第十七話 背負うモノ
「強奪作戦を狙う!?」
大テーブルを囲み朝食をとりながらロキの話を聞いていたところ
ロキ以外のその場の人全員が、作戦を聞き驚嘆した
ロキ:「ああ、それが一番確実だと思う。」
ペレシア:「ぷ、ぷははははははは、、面白い、面白いね!」
ルイス:「ま、まあ現実的と言えばそうか、、、」
ヘレン:「闇ギルドに喧嘩をふっかけるのかと最初は焦ったけど・・確かに」
驚きつつも、ロキの発言の妥当性について彼らは納得していた
ロキ:「まず、ランディさん達、護衛騎士団がロマキンス草の出入りが確認された
支部の一つを攻め落としに乗り込む」
ランディ:「は!?、なんで俺たちがそんなこと。。」
焦るランディを横目にロキは続けた
ロキ:「その後、せめても草だけでも違う支部に移そうと敵がしたところを
俺たちが奇襲をかけ、奪取する!」
ルイス:「しかし、そんな都合良く奇襲なんて仕掛けられる支部、あるのか?
俺たちはこの街にきたばかりでそんな情報、、、」
ロキ:「いいや、一つだけある」
ルイス:「なに?」
ロキ:「俺たちが最初に行った宿屋のとなり、あそこの建物はバカデカかった癖、門が異様に小さい」
ヘレン:「ええ、だから?」
ロキ:「おかしいと思わないか?、あそこは面積だけを考えると、間違いなく倉庫だ
しかし、馬車が通れる門が一つもない、、、これはつまり、」
リーグ:「隠し通路がある!」
ロキ:「そう考えていいだろう、それだけデカイ通路なら一目につかず出られる場所も限られる
一番都合が良いところ、他の支部と簡単に繋がれて輸送も手早くできるところは、、、」
ペレシア:「用水路、なんて言うのが妥当な推測かな?」
ロキ:「それだ!」
ロキが話を終えると、ペレシア
「ふぅ」と一息つくと、おもむろにその小さな足を組む。
考えを巡らせているであろうその童顔には、作戦の理解と、また、ある種の嫌悪を含んでいた
ペレシア:「うーん、いい作戦だけど、、それだけじゃあ乗れないよ?。」
ロキ:「もちろん、これはユートルビアにも利益のあることだ」
ペレシア:「へぇ、どんな?」
ロキ:「そうだな・・・。奪取したロマキンス草の9割をユートルビアに譲渡する事でどうだろう」
クラウス:「へぇ面白そうだね。その話、もうちょっと聞かせてよ」
気づくとダイニングの入り口にクラウスがいる。
国王の正装に、煌びやかな装飾品をいくつも付けているが
決してそれは、成金趣味などには見えず晩餐会への礼儀の他、感じるものはない
それどころか、正装によって一層、王たる威厳に満ちている
ロキ:「!!ク、クラウス様!?、、は、はい!、ええと・・」
ロキは一通りの作戦をクラウス王に説明した
クラウス:「フハハハハハハハハ。。。面白い!やろう!!!」
クラウスが見せた反応はその場にいた誰の予想とも違う物だった
ロキ:「え?、よろしいのですか?」
ランディ:「しかしあの闇ギルドは、、」
クラウス:「なあに、薬の件なら案ずるな、、手は打ってある。」
ランディ:「了解いたしました、準備いたします」
クラウス:「なら、善は急げだ、明日の夜には始めよう!!」
王は拳を高らかと振り上げ、音頭をとっている
一同:(王様、ノリノリだよ。。。)
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皆が寝静まった後ロキは一人、ベランダへ出ていた。
ランディ:「なんだよ?、辛気臭い顔して、」
ロキ:「!!、、、ああ、ランディさんですか、少し不安なだけですよ
失敗した時、俺が死ぬだけならまだしもあいつらを巻き込むんじゃ無いかって」
ランディ:「何を今更、当たり前のことじゃないか」
ロキ:「え?」
ランディ:「事を起こせば人を動かす、目標がでかくなればなるほど巻き込む人の数は増える
現にお前は、仲間巻き込んでここまできたじゃないか。。。」
ロキ:「でも、そんなことは誰にでもできるじゃ、、」
ランディ:「いいや、違うな、事を起こした人間で英雄と呼ばれた人間は、いつも成功を確信して
人を率いた訳じゃない、皆悩み、苦悩し、闇の中とも言える疑念と責任の重圧受け、
それでも尚、ガキのように正しさを主張し旗を振り続けたたんだよ。
だから、、、、そうだな、恐れんな」
ロキ:「は、はい、、ただやっぱり自信がありません」
ランディ:「まだいうか。。。じゃあー、特別に上位魔法を一つだけ教えてやる。」
ロキ:「ほ、本当ですか!?」
ランディ:「ああ、ただ、一回しか使えないから使い所はポイントだなぁ、、」
ロキ:「あ、ありがとうございます」
その後ロキは小一時間ほどの手解きを受けた後、寝床に戻った
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