第十四話 捜索中にて
”カラフィーレ王立図書館”
ロキの住むカロフース王国内のありとあらゆる情報が揃う、巨大図書館だ
人類が誕生(正確には記述が残っているのがそこまでしかない)から400年で作られた
世界中でも有数の古い図書館である。
「うーん、、、」
分厚い本を睨み、ルイスとヘレンは唸っていた
「読めないことはない、ただ・・・」
リーグもそう言って言葉を濁した
ルイス:「ここには、固有特性は神が人間に与えた他の生物と渡り合うための
加護だと言ってるわね」
ヘレン:「そう?、こっちには大気中の魔力の流れと出産時に遭遇する状況が引き起こす
偶然と書いてあるみたいだけど?」
リーグ:「どちらにしても想像の域を出ていないな」
「ロキは何か出てきたか、、、、ってなんで魔導書なんて読んでんだよ!」
「え?、ああ、ゴメンゴメン、
俺今まで魔力がなかったから、まともに魔法の勉強しなかったろ?
そのせいで、あの時も結局、歯が立たなかったし・・・。だからちょっとしたついでにな。
でもほら、ここの一説とか見てみろ、
過去にある薬で固有特性を失った聖女の話とか・・・」
「え?、あ!あった!!!」
「おい、その魔法書よこせ!」
すぐさまルイスはロキの魔法書を奪うとそれを読み始めた
「ええと、
『437年、ドルムント郊外にて固有特性を持つ冒険者が回復ポーションの原材料:ロマキンス草を直接口にしたところ高熱を訴え、1日後、スキルが消失したという事例がある』。」
「って、ロマキンス草って、赤子も知ってる毒薬じゃない!!」
「らしいな、まあとにかくポーションは薬屋だ。行こう」
そういって向かおうとすると本棚の向こうで何やら話し声がする
???(女)「見つからないね。」
??(男)「はい、そもそもあの報告すら、精度が疑われている節がありますからな、、」
???(女)「まあ、兄様が調査をお願いしたってことはそれだけのことなのは間違い無いんだけどね〜」
??(男)「とにかく、次は薬屋に向かいましょう。あそこには魔術に関する情報も得られます」
???(女)「そうだね、行こっか」
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ロキたちが外へ出ると大通りにはたくさんの異国の紋章をつけた兵士たちが凱旋していた
ルイス:「な、なんだこれは、、、」
リーグ:「すごい人だな、、」
ロキ:「身動きが取れない!!」
人混みに揉まれていると見物人たちの話し声が聞こえる
「あれが、ユートルビアからの視察団か」
「ああ、それも今回は国王自らの訪問なんだとさ」
「本当かい、しかし急だな。なんだってこんな時に・・・」
「わからない、何か戦争が起こるわけでもないのになぁ。
あ、そういや聞いたか、国王様が最近ポーションの原材料に新しい契約先を見つけ・・・」
ロキたちは懸命に方向を確認し、前へと進んだ
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流れる雑踏を切り抜け、ロキたちは繁華街の外れにある薬屋へと到着する
中に入ると、店内が妙に騒がしい
「おい、あれ・・・!」
「ああ、なぜユートルビア王国の第三王女、ペレシア・プリチャード様がこんなところに!?王都の中央道りで凱旋してるんじゃなかったのか?」
ペレシア「あら、バレてしまっては仕方ないわね」
??(男)「あなたねぇ、半分自分からそのフードとったでしょ?」
ペレシア「何、悪い?別にいいじゃない」
??(男)「はぁ、あなたって人は。。。」
ペレシア「でも、面白いものが見れそうよ?」
??(男)「ああ、確かに。。」
スッ、
ロキ「え?、」
ロキは気付くとペレシアが前に立っていた。
いや、彼女は浮いているので立っていたという表現は正しくない
ペレシア:「君、なかなか面白いね」
ロキ:「へ!?」
ペレシアはロキの両頬を触り。。。。
ドクン!!
ロキはその瞬間、意識を失った。
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暗闇の中、一人の紳士は今日もロキの視点を横目に紅茶を飲んでいた
カツン、ふと紅茶を置く
カルロス:(これはまた、可愛いお客さんだ)
ペレシア:(へぇ、彼を気絶させてあなたがいるなら、あなたと彼は別の存在なんだ。)
カルロス:(ええ、おっしゃる通りです)
ペレシア:(じゃあ単刀直入に聞くけど、あなたは誰?)
カルロス:(それは、お答えできません)
ペレシア:(ならここで始末しちゃうけど、いい?)
そういうと彼女は自分の小さな手に紫の炎を纏わせる
カルロス:(おや、好戦的なのですね。話をしましょうよ)
ペレシア:(あなたみたいなのがウジャウジャいつまでもいると、世界全体が歪みかねないの!)
彼女は手に巨大な火柱を纏うとカルロスに突き立てる
カルロス:(おっと。危ないここはロキくんの精神世界のはずなのですが
、、、なぜ攻撃できるのか。やはり魔法も進化しますか、、、)
続けて6つの火の玉が、ペレシアの背後に現れ、カルロスを襲う。
「は!、」
カルロスは掛け声と同時に火の軌道と垂直に走り攻撃をかわしていく
ヴァァァァン!!
火の玉が逸れた先で爆発を起こし轟音を響かせた。
ペレシア:(じゃあこれならどう?)
彼女は人差し指をカルロスに突き立てる。
指先から小さな紫の玉が放たれると
パァン
強烈のな音と共に無数の業火がカルロスを襲う!
カルロス:(やれやれ、なかなか恐ろしいものですね)
そういうと特に避ける素振りも見せぬまま、爆破に巻き込まれる。
ペレシア:(やったよね?、、、あー時間かかったー)
コツン、コツン、コツン、、爆煙の中よりカルロスは平然と現れる。
尚、彼に一切の傷は見られなかった。
ペレシア:(はぁ!?、、、、チェ、色々と言いたいことは山ほどあるけどまあ、今回は見逃そう。
確認だけど、別に世界を壊す気はないんだよね?)
カルロス:(ええ、私は、あくまで彼の起こした厄介事の後始末をするだけです)
ペレシア:(じゃあ、よし!)
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ペレシア:「ああ、ゴメン、いきなり走ってぶつかっちゃったから、、、」
気づくとロキは倒れる寸前で少女に支えられていた。
ロキ:「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」
「大丈夫かよロキ、女の子にぶつかられたくらいで」
ルイスはからかうようにそう言った。
「うるせえ、少し頭が、クラついただけだよ」
ヘレン:「初めての土地だし、あんま無理しちゃダメだからね?」
ロキ:「ああ、ありがとう・・・」
ペレシア:「ヘ〜、ここにお兄さんたち何しにきてるの?」
ロキ:「え?、ああ、人を助けるためにその手がかりを探してるだよ」
ペレシア:「そうなんだ!、私、ペレシア、君の目的を手伝わせてくてない?」
ロキ:「え?」
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