宣戦同盟
デュプリケイター戦❶
「さて、今日の獲物はアサシンギルドの長とデュプリケイターだ」
「えっ?アサシンギルドは…」
「そうだ、壊滅したはずなんだがな。けどまぁ、物足りなかったんだから丁度いい」
「その通り」
「お前は街ん中で広域魔法ぶっ放そうとすんなよ!」
「えぇ…」
「『えぇ…』じゃねぇ!あれで叱られんの俺だぞ!?」
「何か?」
「おっ…おま…」
「まぁまぁ、で、僕らのターゲットはその2人だけなの?」
「他に数人は残党がいるだろうが、この前名の知れた奴は捕縛してる」
「そっかーじゃぁ今回も僕はあんまり役に立たないかな?」
「それはデュプリケイター次第だな」
「…ごめん、そのデュプリケイターって?」
「ん?まぁ余り戦う事もねぇからな」
「そうねぇ、一言で言えば尋常じゃない速さでスキルをコピーしていく面倒なヤツかな」
「スキルをコピー?」
「普通幾ら修練しても、基礎を覚えるのに数ヶ月はかかるよね?」
「それを短時間でコピーする…だから複製機」
「ちょっと待って、それってかなり厄介だよね?戦いながら僕等のスキルを自分のものにしちゃうんでしょ?」
「ああそうだ。けどな、スキルに振り回されたり、魔法なんかは魔力量が関係するから、ステータスとの相性では折角覚えても使いもんにならん場合がある」
「そりゃ…そうか…」
「だから結局そいつが臨機応変にスキルを使えるかどうかで、手こずるかどうかになる」
「なーんだ、心配して損したなぁ」
「そしてバックアップにギルマスとムラサキさん、後1人か2人つく予定だ」
「数で押さないの?」
「さっきも言った様に俺らのスキルを持っていかれた時、どんなアーツを生成するか分からん」
「以前戦ったデュプリケイターは、本当にしようもない奴もいたんだけど、化けた奴もいたのよ。こっちも相当な痛手を被ったわ」
「マジで?このメンツで?」
「被害拡大阻止」
「デュプリケイターの真骨頂はアーツの生成だ。そいつがそれに気付いているかどうかだ。アーツの生成を行われる前に倒す!いいな?」
「分かった」
「ん」
「うん」
「ん〜はいはい!」
「何だ?」
「そいつさぁ、殺しちゃってもいいの?」
◆ ◇◆ ◇◆◇
◆ ◇◆
◆
「ダイゼンさん」
「おぅ、来たか」
ギルマスの戦鎚で一部破壊された魔窟の前に、ギルマス、ムラサキさん
、他3人、が固まっている。
憲兵隊やギルドの奴らはひと回り大きく距離をとっている。
「中はどんな感じなんです?」
「あぁ、見張りからは特にこれと言ってない」
「何であいつらは憲兵隊の囲みを突破してここに逃げ込んだんですかね?」
「あぁ、幾つか考えられる。1つはアメリアの回復。もう1つは逃亡資金の確保などだ」
「成る程…でもどうにも解せませんね?」
「ん?」
「この封鎖、最初っから突破しておけばよかったんじゃ…」
「まぁ、無理だったんだろ」
「デュプリケイターがいるのにですか?」
「おい、出番だぞ?」
キィィー
半壊のドアが泣きそうな音を立てて開く。
黒尽くめの男3人と同じく黒尽くめの女が出て来た。
「宣戦同盟、構え」
思い思いの武器を抜刀、構える。
「一気に磨り潰すぞ…」
「分かった」
「ん」
「うん!」
◆ ◇◆ ◇◆◇
◆ ◇◆
◆
「あっさりだったね?」
黒尽くめの集団は3分と保たず気絶している。
「んな訳ねぇだろ」
「えぇ?」
「デュプリケイターがいるならもっと時間がかかるはずよ」
「あっちが本命」
探査の魔法でこちらを伺う影達を一早く見つける。
「有難う。宣戦同盟の皆さん」
屋根の上から見下ろす2つの影。
「アメリア…」
ガランが睨み付ける。
「何が有難うなんだよ」
ワイズは疑問を投げつける。
「今の戦闘で使っているスキル。特にパッシブスキルをコピーされたのよ」
「あっ…」
「まだまだ」
「う…ごめん」
「素直…可愛い」
「おうおう、おめえらそろそろいいか?
アメリアさっさと降りてこいや。どうせ逃げられんだろ?」
「えい!」
火球が勢いよく飛んで行き、魔窟の屋根に着弾する。
ボゥ、ドォォオオオン!
着弾と同時に火球が圧縮、膨張して拡散する。
「ばっか…ソフィおまっ!」
ドンドンドンドン!
立ち昇る炎の中から4つの火球が降り注ぐ。
「はぁっ!」
ノートンはパーティーの前に出て、盾で火球を尽く受け流していく。
「ほら、遊ばないの!」
「お、おぅ…ってなんで俺が謝んだよ!」
「ガランお子様…」
「ソフィ…おまえ〜!」
「ほら!くるよ!」
ノートンの正面からアメリアがナイフを投擲する。
そして直上からはまたもや火球が降り注ぐ。
「ちぃ!」
ガランは頭上の火球を大剣で撃ち落とし、ノートンがナイフを払い落とす。
ピシッ!
「!」
バリバリバリ!
予め備えていたワイズの属性防御の魔法障壁が雷を遮る。
「何人?」
「2人だったな」
「けど、この手数…デュプリケイターの仕業?」
ノートンは前方のアメリアから目を逸らさずに辺りを伺う。
「めんどくさいね!指標展着術!」
波動が広がると、前方のアメリアに薄い光がまとわり付く。
「デュプリケイターは何処だ!?」
ガランはもう一人の敵を探す。
「ちょっと待っ…そいつの影だ!」
ワイズの声と共にまたも降り注ぐ火球。
「ふっ!」
ガランは跳ね、火球を撃ち落としつつアメリアに迫る。
ギンッ
ガランの大剣を陰から出た双剣が受け止める。
「俺の剣を受け止めるとはな…俺の『剛力』か?」
「……」
受け止めた大剣を双剣でずらし、一歩踏み込みながら胴を薙ぐ。
ギィン!
ガランは避けない。
そして体を大きく引きながら、落とされた大剣を斜め下から振り上げる。
「貰ったぞ!デュプリケイター!」
ヒュッ!キィンキィン!
デュプリケイターを守ろうとしたアメリアのナイフが、ガランの眼前で弾かれる。
「やらせないよ?」
ガランの大剣がデュプリケイターを捕らえる。
4メートル程飛んで転がるデュプリケイター。
「やったの?」
パーティーの盾が叫ぶ
「ソフィ!打ち込め!」
待ってましたとばかりに火球が飛んで行く。
ドン!
更に吹き飛…ばされない。
既に自分の影に潜っていた。
「面倒…」
ソフィが歯噛みする。
「いいか?あいつに一発かましたが6割方消された。あれはムラサキさんの天足に似てる…」
「でも4割は残ったんでしょ?」
「あぁ。やるならいまだ」
アメリアの陰から左脇腹を抑えたデュプリケイターが現れる。
ソフィの爆火球も掠っていたようだ。
「おまえ…」
「マオ…なの?」
現在ゆっくり投稿中(本編更新は朝6時)ですのでどうぞ宜しく。
2日に1回程度の更新になります。
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