第4章 村を目指して 014 〜またお前らか!〜
クゥーとのお空のお散歩をしている時に、新たな村っぽいのが見えた! 私達はさっきお昼を食べた場所に戻って、しまうものをしまって魔法の袋を肩にかけ、龍の杖を手に出現させた。そして、村を目指して徒歩で出発する。
「クゥー、さっきの村に人がいると良いね!」
「がぅ!」とクゥーは元気よく鳴いた。上機嫌である。
「ふん、ふん、ふ〜ん、ふふふふ〜ん♪」と私が鼻歌を歌うと、
「がぅ、がぅ、がぉ〜ん、がぅ、がぅ、がぉ〜ん♪」とクゥーが私に合わせて鳴いてくれる。
私達は楽しく鼻歌を歌いながら移動した。雪がまだ少し残っている野原をしばらく歩いていると、またアイツらがいた。にっくき金眼の黒山羊である。
前回いたアンモナイトみたいな巻き角の黒山羊が1頭と、そして前回とは違うタイプの角を持つ1頭がいた。
ソイツの角は出だしがドールシープみたいな巻き角で、でも長さが違う。長っ……。巻き角は途中から螺旋状にねじれたマーコールみたいな角になっている。ただ、その角はマーコールのと違って、斜め前上方を突き刺すような感じで伸びている。
なに、あの頭の両側にある螺旋状の槍みたいなの! アイツが頭下げて突進してきたら、たまったもんじゃない!! でも、まー、いちおー、向こうはまだこちらに危害を加えていないから、こちらから攻撃はしないけどね? 滅殺したいけど! 我慢、我慢! 雪音ちゃんは神様みたいな狩猟民族ではないのです!
「クゥー、向こうから攻撃してこなかったら、とりあえず無視するよ? でも、警戒は忘れないでね?」
「がぅ♪」と元気よくクゥーは返事をする。
そして大きく迂回して、黒山羊達をやり過ごそうとしたんだけど、
「あっ、金眼が光った! クゥー、攻撃に注意して!」
そう言いつつ私は、自分とクゥーの前に、さっき4本角の突進を防いだ強化版の方の盾を展開する!
バチバチと帯電しているグルグル巻き角から電撃が放たれたが、展開した盾によって電撃は弾かれている。
私は手元に出現させた鎌を頭上に掲げ、鎌に魔力を送る。
「赤い雷、行っくよ〜♪ 落っちろぉーーーーーー!」
天から赤い雷がグルグル巻き角の黒山羊に落ち続ける!
「ヴァひゃ!?」
落ち続ける赤い雷がグルグル巻き角の黒山羊の体中を襲っている。ただ、やはり雷によるダメージはあんまりなさそうだ。でも、
「そのまま燃えちゃえ〜♪」
そう言って鎌に魔力を込めた瞬間、落ち続ける赤い雷の激しさが増し、グルグル巻き角の黒山羊は発火した!
グルグル巻き角の黒山羊は「ゔぁーヴァーゔぉオーーー!?」と悲鳴をあげながら地面に倒れジタバタしながら燃えている。私は近づいて鎌を下からクルッと回転させて首を斬り落とした。
「さて、もう1頭はっと」
クゥーが つららを放って頑張って戦っていた。
クゥーが「あぉーーん!」と鳴いて、5本の つららを螺旋状の槍みたいな角を持つ黒山羊に向かって連続で飛ばす!
だけど、螺旋状の槍みたいな角を持つ黒山羊はピョンピョン飛び跳ねて、飛んでくる つららを華麗に避けて行く。
怒ったクゥーが「あぉーーーーん!!」と強く鳴いて、今度は10本の つららを螺旋状の槍みたいな角を持つ黒山羊に向かって連続で飛ばす!!
けれど、その攻撃も黒山羊はピョンピョン飛んで華麗に避ける。そして、まるでクゥーを嘲笑うかのように「ヴァひゃ、ゔぁヒャ、ヴァびゃーー!」と背筋がゾッとするような声で鳴く。
クゥーはしょんぼりして私の後ろに隠れてしまった。
「クゥー、時間稼ぎ ありがとね♪ クゥーは魔法を使って戦ったことあんまりないんだから、上手くいかなくても気にしない気にしない。とりあえず私とバトンタッチだよ。クゥーは空に退避するとかして離れててね? 私の側は危険だよ?」
「くぅーん」と鳴いてクゥーは氷を足場にし、空へと駆け上がっていった。
螺旋状の槍みたいな角を持つ黒山羊を見ると、黒山羊は後ろ足で地面を蹴っている。
私は鎌を構え、魔法で背中に翼を生やす。そして、鎌の刃先から赤い電撃を黒山羊に向かって放ったが、黒山羊は華麗なステップで私の電撃をかわす。
「なんで、当たらないの!?」
私の攻撃を回避した黒山羊は、その金眼を光らせた。すると、螺旋状の槍のような角の中から緑色の風が吹き出し、まるでドリルが回転しているみたいに緑色の風が動き出す。そして黒山羊が「ゔぉヴぇエーーーー!」と鳴きながら、その風が吹き出す螺旋状の槍をこちらへ向け突進してきた。はやっ!?
「くっ!」
あの風の槍はヤバいと思い、黒山羊の緑色の風を纏った槍を必死に避けた。
私は振り返ってヤツを見る。向こうもこっちに振り返り、地面を後ろ足で蹴っている。
私は天使の翼をばたつかせ急上昇して上空に逃げた。
「はー、あの風を纏った槍はヤバそうだよね。当たったら風に切り刻まれながら槍にお肉をえぐりとられちゃうかも……。電撃も避けちゃうし。アイツと1人で戦うのは厳しそうだね」
私は眼下の黒山羊を見据える。向こうもこちらを見上げてる。そして黒山羊は、「ヴァひゃ、ゔぁヒャ、ヴァひゃ」と私を嘲笑う。ムカッ!
「クゥーーー! 私がアイツを攻撃してアイツが避けたら、つららを連続で落とすんじゃなくて、一度に大量に落としてくれるーー? 広範囲でお願いねーーー!」
「がぅ!!」とクゥーが返事をする。
「アイツにチームプレイってものを教えてあげようね? じゃあ、いっくよーーー!」




