺 蓮
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プロローグ

 海に囲まれたとある国では、数十年に一度、“UNC爆発”という、何かしらの能力を持った子供が多く誕生する。彼らが生まれるようになった起因は初代王・鬼波始海が神に願った、とだけ継承されてきたが、彼らはその力ゆえに隔離される。彼らの能力は子供ながら、人を傷つけに十分な力がある。そのため、害を成さぬようにと国が管理人を通して離れた島に彼らを集め、そこで生涯を終えさせる。彼らは島で生き、死ぬことに何の疑念も抱かないし、おかしいとさえ思ってこなかった。


だが、その隔離された島は地獄である。国の人間はその島を自由の楽園や子供の国というが、その島は願われて存在する力で争い続ける、ある種地獄の姿をした現実であった。


彼らの役目は国に繁栄をもたらすことや、国の危機を守ることとされていたのだが、そんな状態の島ではそのような仕事などできる暇はなかった。平穏に暮らすことさえままならない、多くを失い、死んでいく現実は、到底楽園などと呼べる場所ではなかった。


 なぜ、彼らが争うようになったか。


定かではないが、一説では隔離を始めた王様、三代目の王様の言葉が原因だった。


「自由が欲しくば、この島を統一せよ。統一者は王となりて、この島を治めん。」と。


その言葉を聞いた世代の時は島の環境自体いいものではなく、食料の奪い合いも重なって戦争状態が引き起こされた。


それから、世代が変わったのを機に管理人達が子供達の戦争状態を収めるため、島入り前の学習期間で、子供たちは皆平和を教えた。しかし、平和の教えは意味を成したことはない。


 力ゆえにチームを作り、共同で生きていく中で奪われ奪い、争い、失っていくうちに、彼らは自分達の置かれた環境こそがすべての元凶だと気づく。そうした気づきは幼いうちはなくとも、成長すれば全員が理解し、今度は自由を求めて剣を取った。国を作って島を変えようとする動きもあった。しかし、彼らは誰をトップにするかで結局争いになり、真に統一を目指すための争いが始まった。


そう、拳が銃になっていくように、本当の殺し合いが始まった。


皆、それぞれの夢と目標を掲げ、現状の籠の中で自由を求めながら、閉じ込めた国を潰すために。


そうして何世代ものUNC達が争った。だが、一度も統一は果たされず、何十年、何百年と続き、二〇〇六年、後に変革のUNCと言われる世代の彼らが誕生した。




 今までの話しは島入り前に、管理人に聞かされる昔話みたいなものだ。都合のいいように少し変えられてる部分もあるような、下らない話。だけど、これからの話は全てこの国で起こった本当の出来事。


変革のUNCの中心ともいえた人物の真実の物語。島内の争いを鎮め、統一を果たし、歴史の因縁に終止符を打ったチームと、それを率いて平和を実現したUNC王国初代王の話。


間近で見てきた親友で相棒の俺しか知らない、鬼波零斗の激動の三年間。


俺は、あの日々を決して忘れない。

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