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集り

物騒な世の中です。

「はい」


「えっ?」


「えっ?」


「マオさん、今朝受注されましたよね?」


「うん。そうだけど?」


「幾ら何でも早過ぎな気がするんですけど…?」


 あの後、コボルトも発見。討伐した。


 暗くなる前に帰投して清算に来たのだ。


「逆に普通ならどのくらい掛かるものなの?」


「普通のパーティーで2〜3日は…」


「そんなに!?」


「そもそも、遭遇するのでさえも時間かかるのに…


 でも、不正は無さそうなんですよね…」


「もう…運としか…」


「まぁ、それしか考えられないんですよねぇ」


 首を傾げながらも精算してくれた。


 普通1パーティーでの報酬として金額は設定されてある。


 だから、短期間で尚且つ1人で依頼をうけているオレの実入りはかなり多い。


 で、支払い方法だが、精算金は殆どの人がギルドバンクに振り込むようにしている。


 直接手渡しの頃からすると、ハンターを狙ったスリや集りが減った。


 けど、今日のオレは目立ち過ぎていた。


 注意が宣戦同盟に向き過ぎていたんだ…。


 ◆ ◇◆ ◆◇◆


 ◆ ◇◆


 ◆


 ギルドを出て酒場に向かう。


 別に酒を飲む気はなく、単に飯が美味いからだ。


 行きつけの笹熊亭に入りカウンターに座る。


 頼んだのはオススメセット。


 単純に定食のようなものだけど量が多い。


 ハンターやガテン系を相手にしているので自然とこうなったそうだ。


 この定食がちょっと変わっている。


 パンは真横から半分にスライスしてある。


 そこへ野菜や肉、調味料を乗せパンで挟んで口へと運ぶ。


 コツは乗せ過ぎないことだ。乗せすぎると食べづらい。


 これが2食分あるので十分に腹が膨れる。


 マスターと他愛のない会話をして店を出る。


 辺りは薄暗くなって来た。


 大きめの町と言えどやはり夜は物騒なので寝ぐらへと急ぐ。


「おい」


「ん?」


(誰か呼んだか?)


 周りを見渡すと、2〜3人男がこちらへ歩いて来る。


「何だ?」


「おめぇよぉ、この頃調子良いんだってな?俺らに金貸してくんねぇか?」


 お互い顔が見える距離で向こうが立ち止まった。


 ん〜ギルドで見たような顔だ。


「いや、持ち合わせが無いんだ。またな」


「はぁ?今酒場から出て来たじゃねぇか?つべこべ言わずにくれよ」


(何言ってんだコイツは…)


 他の取り巻きも終始ニヤニヤしている。


 恐らく数で勝てるとでも思っているんだろう。


 既にオレはコイツらの鑑定をすませ、戦力比較は終わっている。


「あー…はっきり言うと、お前らに渡す金はない」


「このやろ!」


 直ぐに何時ものスキルセットを発動させ、殴りかかって来た男の拳をわざと受ける。


 と言っても『合わせている』ので少しあざができる位で、用は上手く派手に転がって一般人の方へ転がる事だ。


「キャアアアアアア!!」


 女性の甲高い声が辺りに撒き散らされる。


 ガヤガヤと直ぐに人だかりが垣根を作る。


「どうしたんだ?」


「いや、あっちの3人組がこっちの男に喧嘩を吹っかけたらしい」


 など、話がどんどん出来上がる。


 それもそのはず、男達は酒を呑んでいて顔が赤く。


 対してオレは酒を呑んでないので素面なのに頬が腫れているからだ。


「おいおい…やべーよ」


「ずらかろーぜ」


「うっあっ…そうだな…覚えてろよ!」


 どうも三下の吐くお決まりのセリフを投げ捨てて逃走を図る。


 しかし、中々人混みから出られず運悪く近くにいた憲兵に同行を促される。


 憲兵から逃げ出せばすぐに包囲網を敷かれる。


 しかも、この壁で仕切られた街の中での鬼ごっこなのでかなり部が悪い。


 素直に同行する3人。


 オレも被害者として2、3聞かれて放免となった。


 全く迷惑な男達だった。

現在ゆっくり投稿中(本編更新は朝6時)ですのでどうぞ宜しく。


あっ、宜しければ★を押していただいたり、感想などを書いて頂くと嬉しいなぁ…。

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