ハルコイ
胸がキュンとときめいた。
温もり感じて心臓トクトク。
あなたは、
どうしてそんなに優しいの?
くれた笑顔が、
もったいないとか思わないの?
夜の布団の上で僕は、
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ。
あなたをデートに誘いたい。
いや待て。
その前に連絡先の交換だ。
ちょっと待て。
まずは話せるようにならないと。
翌日の高校の教室。
あなたはいつものように、
女子の輪の中、笑っている。
どうやって近づいたらいいんだよ。
チクチク心が切なく痛む。
やっと勇気を出せました。
たまたま一緒になった帰り道、
僕はあなたにアプローチ。
一生懸命話しかける。
話題は飛んだり、沈黙が流れたり、
ナカナカナカナカ上手くいかない。
でも、
春が来たから花を育てているって話になって、
君が見たいと言うからさ、
写真送るよ?
って。
連絡先入手。
花の画像を送りました。
返信があって、
彼女はこんな顔文字使うんだ。
そんなところも愛おしい。
この恋は花を育てるように、
ゆっくり、ゆっくり、行かなければ。
手をつなぎたい。
キスがしたい。
まだまだダメだ。
ああ。
頭の中がもんもんとして、
あなたが溢れてる。
今度引っ越すんだ。
だから会えなくなる。
それらは突然のあなたからの言葉。
ブルブル震えながら僕は言った。
……好きなんです。
返事は無かった。
あなたは県外に行った。
あれからどれほどの年月が経ったろう。
いつからか途絶えたメッセージ交換。
僕は社会人になり、働く毎日。
繰り返しの日々。
つまらない日常。
ある日送られてきたメッセージ付きの花の画像。
久しぶり!
僕たちは駅で再会した。
桜咲く春、
あなたは一段と綺麗になった。
失われた時間を取り戻すように、
僕たちはおしゃべり。
あなたは聞いた。
ねえ、結婚した?
彼女はいるの?
僕は答える。
いるわけないじゃん。
顔と顔を向けあって、
恥ずかしそうにお互い微笑を浮かべる。
胸がキュンキュン。
心臓トクトク。
春の桜の花びらの中、
僕たちの恋は再開した。