小鬼の岩窟❷
ガツガツ倒しちゃいます!
6/30と7/1は6時、12時、18時の更新です。
矢は奥に座っていたホブの左目に吸いこまれた。
そして数歩で手前のゴブリンに肉薄し、首を跳ね飛ばす。
(10!、9!)
立ち上がろうとするゴブリンの前の焚火を蹴り上げる。
一気に周りの明るさが落ちる。
そのまま向かい側のゴブリンの首を斬りつけ致命傷を負わせる。
(8!)
「「「「ギャッ!ギャッ!!」」」」
暗くなった部屋の中、武器さえも見つけられずただ騒ぐだけとなったゴブリン共は『看破(未来)』を使わずとも楽に屠れる。
伊達にここ数ヶ月剣を振っていたわけではない。
(7!、6!、5!、4!、3!、2!)
「ハァッハァッ…ふー」
直ぐに息を整え『隠密』をパッシブ。
闇に紛れて曲がり角へと退避する。
一応、『看破(現在)』で他に残敵がいないか確認する。
最後の1匹の反応が近くなってきている。
恐らく、先ほどの騒ぎを聞きつけたんだろう。
曲がり角に置いた弓を素早く手に取り、奥へと続く横穴を睨みつけ『看破(未来)』も並行発動する。
一歩ずつ近づいてくるホブの頭部に狙いを合わせる。
(3、2、1!)
ヒュッ!
矢が頭部に突き刺さる。
直ぐ様次の矢を番たが必要無かった様だ。
ホブは同時に両膝を折り突っ伏した。
警戒の為に『看破(未来)』で視認しつつ近寄り、事切れているのを確認した。
案外と呆気な…
ゾッ!
寒気が…こいつ奥で何やってたんだ!?
よく見るとこいつホブじゃない…シャーマンか?
「くそっ!」
走り出す。
急加速して奥へ進むと、先程の広間と同じ位の広い部屋があった。
そこは四方を篝火で囲われていて、中央に魔法陣らしき何かが描かれてあった。
更に魔法陣の周辺には、生贄に使われたのだろう…女性の死体が6つ規則性を持った場所に配置されていた。
その中心から何か召喚されている。
「ハァッ!」
反射的に飛び出して魔法陣を消す。
「グギャァァァァァ!」
召喚半ばで魔法陣を崩されて、胴体部分まで出て来ていた何かが悲鳴を上げる。
レッサーデビル…。
小鬼の岩窟程度で出て来ていいモンスターじゃない…。
いやモンスターと言うか、下位とはいえ悪魔族だし…。
「ギザマ゛〜!!」
かなり怒ってる…。
身体中を雷が走っている…。
そりゃそうだ、召喚途中だった為に胴体を半分から断ち切られているから。
「ガァァァッ!」
火球宙に現れ向かって来る。
咄嗟に飛んで避け、受け身をとって直ぐに立ち上がる。
『看破(未来)』がなければ今ので終わっていたかも知れない…。
体格はオレよりニ回り程大きいが、胴から下がないから這いつくばっている状態だ。
今ならオレにも勝機はある。
2章まで一気に投稿します。
後はゆっくり投稿で行きますのでどうぞ宜しく。
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