第十三話 王都フェネロ
「とは言ったもののどうしたもんか・・・」
雨降った空を傍らにロキは講堂で悩んでいた。
「んー、スキルをなくすか、、そんなこと考えもしなかったな」
ルイスは頭を抱えながらそう言った。
「そもそもスキルって何なの?」
ヘレンはそう問いただす。
「そもそのその概念自体が、、、ってなんでルイスたちがいるんだよ!?
て言うか今授業中!!」
「とっくに終わりの鐘鳴ったよ。て言うかお前が昨日神妙そうな顔になって「俺、今日用事あるから」ってスタスタ聖堂の方に走ってくから、か気になって別れた後ついて行ったら、あんなこと言い出すからもう・・・・www」
「ええ、あれは爆笑だったわww」
「間違いないww」
どうやら全員はロキの昨日のモニカシスターとのやりとりを聞いていたようである
「うっせ、笑うんじゃねえよ」
「で、どうするんだよ。シスター、かなり期待してたぞ?、
まさか何も考えてなかったなんて・・・」
「あぁ、正直まだ解決の糸口すら掴めていない」
「マ、マジか、、、」
「とにかく情報不足は問題ね・・・」
「固有特性くらい魔法科の授業でやるだろ。普通、」
「いや、お前は聞いてなかったから、知らないだろうが固有特性は
そこに『ある』という定義しかされてない。
だからその発生原因や、種類、まあとにかく全てが、謎に包まれてる。」
「だから情報がいるってわけか」
リーグが付け足す
「なるほど・・・」
「ゼーレ先生にも相談してみよう。」
________________________________
医務室ー
「え、固有特性について?
そうですね、私も詳しくは分かりませんが、
王都の図書館にでも行けば、何かわかるかもしれませんよ。」
「なるほど、、でも、馬車を雇うお金なんて、、」
「ああ、そう言う時は、、、」
________________________________
〜数日後〜
「魔法科学生が、首都までの道のりを護衛いたします!!!」
「いかがですかーーー?」
なぜロキたちが街のど真ん中で護衛の仕事を探しているかというと・・
ゼーレ:「学生は基本的にお金がないので、積荷の護衛を日雇いの仕事で探して、片道切符で目的地に行った後、
気合いで帰ってくると言うのは、よく聞く話ですね。私も本で見た景色がどうしても忘れられなくって
一度だけしたことがあります。」
と言う話を鵜呑みにして(他に頼る節もないので)こうして日雇いの仕事を探していると言うのだ。
ロキ:「しかし、こんなんで本当に見つかるもんかな?」
リーグ:「さあ、まあ学生だし、まともに取り合ってくれないことがザラだよな」
「一応、冒険者っぽく格好だけはしたんだがなぁ」
そういうルイスは少し楽しそうだ。
「何言ってんの、それでもやるしかないじゃない、それ以外方法なんてないのだから。」
ヘレンは励ますようにそう言った
すると一台の馬車がロキたちの目の前で止まった。
「あれ?、ロキじゃないか!どうしたこんなところで、下級冒険者の職業体験か?」
そこにいたのは、ロキの父で下級冒険者をしているアレックスだった
「ゲ、父さん、どうしてここに・・なんでもないよ。早く行けよ。」
「あの、すいません!!」
突然、リーグが声をあげた。
「あぁ?なんだロキの友達か、、なんだ?これから仕事なんだが・・」
「どちらに向かわれるのですか?」
「ああ、ちょっとフェネロまでな、」
「フェネロ!?」
「どうした、なんか思い入れでもあんのか、あの街に?」
「もし良ければ、連れてってくれませんか?」
「はあ?どうして俺がそんなこと、、第一、親の許可は?」
「ありません、でも、守りたい人がいるんです。
そのためにフェネロへ向かう必要があるんです!!」
少し考える素振りを見せた後、アレックスは馬車の中へ
「すいません、道で同僚に会いまして、、、はい冒険者です。仕事が欲しいそうで、はい
ありがとうございます。はい、では手続きは俺の方でギルドに後で報告しておきますんで。」
「乗りな、ただし帰りは保証しないぜ?」
「はい!」
大きな掛け声を口火に、馬車はフェネロへと向かった。
______________________________
「、、、う、ううん・・」
ロキは気づくと揺れる馬車の中にいた。
ロキ:(木の板を背中に寝たせいか、腰が痛い)
ロキたちは途中何度か休憩を取りながら、フェネロへ向かう途中一夜を馬車の中で越していた
横を見るとルイス、リーグ、ヘレン、父:アレックスがそれぞれ横たわっている
(昨日のリーグが、父さんに願ってて本当によかった、感謝しなきゃな・・・)
ガチャン!、突然馬車が止まりアレックスは慣れたように目を覚ました。
「おう、起きてたか、」
続いてルイスやヘレンも目を覚まし始めた
「あれ!?父様?母様?ここはどこだ?」
パシッ!
「寝ぼけんな!昨日馬車に乗ったろう?」
ロキがすかさず突っ込む
「よし、ここから、馬車の検問が始まる。俺たちの契約はここで終わりだ。」
「それじゃあ、行こうか!」
ルイスは威勢よく号令をかける
「父さん、、その・・・・ありがとう。色々無茶聞いてくれて。」
「気にすんなよ。ただ、一週間以内に戻れ。今のお前に対する俺の信頼度はそのくらいだ。」
「ああ、わかったよ」
唾をゴクリと飲む。それは、アレックスがロキに信頼を置いたことを
ロキ自身が実感したからに他なららかった。
「安心しろ、母さんには俺から話をつけとくから」
そういうとアレックスは消えてしまった
(幻術!?、一体いつから・・・)
「おい、行こうぜロキ。モニカシスターを助けるんだろ?」
「ああ。。。」
ご購読ありがとうございます。
少しでも面白い!と思っていただけたらブックマークと評価の方をしていただけると幸いです。