第4章 村を目指して 012 〜角が生えちゃいました〜
昼寝から目覚めた私は、両手を万歳させて伸びをしようとして頭に違和感があることに気づく。両手を耳の上の部分に当ててペタペタ触ってみる。…………。
頭に角が生えている……。
天国のパパとママ。私、ついに角が生えちゃいました!って、
「な、な、な、なんで角が生えてるのぉおおーーーーーーーー!?」
角と言えば、アイツらしかいない。あの変な声で鳴く気持ち悪い黒い山羊っ!! アイツらの血を含んだお肉を食べたから、アイツらの固有技をゲットしたと! そう言うことなのでしょうか、神様ぁあああーーーーー!?
今、私に生えてる角はアンモナイトみたいなグルグル巻きの角だ。あの黒山羊は巻き角をバチバチ帯電させて電撃を放っていた。私にもできるのかな? できるんだよね、やっぱり……。私は角が帯電するのを意識してみる。角がバチバチしだした。前方に見える大きな石に向かって電撃を飛ばすよう意識した。すると角から放たれた電撃が空中を走り抜け大きな石を破壊する。
なんてこったい。ガクッと膝をつく私。頭にこんな巻き角つけてたら、いっそのこと、もう開き直って魔族ですってことで人間と仲良くなっていけば良いのかな? アイツらの角って2種類あったよね? 4本角のお肉食べると4本の角が生えてくるのかな? そうすると今つけてるのと交換っこになるのかな? 毎日、違うお肉食べて角を取り替えれば良いのかな? そうすれば楽しくなってくるのかな? いやいやいやいや…………。私、あのお肉食べられないじゃん。美味しかったのに……。美味しかったのに……。死体になってまで、雪音ちゃんを苦しめるとは、アイツら許さないのデス!! ギリッ。次に出会ったら、片っ端から滅殺してあげるね? うふふ♪ ふふふふふ♪ 私は視界に入るあちこちの大きな石に向かって「うがぁあーーー!!」とか「うにゃーーーー!!」とか叫びながら角から電撃を飛ばしまくり、憂さ晴らしをした。
目から赤く怪しい光を放って あちこちに電撃を放ちまくってる雪音を見て、クゥーはぶるぶる震えている。しっぽをお股に挟んで震えている。何かを思い出してしまったようだ。
ちなみに、我に返った私は、固有技なんだから使うも使わないも自分で決められるんじゃないかということに思い至り、巻き角を消すことに成功した。これで安心して黒山羊のお肉を食べられると思ったものの黒山羊への怒りは消えなかった。なので、次に出会ったら滅殺してあげるからね? ふふふ♪
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