悪役令嬢になろうよ!
私は悪役令嬢なりたい!!!
この時にずっと待っていましたの!!
とうとう来た!!
この国ダルカンは12才になると学校に行くように義務付けられている
この日をまだかまだかと待っていた私ミスティル・ヒルダ
家は伯爵の爵位をもらっており
王国の一角を統治している父
それを支える母
その中で何の不住のない生活を送ってきたヒルダ
彼女には一つの野望を持っていた
(学園生活で悪役令嬢になるわよ!!!)
俗物としてあまり公にできなかったヒルダの趣味
恋愛物の読書
しかも数少ない悪役令嬢の物語に惹かれっていた
ヒロインをいじめる悪役令嬢
後の物語は破滅の一途をたどるがヒルダは怖がることなく悪役令嬢に惹かれた
(悪役令嬢になるために数々の試練をこなしてきたわ!)
メイドに厳しくしようとして
少し我儘を言ったら母に怒られ
ご飯を贅沢に食べようと思ったら父に怒られ
勉学をさぼろうと思ったら二人に怒られ
何度くじけそうになり夜ベットの上で暴れたことか
(おかげさまで怒られ態勢はついたわ!)
制服に身を纏い
いざ!いかん!!聖セチル学園へ!
(さて、、、まず、、、、どうしようかしら)
きょろきょろ周りを見て標的になりそうな生徒を探す
学園1可愛いだろうメリル
今年の首席入学をしているアサリ
生徒との交流が広いネミ
(そうねまずメリルさんから反応を見ようかしら)
メアルが学生と談笑しているなかヒルダがメアルと学友の前に立ちはだかる
「御機嫌ようメアルさん
わたくしミスティル・ヒルダと申しますわ!
あなた達のお話を聞いていましたけどあのお店
通うのやめた方がいいですわ!
質が悪くて国産と言っているのに国外の品を取り扱ってるみたいですの!
それにあなたぐらいの方は表通りにある小さな雑貨屋がオススメですわよ
オーーホッホッホッ!」
わざと大きな声で言って優雅に立ち去り
ヒルダは内心ガッツポーズをとった!
(決まったわ!!)
明日にはヒルダの悪行が学内で轟くだろう
ヒルダはルンルン気分でスキップしながら明日を待った
しかし現実は上手くいかない
「ヒルダさんが言ってた指摘してくれた雑貨屋さん
国の摘発が入ったらしいわ!」
「表通りの小さな雑貨屋さんとても可愛くて素敵な品が売られていたの」
「ヒルダさん教えてくれてありがとうございます!
おかげで恥をかかなくて済みましたわ!」
「え、、、えぇー良かったわね、、とても」
頬を引き攣らせながら メアリからの握手に答えていた
(思ってたのとちがぁーーーーう!!!)
感謝されて嬉しい!
嬉しいが何かが違う
「そうじゃない!そうじゃないんですわー!
なぜ私が助けたみたいになってますの!?」
本来なら皆からヒソヒソされてメアリから嫌な視線を送られたりするのかと思ったら
学園内に入るやいなやヒルダを待っており
感謝された
「めげずに次に行きますわよ!」
次の標的は頭のいいアサリだ
彼女は1人で黙々と勉学に励んでいる
学園内でいくつかのグループができており
ヒルダは誰も悪役令嬢の破滅に巻き込みたくないため親しい友人を作らなかった
未だに一匹狼を貫いているのはこの2人ぐらいだろう
放課後決戦と時が来た!
ヒルダは勉強しているアサリの前に立ち塞がる!
「アサリさん御機嫌よう
1つよろしいかしら?
何をそんなに勉学に励んでいるのかしら?
勉強の点数が取れても人間がなってないと何も身についてないのと同義ですわ
頭が良くても中身が伴っていなければそれは無能な人間と同じでしてよ!
オーーーホッホッホッホッ!!」
アサリはガタッと席を立った
ヒルダは戦闘態勢をとる
「なんですの!
暴力は反対ですわよ!」
「ありがとうございます!!!!」
「は??え???ありがとうございます」
アサリは目に涙を溜めながらヒルダの手を握った
ブンブンと上下に振っている
「私もよく分かってました!
でも、、、でも、、誰も声をかけてくれなくて
私は頭しか取り柄がなくて
でもお友達と沢山遊びたいんです!
学年首席なんて取っちゃうから皆話しかけて来ないから1人いつも寂しくて」
アサリの声を聞いていた生徒たちが集まってくる
「そうでしたの?
てっきりお勉強のお邪魔になると思って声をかけなかっただけですわ!」
「わたくし達もアサリさんからお勉強教えてもらいたいですわ」
同級生達に囲まれてみんなの声を聞いて皆が自分を思って貰っていた事などがしれてアサリは涙を流す
「ヒルダさんありがとうございます!
ヒルダさんのおかげでとても楽しい学園生活が送れそうです!」
「えぇ、、、、良かったですわとても」
ヒルダは優雅に教室を去った
教室を出てガクッと廊下に座り込む
「なぜ、、、なぜ上手くいかないのですの!」
ヒルダの中で罵っているはずなのに涙を流して感謝されて予定と違う!!
「悪役令嬢になるのは難しいですのね
でも私は完璧な悪役令嬢になってみせますの!!」
本日はまだ時間があるので最後の候補の場所に向かう
案の定5、6人の中心に彼女はいた
楽しく談笑して学園生活を謳歌している
ヒルダはさっそく彼女の前に立ちはだかる
「そんな人の間の中にいて滑稽ですこと!
皆さんは誰かと行動しないと生きていけませんの?
その笑顔の裏に何が隠されてるのかしら?
醜い身分やら何やらでわたくしはお付き合いしたくございませんわ
オーーーーーホッホッホッ!!!、、、ほっ!?」
最後に高笑をして去ろうとしたら手を握られる
びっくりして最後に素の声が出てしまった
手を握ってるのは標的であるネミだった
(ま、まさか、、またですの!?)
「あ、あ、ありがとうございますぅー!!
私の親の地位で近寄って来ているのか分からないし
正直作り物の笑顔も疲れてきていたの」
ネミは集まって来てくれてた人々に顔を向ける
確かにネミは、、、彼女は侯爵令嬢
彼女の家に寄ってくる人は多いだろう
「私、ヒルダさんとご友人になりますわ!
私の言いたい事を言ってくれたし
スッキリしましたわ」
「私も!!
私もよろしいかしら」
教室を見て見たら本を抱えたアサリもいた
「私もヒルダさんと仲良くしたいですわ!
ヒルダさんのお陰でたくさんの方とお話することも出来ましたの」
「良ければ私もお仲間に入れてくれませんか?」
メリルもいつの間にか教室におりヒルダ達を見ていた
「私もヒルダさんが雑貨屋の事言ってくれなかったら恥をかく所でしたもの
良かったら私も仲間に入れてくれませんこと?」
なぜ、、、こうなってしまったのか
ヒルダは疑問を抱く
悪役令嬢になりたかっだけなのに
自分の周りは3人の
しかも学級の中心となる令嬢が集まっていた
「悪役令嬢って、、、難しいのね、、」
「あら?ヒルダさんどうしたの??」
「何もございませんわ
ただの独り言ですわ」
ヒルダの独り言は誰にも聞かれること無く教室に溶け込んだ
END
最後まで読んで頂きありがとうございました
ちょっとでもクスって笑って貰えたら嬉しいです!