第4章 村を目指して 011 〜クゥーを強化しよう①〜
じゃあ、どうすれば良いの? 私は考える。小説やゲームだと悪魔や精霊とかと契約して願いごとを叶えてもらったり力や加護を授かる話なんかが、いっぱいあった。悪魔と契約すると寿命とか魂取られちゃうんだよね〜たしか?
私は閃いた!私がクゥーと契約して、私からクゥーに空間を無視して魔力を与えられるようにすれば、1つの つららしか出せなかったクゥーがもっと沢山の つららを出せるようになるかもしれない! あっ、なるかもじゃなくて、そうするんだけどね。私の想像魔法で、そうゆー契約魔法を作っちゃえば、万事オッケー!! うん、雪音ちゃん、あったま良い〜♪
とりあえず私は地面に落ちてる黒山羊の頭と体に手を当て、(メニュー画面のアイテム欄に) 収納する。ついでに鎌も収納する。
それから燃やした黒山羊の所に戻った。クゥーが燃えてる黒山羊の顔の前で、ちょこんと座っている。
「クゥー、そんな所に座ってどうしたの?」
「がぅ♪」とクゥーから明るい返事が返ってきた。なんか誇らしげな感じだけど……? あぁ、なるほど!と手の平をグーでポンッと叩く。黒山羊の頭を見て理由が分かった。
「クゥー、ちゃんと、とどめが刺せたんだね!偉い偉い♪ とどめの刺し方の手本を見せてなかったのに、雪音ちゃんが見せようと思ってた手本と同じ遣り方で、とどめを刺すなんてクゥーは本当に賢いね〜♪」
そう! クゥーは燃えてる黒山羊の開いた口に、つららを打ち込んでいたのだった。つららはしっかり貫通している。よくやったね!とクゥーの顎の下や背中とかをいっぱい もふもふして褒めてあげた。クゥーも大喜びだ。少しは自信に繋がったかもしれない。良かった、良かった。
さて、とりあえず、お腹も空いてきたし、丁度こんがり焼けたお肉が目の前にあるので、これをお昼にしよう!
「クゥー、待望のお肉の時間だよ〜。美味しいと良いね?」と言ったら、
クゥーはよだれを垂らしながら、しっぽをぶんぶん振って「がぅがぅ♪」と吠えた。よっぽど嬉しいんだろう! 自分でとどめを刺した獲物だし、なおさらだよね♪
まず私は手元に木の器を出現させ、魔法で木の器に水を注ぐ。それをクゥーの前に置く。次に手元に赤黒い鎌を出現させ、こんがり焼けた黒山羊の体を輪切りにし、切り取っていく。(赤い鎌で切ったので) 切った所が、ぶわっと燃える。ほんのうっすらと赤みが残るぐらいのところで、念じて火を消した。それをまずクゥーにあげる。
「ほら、お食べ♪ クゥーがとどめを刺した獲物だよ?」
「がぅ♪」と鳴いてガツガツ、ムシャムシャとクゥーはお肉を美味しそうに食べる。
私も一切れ切り取って十分焼いてから食べようと思ったけど、箸とか串とか当然あるはずがない。手掴みで食べるのはイヤだったので、手元に薪を出現させ、風の魔法で肉に刺すのに丁度いい太さの串を作る。ついでに箸も作って箸は収納した。それから肉を一切れ切り取って太い串を刺し十分焼いてから食べ始めた。
「うっま〜♪ なにこれ!? すっごく美味しいんだけど!? クゥー、やったね♪」
そう言って、私はもぐもぐすごい勢いで食べる。食べる。食べる。もう、ほっぺたが落ちちゃうんじゃないかってぐらい美味しい!!
クゥーが「がぅがぅ♪」吠えている。きっとお代わりが欲しいんだろう。私も欲しい!
「今度はレアで食べてみよっか?」
そう言って私は黒山羊の肉を切り取った。切り取ったら燃えたけど火は即消した。今度はレアなお肉(外周はこんがり焼けてるけど)をクゥーの前に置く。置いた瞬間、クゥーが、ガツガツ食べ始めた。私も自分の分を切り取って、ついた火を即消して食べ始めた。お肉はジューシーでたまらない味だった。私達は食べ飽きるまで、ひたすらに切り取って食べ続けるのだった。
お昼を食べ終わった私達はそのままそこで休憩することにした。戦闘で疲れたし。私は残ってる黒山羊の頭と体に手を当てて (メニュー画面のアイテム欄に) 収納し、
「クゥー、 私ちょっと眠くなっちゃったから一眠りするね? っで、起きたらクゥーのパワーアップをしたいと思います! それじゃ、お休み〜。くー」
そう言って雪音はクゥーに寄りかかって眠ってしまった。クゥーは動けず困ったなって感じで「くぅ〜ん」と鳴き、雪音が起きるまで大人しく待つことにした。




