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第10章 雪音ちゃんと村娘達 153 〜 雪音ちゃん、お店の下見に幽霊物件に行く!⑦〜

「どういうことだ、スネイル! 土地の権利書を手に入れて来るのではなかったのか! この役立たずめ!」


 ピッグマン商会のボス、ピッグマンはロウバスト達に返り討ちに遭ってスゴスゴと1人帰って来たシルクハット&片眼鏡(モノクル)男スネイルを叱責した!


「も、申し訳ありませんピッグマン様! 向こうには雪狼(フェンリル)とレッドドラゴンの幼体がいたのでございます!」

雪狼(フェンリル)とレッドドラゴンの幼体だと!? どうして捕まえて来なかったんだ!?」


「捕まえたくても手下どもはあっけなく倒されてしまいまして私ひとりではどうにも、はい」

「ちっ、トレバーの奴と言い、お前と言い、俺の手下どもは役立たずばかりだな! クソが!!」


 ガチャン!


 ピッグマンは手に持ってたワイン入りのグラスをシルクハット&片眼鏡(モノクル)男スネイルの足元に投げつけた!


「も、申し訳ございません。それで今の話から察するにアンラキの家に向かったトレバーの奴もしくじったようですが、向こうにも何かとんでもないものがいたのでしょうか?」

「分からん。アンラキの家を買うことに決めたと思われる女主人を玄関で引き留めている間に窓などからラッツとパーカーを侵入させたそうだが、中にいた他の女1人に捕まったようだ」


 ピッグマンは女1人にやられてしまうような情けない手下達を忌々しく思って苦虫を潰したような顔をしている。


「女1人にやられてしまったのですか? なんとも情けない話ですねえ? ダニエル達は何をしていたのでしょう?」

「アンラキの家から出て行った4人の女達のあとを追わせたらしい。結果はまだ不明だ」


「そうですか……。それで、ピッグマン様。このあとはどうされるおつもりで?」

「俺はあの区画をピッグマン商会一色にしたいんだよ! もちろん今夜、夜襲を掛けるに決まってるだろうが!」


「ですが、向こうには雪狼(フェンリル)とレッドドラゴンの幼体もおりますし、一ヶ所に集まっている時に仕掛けるより別行動を取っている時に仕掛けた方が」

「寝込みを襲って女を人質に取れば雪狼(フェンリル)とレッドドラゴンの幼体も俺様のもんだ! 問題はねえ! スネイル、夜襲を掛ける人員を揃えておけ!」


「ピッグマン様の仰せの通りに」


 スネイルは仰々しくお辞儀をして部屋から出て行った。


雪狼(フェンリル)とレッドドラゴンの幼体だと? クックック。ツキが回って来たじゃねえか! 客引きの見せ物にすればピッグマン商会の大繁盛間違いなしだな! 雪狼(フェンリル)の絵柄の焼印を入れた雪狼(フェンリル)白饅頭(しろまんじゅう)を作らせちまうか? いや、レッドドラゴンが思わず火を吐く程の美味しさ、君もこれを食べてレッドドラゴンと一緒に火を吐こう!と吹き出し付けて激辛唐辛子を売り出すのも良いかもしれん。クフフ。さあ早く夜よ来い! このピッグマン様が迎えに行ってやるからな! クックック。ハーッハッハッハッハーーー!!!」


 ◇◆◇


 そして、夕方。


 コンコンコン。


「入れ」


 扉をノックする音がしたのでピッグマンは許可を出した。


 ガチャッ。


「失礼します、ピッグマン様。その、ダニエル達のことなのですが……」


 トレバーが4人の女達を追いかけた手下達の結果報告をするため、ピッグマンの部屋に入って来た。


「ダニエル達は4人の女達を連れて帰って来たのか? 俺様好みの良い女が2人ほどいたんだったよなあ?」

「ざ、残念ながらダニエル達は戻って来ませんでした」


 ダン!


「たかが女4人に何をやっているんだ、お前の部下は!?」


 ピッグマンは報告に苛立って机を叩きながらトレバーを罵倒した。


「申し訳ございません。アイツらが飛ばして来た伝書鳩の報告によるとラグジュアリアントの森に向かったようなので手下に様子を見に行かせたのですが」

「ラグジュアリアントの森だと? そこは確かアンラキの奴を魔物に殺されたように見せかけて殺した森だったな……。女どもはアンラキの関係者だったのか?」


「その可能性は高いかと。森に向かった手下からダニエルのものと思わしき四肢が地面に落ちて喰い散らかされていたと報告がありましたので……」

「なんだと!? ダニエルがか!? アンラキを始末する際、お前と一緒に行動していたんだったよな? つまり、何か? 今頃になってアンラキの復讐(アベンジ)をしにやって来たとそう言うことなのか?」


「おそらく」

「ちっ、まさかアンラキの奴に厄介な仲間がいたとはな。それでダニエル以外の奴はどうなったんだ?」


「少し離れた場所で2ヶ所、大量の血痕が地面にあったそうですが、血痕以外は見つからなかったとのことなので何とも」

「…………。正面から武力行使に出るのは考え直した方が良いのか? おい、トレバー。アンラキの家の幽霊(ゴースト)がいなくなったのは確かなんだろうな?」


「玄関から中の様子を見た限りでは室内に幽霊(ゴースト)は見当たりませんでした。以前なら玄関の扉を開けて中に足を踏み入れた瞬間襲われましたが、玄関で女主人とそこそこ長時間会話をしていたにもかかわらず襲われませんでしたので幽霊(ゴースト)がいなくなったのはまず間違いないかと」

「よし、中に押し入るのはやめだ! 外から火を放って家の中から慌てて飛び出して来た女どもを確保するぞ! 1人でも捕まえて人質にすれば他の奴らも逆らえないだろう!」


「ピッグマン様、流石にそれは揉み消せないのでは?」

「頭に麻袋を被った暴徒達が我がピッグマン商会に恨みを晴らすべく放火したように見せかければ良いだけのことだ! うっかり放火する店を間違えてな!」


「なるほど、俺らの悪評を逆手に取るわけですな」

「そういうことだ。分かったら、とっとと準備に取り掛かれ!」


「はっ! それでは失礼します!」


 トレバーは部屋を退出して手下達を呼び寄せ、麻袋と空き瓶と布と油をかき集めて来るように命令を下し、自身はスネイルの元へと向かってスネイルと一緒に誰がどこから攻めるか作戦を練り始めた。


 ◇◆◇


 一方、雪音ちゃん達は転移魔法でアンラキの家へと戻って来た後、不動産屋に契約しに行っていた大剣使いのロウバスト達やアンラキの家でお留守番をしていたラピ達と報告会をしていた。


「へぇ〜、おっちゃん達の所にもピッグマン商会の奴ら現れたんだ?」

「ああ。つっても、影魔法を使う奴を除けば他は雑魚だったけどな?」

「キュッキュウ♪」髪の毛燃やしてあげたのー♪

「スカーレットちゃん、ぐっじょぶなのですよー♪」

「がぅがぅ!」ひはボクがけしておいたよー!

「クゥー様、偉いですね♪ 頭なでなでしてあげます♪」

「あぁ〜! ソフィー、ずる〜い! あたしもクゥーちゃん、もふりたーい!」

「(クゥー坊、良いな〜。私もメリッサちんに抱きつかれて頬擦りされたいよぉ〜)」


「貴方から雪音様の魔力をものすごぉ〜く感じるのですわぁ〜ん」


 ラスィヴィアがアンラキさんに近づいてガン見している!


「(うおっ!? すっげえ爆乳の姉ちゃんだな!? この胸に是非とも顔を埋めてみた、イヤイヤイヤ、命の恩人のお仲間さんに、んなことしちゃダメだろう!? でも、すっげえ胸だ……。ゴクリ)」


 アンラキさんはゴスロリ服の胸元から見えるラスィヴィアの爆乳に目を奪われて釘付けになっている!


「キュルルー! キュルルー!」ガブガブガブ!


 アルマジロドラゴンのアルが焼きもちを焼いてアンラキさんの頭を噛み噛みし始めた!


「ぐぁああああ!? アル、人の頭を噛むのはやめろぉおおお!? ってか、なんで魔力で出来た体なのに噛まれると痛いんだよぉおおお!?」

「えっ? そこはほら、せっかく人間の姿に戻れたんだから人間らしく痛みもあった方が良いかな〜と思ったからなんだけど、あっ、味覚も嗅覚もちゃんとあるから安心してね♪」

「雪音っち、味覚があるってことはアンラキさん魔力で出来てるのに食事できるんだ?」

「食べたものってどうなっちゃうのかなぁ?」

「きっとスライムのピーちゃんみたいに食べ物を体内に沈み込ませて消化吸収するんじゃないですかねー?」

「これ、見た目は人間ですのに、中身はスライムと同じなんですの?」ぷにぷに。


 ラスィヴィアはアンラキさんのほっぺや体をツンツンし始めた。


「あー、うん、そうだね。内臓とか骨とかイメージして作ってないから多分ラピの言う通りかも」

「おい、お前ら、のん気な会話してないで、この後どうするか考えるのが先だろう! ピッグマン商会の奴らがいつまた襲って来るか分からないんだからな!」


 おっちゃんに怒られちゃった……。


「わ、分かってるって! ピッグマン商会が襲って来るんだから解決するまではアンラキさんが痛みを感じないようにしておいた方が良いよね! えぃっと♪」

「キュルル! キュルルー!」ガブガブ、ガブガブ。

「あっ、痛くなくなった」


「これでナイフでお腹刺されちゃっても剣でバッサリ斬られちゃっても痛みを感じることはないからピッグマン商会の奴らが襲って来たら、あえて攻撃を受けて相手に攻撃をしても無駄だって思い知らせてビビらせてから叩きのめすのもありかもね♪」

「おっ、そいつは良いねえ!」

「だが、アンラキは戦えねえから奴らに殺されちまったんだろう? ダメージを受けないだけじゃあ相手を倒せないぞ?」


「ぐはっ!? あんた、容赦(ようしゃ)ねえな? 悔しいがその通りだぜ……」


 おっちゃんの言葉にアンラキさんは精神的ダメージを受けてしまった!


「それは大丈夫なんじゃないですかー? アンラキさんの体は雪音ちゃんの魔力で出来ているんですよねー? と言うことはですよー」

「うん、ラピの想像通り、アンラキさんはなんと魔法が使えるようになりました! ただ使う魔法は闇魔法に限定させてもらうね? おうちの中で火とか雷の魔法使うと大惨事になっちゃうからね!」

「マ、マジか!? 錬金術でリザードとかドラゴンのフィギュアぐらいを作るしか能のなかったこの俺が魔法を!?」


 あー、このおうちにあったラスィヴィアお気に入りの精巧なフィギュア達はアンラキさんが錬金術で作ったものだったんだね。今度、スライムのピーちゃんとかクゥーとかスカーレットちゃんのフィギュアをいっぱい作ってもらってエステサロンの店内に飾っておいて、それを気に入ったお客さんに買ってもらうのも良いかもしれないね、って今はそんなこと考えてる場合じゃなかったね!


「うん、使えるよ♪ 手の平を相手に向けて『穿(うが)て闇の極光! ダークレイ!』って叫ぶと相手に外傷を与えず痛みだけを与える闇魔法の光線が手の平から飛び出すからセリフを覚えておいてね♪」

穿(うが)て闇の極光、ダークレイ、だな? よし、覚えたぜ! いぃ〜やっほー! これで俺も魔法使いだぜー!」


 アンラキさんは魔法が使えるようになってはしゃいでいる!


「キュルル〜♪ キュルル〜♪」


 アンラキさんの後頭部にぴとっと張り付いてるアルマジロドラゴンのアルは嬉しそうなアンラキさんの声を聞いて喜んでいる!


「雪音っち〜。せっかく向こうが死んでると思ってるアンラキさんがこっちにいるんだから、アンラキさんにもっと幽霊(ゴースト)っぽい行動させた方が面白くなるんじゃない?」

「キアラぁ、幽霊(ゴースト)っぽい行動って?」


「口が大きくガバーっと裂けて噛み付いて来るとか、髪が伸びて相手をがんじがらめにしちゃうとか、剣で腕を縦に斬られたら腕が分裂してその手が伸びて襲い掛かって来るとか、腕を斬り落とされちゃったら落ちた腕が蛇になって相手に襲い掛かるとか、まあそんな感じ?」

「うわぁ〜、それはすっごい嫌がらせだねぇ〜」

「自分達が殺した相手が目の前に現れてそんな攻撃をして来たらトラウマ間違いなしですねー♪」


 ラピ、嬉しそうに言わないでよ……。


「まぁ、私の魔力で出来てる体だから変幻自在ではあるんだけど、アンラキさんが嫌がるんじゃない?」

「ん? 俺は別に構わないぞ? アイツらをギャフンと言わせられるなら何だってやるぞ? 殺された恨みが積もり積もってるからな!」

「だ、そうだよ、雪音っち?」にやり。


「はいはい、じゃあキアラが言ったことが出来るようにしておくから」

「あっ、雪音ちゃん! 私は闇魔法の光線を飛ばすより紫色の炎を(まと)った実体のない髑髏(ドクロ)を飛ばした方がより面白くなると思いますので、それも追加でお願いしますねー♪」


 うぅ、ラピの奴、人の案にダメ出しなんかして来て〜!と思ったけど、ラピの思い付いたヤツの方が闇魔法らしくてなんか悔しいよぉおおおお!!!


「じゃあ、ラピの言った紫色の炎を(まと)った実体のない髑髏(ドクロ)の闇魔法も使えるようにしてあげるから、アンラキさんは上手く活用してね。ラピが提案して来た魔法を使いたかったら手の平を前に向けて横に薙ぎ払いながら『闇の火の球ダークファイヤーボール!』って言ってみて。そうすれば手の軌跡に5つぐらい闇の火の球ダークファイヤーボールが展開されて、それが敵に向かって飛んで行くから」


「おっ、ソイツはまたアイツらを怖がらせて痛い目を遭わせるのにピッタリの魔法だな、おい! 任せてくれ! アイツらに絶望を味わわせてやるぜ!」

「キュルル! キュルルー!」


 アルマジロドラゴンのアルがアンラキさんの頭の周りをグルグル飛んで自分をアピールしてる!


「おっ! アルも手伝ってくれるのか?」

「キュルルー!」


 アルマジロドラゴン・死霊使い(ネクロマンサー)のアルがガッツポーズを取った! 超可愛い♪


「本物の幽霊(ゴースト)を召喚してしまうのはどうかと思うのですが……」


 幽霊(ゴースト)を召喚して戦わせると聞いてソフィーが眉をひそめた。ソフィーは聖女だからその反応は分からないでもないんだけど、でも、


「ソフィーっち、そんな固いこと言わないでも良いじゃん?」


 そうそう、キアラの言う通り固いこと言わないでも、


「そうだよ、ソフィー。終わったらソフィーが浄化して幽霊(ゴースト)さん達に来世をプレゼントしてあげるって考えれば良いんだよぉ〜♪」


 え? メリッサ、それはなんかちょっと違うんじゃ……。良さげなこと言ってるけど、それって用済みになった幽霊(ゴースト)をお払い箱にするってことだよね?


「来世をプレゼント、ですか? そうですね。そう考えればアルちゃんに幽霊(ゴースト)達を集めていただくのも悪いことではないような気がして来ました」


 あっ、聖女のソフィーがあっさり陥落した。ソフィーは相変わらずチョロいなぁ……。


「じゃあ次は影魔法使いへの対策なんだが、おい、ラスィヴィア。影魔法ってえのは影があればどこからでも出入り出来るのか? 俺は(シャドウ)ナイフ以外の影魔法を今日初めて見たから、もしラスィヴィアが知っているなら対策法とかあるか聞いておきたいんだが……」


 ロウバストのおっちゃんが吸血鬼のラスィヴィアにそう尋ねると、ラスィヴィアは、


「おーーーほっほっほっほ。もちろん知っておりますわぁ〜ん。人間なら床に出来た影からしか入って来れませんわぁ〜ん。立ち上がった人間を真上から見た時の姿よりも少し大きい影が床になければ影転移(シャドウワープ)を使って家に侵入出来ませんから、雪音様の魔法で床に光魔法を点在させて影転移シャドウワープに必要な大きさの影をなくしてしまえば良いのですわぁ〜ん」


 と自信満々に答えてくれた。


「ラスィヴィアさんが物知りで助かるのですよー♪ ご褒美にハグしてあげますねー♪」

「ラピ様からのハ・グ! はぁ〜、(わたくし)幸せですわぁ〜ん♡」


 ラスィヴィアはラピに抱きつかれて頭をなでられ、(とろ)けた表情をさせている!


 抱き合うラスィヴィアとラピの爆乳と巨乳が押し潰し合ってる様子を横で見ていたアンラキさんが鼻血を垂らしながら魅入ってた。そんなアンラキさんを見てアルマジロドラゴンのアルが嫉妬して再びアンラキさんの頭を噛み噛みし始めた! けれど、さっき私が痛みを感じないようにしてあげたからアンラキさんは痛がってない!


「ご主人様ぁ、どうしてアンラキさんの頭から血が出て来てるのかなぁ? さっきはアルちゃんが噛みついても血なんか出てなかったのに……」

「それはね、メリッサ。攻撃を受けて血が出てるのに痛む素振りも見せず向かって来たらピッグマン商会の奴らが恐怖を感じるんじゃないかなぁ〜と思って、アンラキさんが攻撃を受けたら出血するように演出する魔法を私が掛けたからだよ」

「雪音っち、芸が細かいね! すっごく良いよ!」


「ありがと、キアラ♪」

「ところで雪音様? 床を光らせてしまうと(まぶ)しくて仕方ないと思うのですが……」


「大丈夫だよ、ソフィー。ちょっと屈んでくれる?」

「? はい、これでよろしいですか雪音様?」


「うん、ありがと。これを掛ければ(まぶ)しくないから大丈夫だよ!」


 私は魔力で作ったサングラスをソフィーに掛けてあげた。


「ソフィー、なんかカッコ良い!」

「ソフィーっち、なんか海賊の女幹部っぽい! めっちゃ決まってるね!」


 キアラ、確かにちょっと悪の組織の片目を眼帯で覆った女幹部って感じもしないではないけど、それ、サングラスだからね?


「えっ、えー!? うぅ、なんだかジロジロ見られて恥ずかしいのですが、これを掛けていると視界が大分暗くなるのですね。これなら床が光っても大丈夫そうです。雪音様どうもありがとうございます」

「どういたしまして。じゃあ、メリッサとキアラにもあげるね!」

「わぁ〜い、ご主人様ありがとぉ〜♪」

「雪音っち、ありがとねー♪」


 そんな感じで他のみんなにも魔力でサングラスを作って渡してあげた。もちろん雪狼(フェンリル)のクゥーにも、チビドラ形態のスカーレットちゃんにもね♪ ふたりとも、とっても可愛くて雪音ちゃんの心のメモリーにいっぱい写真を撮っちゃいました♪


 それから床を魔法で光らせて、「主様(ぬしさま)(わらわ)は何をすれば良いのじゃー!? (わらわ)ほったらかしで悲しいのじゃー!」と泣き喚く “剣身が黒水晶(モーリオン)みたいで黒水晶(モーリオン)ではない謎鉱石で出来ていて黄金造りの(つか)に5つの大きなエメラルドの魔石が埋め込まれている魔剣” ディーアをなだめすかして聖属性の魔法しか使えないから戦力にならないソフィーに渡して闇魔法を使ってソフィーの護衛をしてくれるよう頼み (もちろん、ディーアから私の魔力をご褒美にねだられたのは言うまでもない)、私達はピッグマン商会の連中が襲って来るのを手薬煉(てぐすね)を引いて待ち構えることにしたのであった。


 ちなみに、タンスの上で眠ってて私の視界に入らなかった猫ちゃんザルガーニにサングラスをうっかり渡しそびれて、目が覚めて何気なく頭から飛び降りてしまった猫ちゃんザルガーニを「目がぁ〜、我輩(わがはい)の目がぁ〜」と悶絶させちゃった一幕があったけど、タンスの上でグーグー寝てて私達の話を聞いてなかったザルガーニが悪いんだから仕方ないよね? だから、光る床をまともに見ちゃって悶絶する羽目になったのを私のせいにしないでね?


 あと、メリッサとキアラも参加したいとか言い出したから、私が以前私の血で作ってメリッサ達に渡してあげたイヤリングを一旦返してもらって、闇魔法をいくつかと雷を落とす魔法と電撃を飛ばす魔法を使えるように設定し直してからイヤリングをメリッサ達に返してあげた。ラグジュアリアントの森で2人には怖い思いをさせちゃったから出血大サービスの大判振る舞いをしてあげたのである。これで準備バッチリ! 後はピッグマン商会の奴らが来るのを待つばかりだよ!


 ◇◆◇


 そして、深夜、ピッグマン商会の人間達が麻袋を頭に被り、布に火がついた火炎瓶を持って、雪音ちゃん達が中で待ち構えているアンラキの家を取り囲んだ!


「よーし、お前ら、火を放て〜!」

「ピッグマン商会め、よくも俺の店を奪いやがってー! 燃えちまえ、ピッグマン商会ー!」


 ヒューン! ガチャン! ボッ!


「俺の店を奪っただけでなく毎日こき使いやがって! 死ね、ピッグマン商会ー!」

「燃えろ、燃えろピッグマン商会ー! 俺らが女神様に変わって天罰を下してやるぜー! ヒャッハー!!」


 ヒューン! ヒューン! ガチャンガチャン! ボッ! ボッ!


 ◇◆◇


 ピッグマン商会の人間達が放火し始めるほんの少し前のアンラキ邸内部では、体の一部を蝙蝠(こうもり)に変えて軒下に配置して外の様子を見張っていたゴスロリ服を着た爆乳ツインテール吸血鬼ラスィヴィアが慌てて雪音ちゃんに報告をし始めた!


「ゆ、雪音様、大変なのですわぁ〜ん!? 奴ら、家に押し入るのは(あきら)めて、この家を火炎瓶で燃やそうとしておりますわぁ〜ん!? かなりの人数がこの家の四方を取り囲んで」

「な、なんですってぇええええ!?」


 ヒューン! ガチャン! ボッ!

 ヒューン! ヒューン! ガチャンガチャン! ボッ! ボッ!


 ラスィヴィアの報告の直後、外から沢山の瓶が割れるような音が聞こえて来た!


 私は慌てて2階の窓をバンと開けて下を覗いてみた!


「わ、私のお店が燃えちゃってるよぉおおおおお!?」

「いや、ここ、俺の店なんだけど」

「キュルキュル」


 アンラキさんの言葉にうんうん(うなず)くアルマジロドラゴンのアル!


「アンラキさん、誠に残念ですが、あなたは既に死亡扱いで、このおうちは領に接収されちゃっていますから、このおうちは領営の不動産屋で賃貸契約をした雪音ちゃんのものなのですー」

「俺もついつぶやいちまったけど、ラピさん、あんた、よくこんな時にそこまで冷静な突っ込みが出来るな!?」

「キュルキュル」うんうんと(うなず)くアル!


「どうせ火はすぐに雪音ちゃんが消して、燃えちゃった所も雪音ちゃんが魔法で修復してくれるから慌てなくても大丈夫なのですよー♪」

「いやいやいや、その雪音の嬢ちゃんが1番焦ってると思うのは俺だけかよ!?」


「あの焦りっぷり、とっても可愛いですよねー♪ はぁ〜♡」

「ダメだ、コイツ!? 話が通じねえよ!?」

「あ、あはは、ラピ様だからねぇ〜」メリッサは苦笑いをしている!

「だよね? それに、どうせそろそろ雪音っちがキレるからラピっちの言う通り心配しなくても大丈夫だって」

「がぅがぅ」

「キュッキュウ」


「あんた達、私のお店に何してくれちゃってるのよぉおおお!? 絶対に(ゆる)さないんだからねぇえええ!!!」

「はっ! 悪徳商人が何言ってやがる! (ゆる)さなけりゃあどうするってんだ? 俺らはピッグマン商会に恨みがある人間だ! お前がそうやって泣き叫ぶところが見れて最高だぜ!」

「そうだそうだ! ピッグマン商会の家なんて燃えちまえー!」

「俺らの店を奪った罰だー! 俺らの苦しみを味わいやがれー!」


「はっあああああああああ!? あんた達、何わけの分からないこと言ってるのよ!? ピッグマン商会の店はこの家の両隣でしょ!? 勘違いで放火してんじゃないわよ!?」

「いーや、俺らは間違ってねえ! 俺らの中ではそう言うことになってるんだよ! 死にたくなかったら武装解除して両手を上げて大人しく外に出て来るんだな! そうすれば命だけは助けてやるよ! 命だけはな? ハーッハッハッハッハ!」


「ふーん。そう。そう言うこと言っちゃうんだ? うん、分かった。放火するような奴らに慈悲はいらないよね? 生きたまま鉱山奴隷にして採石させようと思ってたけど、(たましい)刈り取って人形に(たましい)込めてから採石させるのもありだよね? あはっ♪ まずは生きたまま地獄に落としてあげるよ!」


 私は家の周りに猛吹雪(ブリザード)を展開させて私のお店を燃やしている火を消化! 猛吹雪(ブリザード)を飛ばすと同時に魔力波も飛ばして私のお店の周りで麻袋を頭に被っている人間達を全員ロックオン! 急に発生した猛吹雪(ブリザード)に慌てふためく奴らを全員スカーレットちゃんのお母さんのプラーミャの住処である最難関ダンジョンに強制転移してあげた!


 ◇◆◇


「はっ!? なな、なんだここは!? さっきまでアヴァリードの町にいたはずなのに、どうして洞窟の中に!? いや、違う!? この広さはダンジョンの中か!?」


 ピッグマン商会のボス、ピッグマンは自分達が強制転移させられたことに気付いた!


「ひぃいいいいい!? バ、バジリスクが壁に!?」

「む、向こうにはコカトリスがいるぞ!?」

「ぐぁあああああ!? バジリスクに足を噛みつかれちまったぁあああ!?」

「お、おい大丈夫か!? ひぃ!? もう足の石化が始まって!? 石化するの早過ぎだろう!?」


「ソイツはもうダメだ! 置いていけ!」

「そんな!? 置いて行かないでくれよぉおおお!? アバンダン、お願いだ、残って助け「すまん、ディザート! 俺らのために(おとり)になってくれ!」

「ピ、ピッグマン様〜!? おお、俺達どうしたら!?」


 ピッグマン達は魔物達から走って逃げながら会話をしている!


「と、とりあえず、即座に2人組を作って俺様の前後左右に10mほど離れて展開しろ! 今すぐにだ!」

「「「「「「「へ、へい! 分かりました!!!」」」」」」」


 ◇◆◇


 一方、ピッグマン商会のボスであるピッグマンとは別の場所で雪音ちゃんのお店に火炎瓶を投げつけていた“アンラキさんを魔物に殺されたように見せかけて殺した男”トレバーとその手下達もまた雪音ちゃんによってダンジョンの中へと強制転移させられていた!


「ちいっ!? 猛吹雪(ブリザード)で視界が一面真っ白になったと思ったら、ここはどこだ!?」

「ト、トレバーの兄貴!? 周りに見たことのない魔物が沢山いるでやんす!?」

「なんだよ、あの牛みたいな体から長い首が生えてて、その先に馬鹿でけえ頭がくっついている魔物は!?」

「お、俺、ギルドの魔物図鑑であの魔物見たことあるぞ! あれはカトブレパスだぁああ!?」

「カトブレパスだって!? 目から放たれる石化光線を浴びると石化しちまうって、あの!?」


「クソッ!? 向こうはカトブレパスの群れがいるじゃねえか!? お前達、急いで反対側に逃げるぞ!」

「了解です兄貴!」

「は、早く逃げやしょう!」

「ひぃいい!? ギョロっとした一つ目がこっち向いたっす!?」


 1体のカトブレパスが長い首を使って鎌首をもたげると、他のカトブレパスの仲間達も一斉に鎌首をもたげ、トレバー達の方に一つ目を向けた!


「ヤ、ヤバい!? 気付かれた!? お前達、石にされたくなかったら死ぬ気で走れぇええええ!!!」

「ひぇえええええ!?」

「もちろんっすーーー!!!」

「誰だよ、火を放つだけだって言った奴!?」

「やべえ、やべえ、やべえ!?」

「ぎゃー!? 一斉に追っ掛けて来やがったぁああああ!?」


 トレバー達は走って走って走りまくった! カトブレパスは鈍足なため、トレバー達は追い掛けて来るカトブレパスの群れをドンドン引き離して行くことに成功した!


「や、やりましたね、トレバーの兄貴! カトブレパスの群れを引き離すことに成功したみたいっす!」

「ああ、そのようだな。なら、走るのをやめて」


 ドスッ!


「ぎゃあ!? あ、足に何か刺さっ、うわぁあああああああ!?

「ど、どうした!?」


 トレバー達が立ち止まって後ろを振り返ると、仲間の1人が地面に倒れて見えない何かに足を引っ張られて横道にズルズルズルと引きずられていく姿が目に映った!


「だ、大丈夫か、ストレイン!? 今助けてやるからな!?」


 トレバーの手下の1人が来た道を走って戻り、横道に引きずり込まれようとしているストレインが助けを求めて必死に伸ばして来た手を(つか)んで仲間を連れ去られないように綱引きを開始しようとした!


 ドス!


「ごふっ!? は、腹からギザギザした鎌みたいなのが突き出て!? ぐぁあああああああ!?」


 仲間のストレインを助けようとしていたトレバーの手下の1人は反対側の横道にいた鎖鎌(チェーンシック)蟷螂(ルマンティス)が飛ばして来た鎖鎌(チェーンシックル)で後ろから腹部を貫かれた後、後方へと引きずられ始めてしまった!


 左右に引きずられていく手下達を見てトレバーは即座に決断を下した!


「クソッ、仕方ねえ! 先に進むぞ!」

「あ、あいつらを見捨てるんすか!? トレバーの兄貴!?」

(うそ)だろ兄貴!?」

「マジっすか兄貴!?」

「見損なったぜ兄貴!?」


「助けに行きたきゃ勝手に行け! あれは恐らく鎖鎌(チェーンシック)蟷螂(ルマンティス)だ! 2〜3mのデカさの奴で1体だけなら俺らでなんとか出来るかもしれないが鎖鎌(チェーンシック)蟷螂(ルマンティス)は群れで行動するんだぞ!? なんとか出来ると思うのか!?」

「うっ!? そ、それは」

「お、思わないっす」

「そ、そんな!? くそー!? なんだって俺らがこんな目に遭わないといけないんだよー!?」


「分かったら行くぞ! アイツらの死を無駄にするな!」

「「「「「「へい!」」」」」」


「ト、トレバーの兄貴ぃいいい、た、助け、ぎゃああああああ!?」

「い、いやだぁああああ!? 訳も分からずこんな所で死にたく、ぐぁあああああ、いだい、いだいいいいいい!?」

「あ、兄貴!? ストレイン達の叫び声が!?」

「聞きたくなかったら耳を塞いでただひたすら走れ! ああやって痛めつけて(えさ)の仲間をおびき寄せようとしてるんだ!」

「そ、そんな!?」


「自分もああなりたくなかったら、とにかく死に物狂いで走れ! 仲間の誰かの悲鳴がすぐ側で聞こえても振り返るな! いいな!」


 ◇◆◇


 同時刻、ピッグマンやトレバーとは別の場所で雪音ちゃんのお店に火炎瓶を投げつけていたシルクハット&片眼鏡(モノクル)男スネイル (今回は麻袋を被っていたためシルクハットは被っていない) とその手下達も雪音ちゃんによってダンジョンの中へと強制転移させられていた!


「ふむ、どうやら私達はダンジョンへと強制転移させられてしまったようですね? これは困りました、はい」

「スネイル様、どうするんです?」

「ひゃあ!? ス、スネイル様、そこの壁にデカいリザードが張り付いて!?」


「むっ!? いけません!? それはバジリスクです! 頭から尻尾に掛けて生えている無数の三角形の硬いヒレや足の太く硬い爪で引っ()かれてしまうと石にされてしまいます! い、急いでここから逃げなくては!?」

「あっ!? スネイル様、バジリスクがこっちに向かってジャンプして来、ぎやぁあああ!? 腕が、俺の腕がぁあああああ!?」


 バジリスクが張り付いていた洞窟の壁から特大ジャンプして放物線を描いて回転しながら落ちて来て、その丸まったバジリスクの頭から尻尾に掛けて生えている無数の三角形の硬いヒレの回転ノコギリ攻撃によってスネイルの手下は腕を斬り飛ばされてしまった!


「くっ!? 影縫い(シャドウバインド)!」

「グアッ!? ガー!? ガー!?」


 シルクハット&片眼鏡(モノクル)男スネイルは(シャドウ)ナイフをバジリスクの影に向かって飛ばしてバジリスクの身動きを一時的に封じた!


「スネイル様、すげー!」

「今のうちにアイツを倒すんですね、スネイル様!?」

「違います! あの巨体相手では影縫い(シャドウバインド)は長く保ちません! 急いで腕を回収して逃げるのです、はい!」

「マジっすか!?」

「う、腕の回収終わりました、スネイル様!」


「では、急いでここから逃げますよ!」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

「いてえ、いてえよぉ〜。俺の腕ぇ〜」


「ほ、ほら、大丈夫だ! お前の腕は俺が拾って来てやったから!」

「うぅ、お、俺の腕ぇ……。あ、ありが」


 パクッ!


 バジリスクに腕を斬り飛ばされた男とその腕を拾って来た男は突如横道から飛び出して来た巨大なゴカイの化け物、陸オニイゾメという魔物によってパクッと食べられてしまった! 陸オニイゾメは2人を食べた後、横道に戻って地面の中へと戻って行った……。


「なんだよ今の巨大なミミズの化け物みてえなのは!?」

「ミミズの体にあんな牙みたいな足が無数に生えてる訳ないだろう!?」

「ク、クワガータの大顎(おおあご)っぽいのが4つも生えてたぞ!?」

「セヴァの血の匂いが近くの地中に潜んでいた陸オニイゾメを引き寄せてしまったのでしょう。これ以上犠牲者を出す訳にはいきません。早くここから逃げるのです、はい」


「わ、分かりました、スネイル様!」

「アイツらの(かたき)を討たないんですか、スネイル様!?」

「地中にいる奴をおびき出そうとしたってセヴァ達みたいに喰われちまうだけだって。諦めようぜ」

「あそこにいるバジリスクだって、いつスネイル様の掛けた影縫い(シャドウバインド)から体が自由になるか分からねえんだし」

「お、おい!? そのバジリスクのさらに向こうから別のバジリスクがやって来たぞ!? しかも1体じゃない、少なくとも3体はいるぞ!?」


「なんだって!?」

(うそ)だろ!?」

「マジかよ!?」

「くっ、こうしてはいられません!? みなさん、逃げますよ!」


「「「「「「はい!」」」」」」


 ◇◆◇


 タッタッタッタッタ。


「おっ、かなり開けた場所に出たな? っ!? スネイル! トレバー! 無事だったか!」


 タッタッタッタッタ。


「ピッグマン様!? ピッグマン様こそ、ご無事で何よりです、はい!」


 タッタッタッタッタ。


「ピッグマン様もスネイルも、このダンジョンに飛ばされていたのですな」


 タッタッタッタッタ。


「やったぞ、みんな!? ボスや兄貴達がいるぞ!?」

「本当か!?」

「た、助かった……」

「もうダメかと思ったぜ」

「何人か魔物に()られちまったけどな……」


 雪音ちゃんの強制転移魔法によってダンジョンにバラバラに飛ばされた4組のパーティーがダンジョンの大空洞に期せずして集結した!


 そして、大空洞の5つの出入り口の、真上から見ればちょうど五芒星の各頂点の位置にある出入り口の下側4つから入って来て大空洞の中央へと集まったピッグマン達を出迎えるように、五芒星の頂点の上側に当たる場所がライトアップされた!


「よくここまで辿り着けたわね! と言ってあげたいところなんだけど、地獄が始まるのはここからよ!」

「ひいっ!? ドド、ドラゴンぅううううう!?」

「こ、この声はアンラキの家の窓から顔を出していたあの小娘の!? 貴様、ドラゴンの化身だったのか!?」


 ピッグマンが、寝そべってこちらをだるそうに見ているレッドドラゴンの顔に向かって叫んだ!


「どこ見てるのよ!? こっちよ、こっち!!!」

「ピ、ピッグマン様! ドラゴンの背中に人が乗っています!」

「あーっ!? あの小娘の頭の上にちょこんと乗っているのは私に恥をかかせた大男が連れていたレッドドラゴンの幼体ではありませんか!?」

「あの小娘はダニエル達に追っ掛けさせた……。ダニエル達が()られちまったのも当然か、クソッ!」

「小娘! お前が俺達をこのクソったれなダンジョンに強制転移させたのか!?」


 ピッグマンがレッドドラゴンの背中に乗っている雪音ちゃんに向かって叫んだ!


「その通りだよ! 私のお店に火炎瓶沢山投げつけて燃やしてくれたお礼をしてあげるから覚悟しなさい!」

「キュッキュ〜♪」かくごしなさいなのー♪

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