第10章 雪音ちゃんと村娘達 119 〜 雪音ちゃんと冒険者達、逃げて来た女冒険者に翻弄される!④〜
マッドが淫乱斬り裂き魔の注意を引きつけている隙に、私は蜂の巣型魔法の盾が展開されていなかった地面から飛び出してロリコンの全身に巻き付いてしまったトゲトゲ蔓の呪縛から解放してあげようと燃える間欠泉の魔法を使った!
ロリコンの足元から炎の柱が噴き上がり、蜂の巣型魔法の盾の内部は炎で包まれた! もちろんロリコンは燃やす対象から外してるから大火傷することはない!
「って、なんで燃え盛る炎の中で蔓のあちこちから花が咲いちゃってるのよぉおおおお!?」
ロリコンの身体に巻き付いた極太の蔓のあちこちに黒い蕾がフッと出現したと思ったら、それらが徐々に赤く染まりながら開き始めちゃったんだよ!! 火の海の中で花が咲くってありえないでしょ!?
私が驚き絶叫しているとマッドと戦っている淫乱斬り裂き魔が、
「うふふ♪ その血濡れの黒薔薇はね〜、灼熱の陽光がサンサンと注がれるジャベルダット砂漠で生えていた子達だから炎に耐性があるの♪ 魔法使いちゃんがきっとまた炎の魔法を使うんじゃないかな〜と思って今度はその子達使ったんだけど〜、予想通りだったわね〜♪ プププ♪」
と言って私を小馬鹿にして来た!
あーもう!! 何よあの女、すごっくムカつくんですけどぉおおおおお!!!
「風よ、吸血薔薇を斬り裂いちゃえ!!!」
私はロリコンに掛けた蜂の巣型魔法の盾と燃える間欠泉の魔法を解除、吸血薔薇だけをロックオンして緑色をした小さい三日月状の風を無数に飛ばし、ロリコンの全身に巻き付いている吸血薔薇の極太の蔓を斬り刻んであげた!
私の風魔法によって斬り刻まれた極太の蔓と血で赤く染まった薔薇の花がボトボトと地面へ落ちていくと、蔓の拘束から解放されたロリコンも吸血薔薇に血を吸われちゃったせいか地面に膝からガクッと崩れ落ちてしまった!
すぐに私はロリコンに回復魔法を掛け、蜂の巣型魔法の盾を今度は地面の部分にもしっかりと展開しておいた! それから少し離れたところで戦っているマッドと淫乱斬り裂き魔の方に顔を向けて状況を確認する!
「クソッ! 痛っ! この、この!? なんで当たらねえんだ!? くっ!?」
「遅い、遅〜い♪ そ〜んなノロマな攻撃じゃ〜、私に1撃なんて与えられないわよ〜♪」
うっわ、マッドの攻撃、淫乱斬り裂き魔にかすりもしてないよ!? 攻撃をヒラリ、ヒラリと躱された後に赤い刀身の小太刀で撫で切りされて遊ばれちゃってるじゃん!? 淫乱斬り裂き魔が1対4なのに余裕見せてたのにも納得だよ! ん? 撫で切りされてるってことは私の掛けた魔法の盾が消えちゃってるってことじゃん!?
私は慌ててマッドに掛けた蜂の巣型魔法の盾の穴の空いた部分に小盾を補充した!
ガン! ガン!
「あぁ〜ん、またお肉切るのに邪魔な盾が復活しちゃった〜。せっかく何ヶ所か壊したのにな〜。やっぱり魔法使いちゃんから先に仕止めないとダメか〜? 最後に取っておきたかったんだけどな〜?」
「てめえ、今やりあってんのは俺だろうが!? まずは俺を倒し、うおっ!?」
このままではマッドの顔を苦痛に歪ませて楽しむことができないと判断した淫乱斬り裂き魔は、雪音ちゃんがマッドに当てないようにタイミングを計って立方体の各頂点から中央に向けて放つように淫乱斬り裂き魔の周囲から飛ばした8本の氷の針を前方へ高速ダッシュして躱し、マッドを壁に見立てて三角飛びをしてとんでもない跳躍力で空高く舞い上がった!
「えぃ♪」
淫乱斬り裂き魔が空高く舞い上がる際、マッドの顔 ( の前に展開されている魔法の盾 ) を蹴って身体を捻り、その正面を私の方に向けながら左手に持っていた赤い小太刀を私に投げつけて来たので、私はサッと避けてそれを躱した!
ドガッ!
目標を外した赤い小太刀は私の横の地面へと突き刺さった!
洞窟の天井に届かんばかりに舞い上がって行く淫乱斬り裂き魔が、赤いオーラを刀身から後方地上へとたなびかせている妖刀を両手で握りしめ大きく振りかぶった!
そして、私の方に向かって落下し始めると同時に前のめりになりながら妖刀を振り下ろ、じゃない! 回転し始めた!!
私目掛けて巨大な赤い丸ノコと化した淫乱斬り裂き魔が物凄い速度でブォンブォン回転しながら落ちて来る!!!
か、回転斬りぃいい!?
私は慌てて横に避けようとしたんだけど何かが足に一瞬でしがみついて来てその場から逃げることができなかった! 慌てて足元を見る私!
「嘘ぉおお!?」
いつの間にか地面からニョキニョキと生えていた吸血薔薇の極太の蔓が私の片方の足に絡みついていた!
はっ!? ボーッとしてる場合じゃないよ!?
「くっ!?」
私は急いで身体を捻って淫乱斬り裂き魔の縦回転斬りを躱そうとした!
ザンッ!
「がっ!? あぁあああああああ!?」
けれど、上手く躱すことが出来ず、私は左腕を斬り落とされてしまった! 私は痛くてたまらず傷口を右手で押さえながら地面にしゃがみ込む! だけど、傷口から溢れ出る血を押し留めることはできず、私の血は大量に地面へと流れ落ちていった! 地面に私の血でできた赤い水たまりがドンドン大きくなっていく!
「き、金髪の嬢ちゃん!?」
「あぁ〜ん、良い鳴き声♪ やだ、まだ腕1本しか斬り落としてないのにもう濡れて来ちゃった♪ 散々お預けされたせいかしら〜?」
痛い、痛い、痛い!!! こ、この淫乱斬り裂き魔ぁあああああ! うぅうううう!! 絶対に、ぜ〜ったいに赦さないんだからぁあああ!!!
雪音ちゃんはブチ切れてしまった! 青い目が赤く怪しく光って身体からは赤黒いオーラが漂い出した!
「お、おい、大丈夫なのか!? な、なんとか言えよ!?」
マッドは雪音ちゃんのことを心配しながらも様子のおかしい雪音ちゃんを見てビビっている!
私は風魔法を使って足に絡みついてる吸血薔薇の極太の蔓をコマ切れにし、それを召喚したであろう地面に突き刺さっていた赤い小太刀をひと睨みで氷漬けにして封印した!
「やぁ〜ん、私の小太刀が一瞬で氷漬けにされちゃった〜。で〜も〜、そっちは使い捨てだから、なくても別に困らないのよね〜♪」
淫乱斬り裂き魔が左の手の平から赤い小太刀をもう1本出現させた! そして、それを宙に回転させるように放り投げて遊び出す!
「なっ!? さっきの大量のナイフといい、その小太刀といい、どこから取り出しやがった!? お前まさか収納魔法持ちなのか!?」
「ざ〜んねん、収納魔法じゃないんだな〜。私の固有能力なの♪」
「固有能力だと!? 人間にそんな固有能力あってたまるか!?」
「信じないのはそっちの勝手♪ さぁ〜、童貞の騎士様? どうするの? 魔法使いちゃんの回復の時間稼ぎがしたいなら早く私に攻撃して来なきゃ♪ それとも、お仲間さん達見捨てて逃げちゃう? 逃げるって言っても逃がしてあげないんだけどね〜♪」
淫乱斬り裂き魔は遊び相手を雪音ちゃんから再びマッドにシフトし、マッドへと切り掛かっていった! なぜなら、今対峙している男に掛けられた魔法の盾の一部を破壊すれば魔法使いちゃんは自分の回復に手一杯で目の前の男の壊れた魔法の盾を修復する余裕はなく、自由に男の肉を切り裂くことができると思ったからであった!
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