第十一話 魔獣襲来
モネカシスターの噂は瞬く間に学院内に広がり、次第に周囲の先生や生徒から敬遠されるようになった。
「しかしまた、妙なことに、、」
リーグ:「ああ、もはや宗教学の授業ですら、聖堂で最前列、要はモネカシスターの目の前で授業を受けるやつはいなくな
ってるよな」
ルイス:「呪い系の魔術は、解くのに長い時間がかかったり、場合によっては時間をかけて自然消滅
するのを待つしかないからな・・・」
ゼーレ:「うぅん何かで来ることは、、、、ってどうしてあなたたちがここを使ってるんですか!?」
ルイス:「おお、ゼーレ先生いいノリツッコミww」
「そうではありません。全くもう!」
ここは医務室の一角、ロキたちは帰り際特にすることも無かったので
こうしていつも通り、ルイス、リーグ、ヘレンと雑談をしていた。まあ要は溜まり場になったのである。
ルイス:「まあまあ、そうだ、先生方はどういうスタンスで見てらっしゃるのですか?」
「モニカシスターの存在については先生サイドも否定的なのでしょうね。
実際、今度の異動に早速モニカシスターを推薦した先生もいらっしゃるくらいです。」
「まあ、おおかたそんなもんか」
ルイスはため息をつく。
その時だった。
バリィン、医務室の窓をを割り魔獣が侵入した。
「ダークサーベル!?どうしてこんなところに。。」
「無駄口は後です。各々、剣や杖を構えなさい!!」
ゼーレ先生がいきなり豹変したかの如く指示を出した。
「ルイス、ロキは、前衛、リーグは彼らのサポートを、
私とヘレンは後衛で回復魔法の陣を作ります」
「なんだか知らんが、いくぞ、ロキ!!!」
ルイスはノリノリである。
(ええと、四足で歩く魔獣の対処法か、、、俺は杖だからルイスの剣に魔法で援護ってところか。)
「おい、何してるお前は殴れ、そのほうが強いんだから!!!」
「え?(って、まさか・・・カルロスさんのアレ?ムリ、ムリ、ムリ!!!
あんなのできる訳ないだろ!!)」
「とりまっ、お前はあれと対峙しろ。俺が援護するから!!」
「時間はありません、急ぎなさい!!!!!」
(こっわ!、てか普通逆だろ!!!)
「え、ちょ!」
ボケに反応する間も無く、魔獣はロキめがけて襲いかかる!!!
(ああもう。こうなりゃ、ヤケだ!)
スカッ
ロキがこれでもかと思いを込めて振るった一撃は見事魔獣にかわされる。しかし・・・
キィィィィィィィン
ロキの拳から放たれた衝撃波は魔獣を巻き込みながら、壁を突き破った。
「ん?あ、やった、やったやった!!」
少年のようにはしゃいでいると何か視線を感じる・・・
「お前、、、なあ、、」
ルイスはそういうと仲間の方を見る
「ああ。」
「ええ、間違いないわ」
「ロキくん、、、」
4人は声を揃えて言った。
「やり過ぎ!」
「やり過ぎ!」
「やり過ぎ!」
「やり過ぎ!」
「え?」
「いくらギルドを潰した学院最強の武術士と言ってもなあ、、」
リーグは困り顔である。
「学校を倒壊させる気か!」
「まあ、ある程度予想してなかった訳じゃなかったけど・・・」
ヘレンに至っては呆れている。
「ああ。ごめん・・・」
ロキは叱られた子供のように小さくなる。
「あー怖かった。。。」
ゼーレ先生が我に帰ったように腰を抜かす。
「大丈夫ですか?、すごいですね、格好良かったです。」
ヘレンたちはゼーレ先生に駆け寄った。
「ああ、これでも昔冒険者パーティーにいたんです。
ただ、敵を目の前にすると勝手に指揮を取り始めてしまうので。リーダーにはだいぶ叱られましたが。。」
「な、なるほど、、、」
「は、窓が、、ロキくん!!!」
「はい!」
確実に叱られる。そうロキは覚悟した。
「あなたの強さは、この地域では珍しいものです。ぜひ注意して使ってくださいね。。」
「あ、はい・・・」
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ー次の日ー
ロキは職員室の前にいた。
「すみません、1年のロキです。モニカシスターはいらっしゃいますか?」
「モニカ先生なら、聖堂の方で祈りを捧げていらっしゃるんじゃないかしら」
奥からでてき中年の女性はそういうとどこかへいってしまった。
「ああ、ありがとうございます。」
ロキは聖堂へ向かうとそこにはたった一人で祈りを捧げるモニカシスターの姿があった。
「祈りが震えていますよ?」
後ろから声をかけるとモニカシスターは、少し驚いた容姿でこちらを振り返った。
「ああ、これは、この前の、、その節は、、、あの、何かお困りごとでも?」
「いやぁ、どうにも、最近この地域で魔獣が大量発生しているらしくって
困ってるんですよ。」
は、っとした顔をし、少し話すのをためらったあと悲しそうにシスターは話し始めた。
「わかりました。一週間以内にこの街から出ていきます。それでよろしいですか」
「いえもっと簡単で分かりやすい方法にしましょう。
その方が、生徒、先生共々納得も早いですよ。」
そういうとロキはシスターに近づいていった。
シスターの表情が何かを覚悟したような面持ちに変わる。
ロキ:(そこまで追い詰められていたのか・・・・)
スッ
ロキはシスターの横切る。シスターからははたから見ても明らかなほど体が震え恐怖に体を
支配されていた。
シスターは驚いたが、ロキは気にせず歩いていき長椅子の一つに腰掛け、言った。
「話していただけますか?ここに来るまで何があったのか・・・」
「え?」
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