解散
幕引き…
一件の後、完全に毒が抜けるまで2日かかった。
いくらスキルの急成長があったとは言え、完全に毒から回復するには色々と時間がかかった。
その間、アメリアさんがアサシンギルドのマスターだと看破出来なかった理由を考えた。
恐らくそれは『アサシンギルドに登録している者』として対象を確定したからだろう。
伝え聞いた所、アメリアさんは元々先代アサシンギルドマスターの子供だった事もあり、『登録』をしていなかった。
何事にも例外が存在すると教訓を得た。
これからは対象を広げて『看破』を始める事も必要だなと思った。
また、アサシンギルドに登録していたものの殆どは捕縛された。
そして『スキル封じの腕輪』をつけられ、最低でも50年は出られない炭鉱送りとなった。
殆どの人間は服役中に死亡する過酷な場所だそうだ。
アメリアさんの罪は重く即処刑となった。
俺たちからすると朗らかで気の利く可愛い受付嬢だったが、裏では有能なハンターをアサシンギルドに勧誘していたらしい。
更に、ハンターギルドの情報も漏らしていたとあって、ギルマスのダイゼンさんは本部から一年間の減俸処分を言い渡された。
そしてこの街のアサシンギルドは解散となった。
その後釜に座ったのは盗賊ギルドだ。
しかし、盗賊ギルドは街の発展にも貢献していたり、ハンター達に技術を供与していた。
それでこの街の表と裏の均衡が取れ始めた。
また、アサシンギルドの解散に伴って様々なギルドや団体に欠員が出た。
その穴埋めと処分に現場に混乱が起きたが、それも早急に対応された。
そして元気になったオレはギルドへ向かう。
迎えるのはアメリアさんの次に人気のあったムゥさんだ。
この子は既にオレの『看破』済みで、特に怪しい団体とは無縁と言う事を確認している。
そのムゥさんが一言告げる。
「マオさん、ギルマスがお呼びです」
(来たか…)
そう思いながら2階へと続く階段を登る。
コンコン
「マオです」
「おう。入れ」
「お呼びでしょうか?」
「まぁ座れ」
そう言って執務席から立ち、いつものコーヒーを入れにかかるダイゼンさん。
コト
「ダイゼンさんのコーヒー美味いですね」
そもそも珈琲豆自体出回らないので、この不思議な飲み物にすっかり虜になっている。
「あぁ、美味いだろ?」
「例の件、考えてくれたか?」
「ん、ん〜もうちょっとハンター頑張ってみたいんですけど…」
「そうか…分かった。それじゃぁうちのカミサンを紹介しよう」
「えっ!?」
唐突の奥さんお披露目にキョドるオレ。
「いやいやいや、要らないでしょそんなこと」
「そう言うな、一度でもバディを組んだだろ?」
まったく誰のことを言っているのかさっぱりわからないが頭の中がぐるぐる回っている。
「やぁ、久しぶりだね」
背後には『影』さんが立っていてた。
相変わらずの隠密スキルに俄然とする。
『影』さんはギルマス全盛期時代の盗賊兼アサシンとしてパーティーの一翼を担っていたと言う。
パーティー解散と同時に結婚し一児を育てた今、経験を活かしてギルドの諜報部隊を取りまとめる為に復帰するのだと言う。
しかもえらく美人さんで、スキンヘッドのダイゼンさんと並ぶと絵にはなる。
けど、自慢するダイゼンさんを見ていてなんかモヤモヤしたものが胸に残った。
現在ゆっくり投稿中(本編更新は朝6時)ですのでどうぞ宜しく。
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