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催眠術にかかりたい人へ【ストレス軽減】

作者: ロヒサマ

「なになに。催眠術のかかり方?」

俺はネットで見つけた怪しげなサイトを見ていた。暇でやる事もなかったし、三分くらいで終わるならと試してみる事にした。


『この本を読む時は、必ず一人の時にして下さい。立って読まずにお座りになってからお試し下さい。なお、運転中やジョギング中、水泳中も危ないのでお止め下さい』


「いや、ジョギング中に読む奴なんかいるかよ」

とりあえず指示に従ってみる。



『まずは椅子に座り、体の力を抜きましょう。リラックスをして下さい。大きく五回、深呼吸をします』


『ほら、これだけでとても落ち着くでしょう』


『そのまま文字をじーっと見て。段々と意識が文字に集中していく。まずは右腕の力が抜ける。右の肩、腕、手首、手の平、すぅーっと重くなる。重い。重い。でも嫌な重さじゃない。さらに左腕、肩、腕、手首、指先まですぅーっと心地良い重さを感じる。重力に逆らわないありのままの状態へと落ちていく』


『もっと文字に集中して。今度は両足も重くなる。右の太もも、膝、膝の裏、足首。力が抜ける。そして左の太もも、膝、ふくらはぎ、足の裏まで楽になってくる』


『そのまま呼吸を深く続けていると、頭がぼーっとしてくる。寝起きのようなお風呂に浸かっているような、まどろむ感覚。すると手足はポカポカと暖かくなってくる。右腕が暖かい。指先まで徐々に緩んでいく。左腕も気持ちが良い。少しずつ暖かみを増して、リラックしてくる』


『次第に両足も暖かくなってくる。自分のペースで大丈夫。落ち着いてくる。すると今度は自分の意識に気持ちが向かう。呼吸が今までよりゆっくりになり、とても心地良い。血液の流れる音、心臓のリズム、呼吸の音。全てが内側から感じられる』


『すると吐く息と共に体中から嫌な感覚が出ていく。そして吸う度に体の中に新鮮で綺麗な空気、暖かいエネルギーが入ってくる。ほら、さらに頭がぼーっとしてきた。もう文字から目が離せない。息を吸う度に幸せな気持ちになり、息を吐く度に体と心が軽くなる』


『お腹は暖かくなり、とてもリラックスしている。頭はぼーっとして、動かす指以外はまるで人形のように意識が向かなくなる。ほら、もう目が離せない。不思議とおでこには涼しい風が吹く。おでこはひんやりとしてくるが、この文字は頭と心にすぅーっと入っていく』


『今から十からゼロまで数えます。すると何故か数が下に下がるほど、頭が働かなくなる。そしてゼロの文字が見えた瞬間に、目を閉じて。大丈夫。安心して。目を閉じたら十秒後にまた目を開けて。目を閉じてる間は、その虚ろう意識を楽しんでほしい。ゆっくりと目を開けたあなたは、とてもぼーっとして不思議な感覚になっている。必ずそうなるよ』


『十』




『九』





『八』


『ほら体からさらに力が抜ける』




『七』






『六』







『五』


『もう頭がぼーっとして心地良い。それしか考えられない』





『四』








『三』










『二』











『一』












『ゼロ。眠って』








『ほら、今あなたは夢のような世界にいる。ただぼーっとしているだけの状態。とても気持ち良い。頭も体も心も、この状態を楽しんでいる』


『今から合図をすると、あなたの目は完全に覚める。いつも通り、いやいつも以上にあなたの意識はハッキリとする。でも大丈夫。あなたはもう、いつでもこの状態になれる』


『三つ数えると目が覚めます』



『一』





『二』






『三』


『はい、おはようございます。軽く背伸びをして心地良い空気を吸いましょう。あなたのストレスはもう、吐く息と共に自然と流れてしまいます。そして息を吸うだけで、何故だか心が前向きになります』



『大変な時、リラックスしたい時、心が寂しい時。いつでもまたこの文を読んで下さい。少しでもあなたの力になれたら嬉しいです』


「んあー。何か分かんないけどスッキリしたな。これ他の奴にも教えてやろう」


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