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第10章 雪音ちゃんと村娘達 141 〜 両腕が蟷螂のような大鎌で、蟹のように先の尖った4本脚を持ち、蠍のような尻尾が生えている黄金骸骨亡者との戦い③〜

「おーーっほっほっほっほ。そのような攻撃当たらないのですわぁ〜ん!」


 ゴスロリ服を着た爆乳ツインテール吸血鬼ラスィヴィアは、黄金骸骨亡者が振り上げた大鎌型右腕を見て、相手に向かって左側へと回避しながら振り下ろされた大鎌型右腕の黄金上腕骨に闇属性の紫炎が属性付与(エンチャント)された鉤爪(かぎづめ)のように長い爪で斬撃を加え、黄金骸骨亡者が大鎌型左腕で草を刈るかのように脚を狙って横()いで来ると、ラスィヴィアはそれをジャンプして(かわ)す! すると、黄金骸骨亡者は飛び上がったラスィヴィア目掛けて(サソリ)尻尾で刺突攻撃を繰り出して来た!


小癪(こしゃく)ですわ! はあっ!!!」


 ラスィヴィアはクロスさせた両腕を左右に勢い良く押し開き、両手の指先から伸びた長い爪で(サソリ)尻尾の刺突攻撃を弾き飛ばした!


 ラスィヴィアは左右に開いた両手をそのまま頭上へ流れるように移動させて振りかぶり、地面に落下しがてら闇属性の紫炎を(まと)った長い爪を黄金骸骨亡者の竜頭蓋骨に叩きつける! すると、黄金骸骨亡者の竜頭蓋骨にピシピシッと(ひび)が入って頭が下がり、その反動で黄金骸骨亡者の大鎌型両腕が上がった!


「かったいですわね〜!?」


 1撃入れたラスィヴィアはすぐさまバックステップして黄金骸骨亡者から距離を取った!


 頭を叩かれた黄金骸骨亡者は大鎌型の両腕を地面に何度も叩きつけて怒っている!


「怒ったところでお前の攻撃など(わたくし)には当たらないのですわぁ〜ん。頭に血が(のぼ)って余計攻撃が単調になるだけ……と思いましたけれど、よく考えてみたら骸骨に血など流れていないのですから、攻撃が単調になると言うことはないのかもしれませんわね〜?」


 ラスィヴィアがそんなことを呑気(のんき)に考えている間に、黄金骸骨亡者は【く】の字型で脚先が(カニ)のように(とが)った4本の脚を地面スレスレまで折り曲げてタメを作り、ラスィヴィアに向かって大ジャンプして来た!


 ラスィヴィアはサイドステップでそれを(かわ)し、そのまま背後へ回り込もうとしたが、黄金骸骨亡者は地面に着地する前に洞窟の天井から垂れ下がっている大きな鍾乳石(しょうにゅうせき)に向かって(サソリ)尻尾をジャストコー◯やMHW I◯のワイヤーアクションのように射出して突き刺し、上空をブォーンと旋回しながらラスィヴィアのあとを追って来た! 黄金骸骨亡者は大鎌型の両腕をカシャンカシャンと交差させながらラスィヴィアに迫って来る!


「ひぃっ!? どど、どうして(わたくし)のあとを追って来るんですのぉおおおお!?」


 焦ったラスィヴィアは思わず吸血鬼の羽を出して急上昇しながら高速飛行で逃げた!


 そんな急上昇したラスィヴィアのすぐ下では黄金骸骨亡者の大鎌型両腕がカシャン!と音を立てて交差していた!


「あ、危なかったのですわぁ〜ん!? 聖属性であることを除けば雑魚の分際で、よくも(わたくし)に悲鳴をあげさせてくれましたわね!? 覚悟するが良いですわぁ〜ん!!」


 ラスィヴィアは空中で黄金骸骨亡者の背に飛び乗って、黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾の付け根を闇属性の紫炎を属性付与(エンチャント)された長い爪で引っ()きまくった!


 ピシピシ、ピシピシ!っと黄金骨に(ひび)が入っていき、ラスィヴィアの度重なる鉤爪(かぎづめ)のように長く伸びた両手の爪攻撃によって黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾に掛けられていた聖属性防御魔法の黄金膜がパリィーンと砕け散り、黄金膜の下で保護されていた白い骨が姿を現した!


「おーーほっほっほっほ。もらいましたわぁ〜ん!!」


 ラスィヴィアは高笑いをしながら鍾乳石(しょうにゅうせき)に連結している(サソリ)尻尾を左手で(つか)み、(サソリ)尻尾の付け根に露出した白い骨目掛けて右手を振り下ろした!



 ブォン! バキバキッ!


 弧を描くように紫炎を後方にたなびかせながら振り下ろされたラスィヴィアの右手の長い爪が、黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾の付け根の白い骨を破壊した!


 そのため、(サソリ)尻尾で洞窟の天井から垂れ下がった鍾乳石(しょうにゅうせき)と連結し宙を旋回していた黄金骸骨亡者は、ハンマー投げのハンマーのように遠心力でスポーンと飛んで行って地面から生えていた大きな石筍(せきじゅん)に激突するはめになってしまった!


「いい気味なのですわぁ〜ん! まぁ、聖属性防御魔法の黄金膜で守られているから大してダメージになっていないのでしょうけれど」


 そんなことを言いながらラスィヴィアはうっかり出してしまった吸血鬼の羽を背中にしまって地面にスタッと着地し、周りをキョロキョロと確認する。


「自分の戦闘に忙しくて誰も見ていなかったようですから問題なしなのですわぁ〜ん♪」


 ◇◆◇


 一方、その近くではロリコン(ライト)が別の黄金骸骨亡者と戦っていた!


「くっ!? 両手の大鎌を(さば)くだけでも大変なのに気まぐれのように放って来る尻尾の刺突攻撃が実に厄介ですね!?」


 正面にいると攻撃を防ぎきれないため、ロリコン(ライト)は黄金骸骨亡者の側面へ側面へと移動しながら黄金骸骨亡者の攻撃を(かわ)して攻撃を加えたり、盾で防いでから攻撃を入れたりしていた!


 ロリコン(ライト)と黄金骸骨亡者の攻防は、ややロリコン(ライト)が押され気味ではあったが、ロリコン(ライト)の闇属性の紫炎を(まと)った剣での攻撃は黄金骸骨亡者の白い骨の身体を覆っている聖属性防御魔法の黄金膜に着実にダメージを与えて行き、黄金骸骨亡者の右側の2本の脚や(サソリ)尻尾の白い骨を守っている黄金膜のあちこちに(ひび)を入れていた!


 黄金骸骨亡者の右腕の上腕骨の延長上に生えている大鎌にもロリコン(ライト)は何度か攻撃を加えていたのだが、こちらは聖属性防御魔法が入念に掛けてあるのか一向に(ひび)が入る様子はなかったため、ロリコン(ライト)は大鎌ではなく大鎌が生えている上腕骨を狙って攻撃していった!


 上腕骨に掛けられた聖属性防御魔法は4本の脚や(サソリ)尻尾に掛けられたものと同等だったらしく、闇属性の紫炎を属性付与(エンチャント)された剣で攻撃していけば、しっかりと(ひび)が入っていく!


「大鎌には効かないようですが、上腕骨にはダメージが入るようですね! ならば、その上腕骨を集中して攻撃し続けることで大鎌を使い物にならなくしてあげましょう!」


 ロリコン(ライト)は黄金骸骨亡者の攻撃を(かわ)したり盾で防御したりしながら(すき)を見つけては黄金骸骨亡者の上腕骨に攻撃を加えていった! 何度かの攻防の後、黄金骸骨亡者の右腕の上腕骨に掛けられた聖属性防御魔法の黄金膜がパリーンと音を立てて砕け散った!


「やりました! これで大鎌は地面に落ち、てない!? なるほど、砕けたのは表面の黄金部分だけと言うわけですか! 黄金の下に白い骨が隠されていたと言うことは黄金の外装さえ破壊してしまえば、聖女様の聖なる魔法は当然として、ラピさんの氷魔法やラスィヴィアさんの火魔法も通じるようになると言うことですね! 勝機が見えました!」


 勝機を見いだしたロリコン(ライト)は気分が高揚していた!


 それに対し、黄金骸骨亡者は久し振りの獲物だと思って遊び過ぎたことを後悔し苛立(いらだ)っていた! そんな黄金骸骨亡者が次に取った行動は、1体ではなく大勢で獲物を甚振(いたぶ)ってやろうと言う考えから仲間を呼びに行くために地面に潜るというものだった!


「なっ!? まさかここで逃げ、いえ、地面の下から攻撃して来るに違いありません! 一体どこから!?」


 ロリコン(ライト)は周囲の地面を警戒した! 黄金骸骨亡者はなかなか地面の下から出て来ない!


「くっ!? ()らし戦法ですか、それとも、本当に逃げ」


 ボコボコッ! ボコボコッ! ボコボコッ! ボコボコッ!


 4箇所の地面が盛り上がって下から黄金骸骨亡者が4体飛び出して来た! そのうちの1体の両腕に生えている大鎌は先の個体と違って極太であった! あの極太の大鎌で攻撃されたら盾で防ぎきれるか非常に怪しい!


 そもそも1体で苦労していたのに同時に4体もの黄金骸骨亡者の相手をするなんてことが出来るわけもなく、ロリコン(ライト)は頬を引きつらせ愚痴をこぼしながら近くにいたラスィヴィアの方に向かって脱兎のごとく逃げ出した!


「地面の下から攻撃されずに済んだのは良かったのですが、これはこれで卑怯じゃないですか!? ラ、ラスィヴィアさん、助けてくださ〜い!」


 ◇◆◇


 ラスィヴィアは黄金骸骨亡者の聖属性防御魔法の黄金膜を破壊して露出させた白い竜頭蓋骨の天辺(てっぺん)に突き刺した長い爪を引き抜きながら、自分の名前を叫んで走って逃げて来るロリコン(ライト)の方に顔を向けた。


 そして、ロリコン(ライト)の後ろを(カニ)のように先の(とが)った4本の脚を地面にザクザクと突き刺しながら追っかけて来ている4体の黄金骸骨亡者を見てため息をつく。


「はぁ〜。今1体倒したところですのに、どうして4倍もの数を相手にしないといけないのかしらぁ〜ん?」


 ラスィヴィアは文句を言いながら両手を頭上に掲げて大きめの溶岩弾(ラーヴァ・ボール)を上空に作り出し、


「おーーほっほっほっほ。溶岩弾(ラーヴァ・ボール)に押し潰されておしまいなさい!」


 と高笑いをしながら、溶岩弾(ラーヴァ・ボール)をその斜め下にいる4体の黄金骸骨亡者に向かって落下させた! その様はまるで宇宙から火に包まれて落ちて来る隕石のようである!


「ラ、ラスィヴィアさん!? 助けてくださいとは言いましたがその魔法は!? ま、巻き添えは嫌だぁああああ!?」


 ロリコン(ライト)は必死になって走った! そのスピードは4体の黄金骸骨亡者に追い掛けられていた時よりも上がっている!


 ドゴォーン!!!


 そして、溶岩弾(ラーヴァ・ボール)ロリコン(ライト)を追い掛けていた4体の黄金骸骨亡者のうち、ど真ん中にいたものに炸裂し、その身体を地面に押し潰した!


 残りの3体はすんでのところで横に大ジャンプして避けたあと、2体が引き続きロリコン(ライト)のあとを追い始め、1体がラピ達の方へと逃げて行ってしまった!


「どうして、そっちに逃げるんですの!? ラピ様、申し訳ありません! そちらに1体行ってしまったのですわぁ〜ん!」


 ラスィヴィアは自身の不手際を謝罪しながらラピに注意を促したあと、ロリコン(ライト)がトレインして来た黄金骸骨亡者達に向かって走って行って怒りをその黄金の体躯にぶつけて行った!


「お前達のせいで(わたくし)が無能だとラピ様に思われてしまったらどうしてくれるのかしらぁ〜ん!!!」


 ガンガンガンガン!! ガンガンガンガン!!


 2体の黄金骸骨亡者の間に飛び込んだラスィヴィアが独楽(コマ)のように回転しながら両手の指先から伸びている鉤爪(かぎづめ)のように長い爪で2体の黄金骸骨亡者の側面を激しく攻撃して行く!


 ◇◆◇


「なっ!? ラスィヴィアさん、そこは危険ですよ!?」


 逃げる自分の横をすり抜けて2体の黄金骸骨亡者の間に飛び込んで行ったラスィヴィアを見て驚愕し大声を上げるロリコン(ライト)


「せめて1体はこちらに引きつけないと格好悪いことこの上ないですね!?」


 ロリコン(ライト)は急いで来た道を戻ってラスィヴィアが戦っている2体の黄金骸骨亡者のうち、自分の方にケツを向けている黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾に向かって闇属性の紫炎を(まと)った剣を叩きつけた!


 パリィーンと音を立てて砕けた(サソリ)尻尾に掛けられた聖属性防御魔法の黄金膜が宙を舞う!


「ふっ、1撃で砕け散ると言うことは、どうやら、あなたは俺が先ほど戦っていた個体のようですね! その側面に入った(ひび)は見覚えがあります。さぁ、仕切り直しと行こうじゃないですか!」


 ロリコン(ライト)がそう声を掛けている最中に振り上げられた黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾がロリコン(ライト)の頭上目掛けて振り下ろされた!


  「おっと、その手は食いませんよ!」


 ロリコン(ライト)はその攻撃を半身でサッと(かわ)しながら、地面にビターンと叩きつけられた(サソリ)尻尾の上に剣を振り下ろす!


 ブォン! バキバキッ!


 ロリコン(ライト)の剣は、先ほどの攻撃で露出した(サソリ)尻尾の白い骨の部分へと振り下ろされ、見事破壊に成功した!


「キシャアアアアアアア!?」


 (サソリ)尻尾を破壊された黄金骸骨亡者はその痛みにのたうち回っている!


「よくやりましたわぁ〜ん! その調子でそのままソイツの相手をしていてくださいまし!」

「ええ、お任せください! コイツを倒してすぐにラスィヴィアさんの加勢に向かいます!」


 ロリコン(ライト)はのたうち回っている黄金骸骨亡者の(ひび)が入ってる箇所に剣をガンガン叩き付けながらラスィヴィアに威勢の良いことを言った!


「逃げられて仲間をまた呼ばれないようにだけ気をつけてくださいましね?」

「あはは……。耳が痛いですね。善処します!」


 ◇◆◇


 ラスィヴィアは極太の大鎌型両腕を持つ黄金骸骨亡者が繰り出した(サソリ)尻尾の刺突攻撃を避けたあと、その背中に飛び乗った! そして、そこからさらに黄金骸骨亡者の頭上に向かってジャンプしながら身を(ひね)って反転、落下しながら竜頭蓋骨に向かって両手の紫炎を(まと)った鉤爪(かぎづめ)のように長い爪を叩きつけた!


 ガクンと黄金骸骨亡者の竜頭蓋骨が沈み、極太の大鎌型両腕が反動で持ち上がる!


「お前の相手は(わたくし)ですわ! かかっていらっしゃいまし!」


 ロリコン(ライト)を危険に(さら)さないようにとラスィヴィアが極太の大鎌型両腕を持つ黄金骸骨亡者を挑発してその場から走って離れて行くと、挑発された黄金骸骨亡者は極太の大鎌型両腕を地面に叩き付けてからラスィヴィアのあとを追い掛け始めた!


「きちんとついて来るなんて良い子ですわね? ご褒美(ほうび)に地獄へ招待して差し上げますわぁ〜ん♪」


 ラスィヴィアは正面に見えた地面から生えている大きな石筍(せきじゅん)群の間を通り抜けてグルッと回ってUターンし、途中で引っ掛かっている黄金骸骨亡者の背後へと(おど)り出た!


「おーっほっほっほっほ。おバカさんなのですわぁ〜ん♪」


 ラスィヴィアは両手の紫炎を(まと)った鉤爪(かぎづめ)のように長い爪で極太の大鎌型両腕を持つ黄金骸骨亡者の(サソリ)尻尾に4連撃を与えた!


「やられっぱなしでよろしいのかしらぁ〜ん♪ 反撃がないとつまらな」


 スカッ!


「あ、あら?」


 ラスィヴィアは続けて5連撃目の攻撃を繰り出したが、それは黄金骸骨亡者が(サソリ)尻尾を横にしならせることによって(かわ)されてしまった!


 そして、空振ったことで若干体勢が崩れているラスィヴィアに向かって(サソリ)尻尾の横殴り攻撃が(おそ)い掛かる!


「ちいっ!?」


 ラスィヴィアは咄嗟(とっさ)にジャンプして(かわ)そうとしたが、一瞬遅く、片方の足首に(サソリ)尻尾を巻き付けられてしまった!


「きゃあああああああ!? ななな、何をするんですのぉおおおお!? かはっ!?」


 (サソリ)尻尾に足を捕まえられたラスィヴィアはそのまま斜め上方へ振り上げられ、近くにあった石柱に叩きつけられてしまった! ラスィヴィアは石柱にめり込んでいる!


 とは言っても、ラスィヴィアには雪音ちゃんに掛けてもらった防御魔法があるのでダメージはほとんどない。シートベルトをして乗った車が急停止して「うっ」となるような程度のものであった。


 っが、ダメージはなくてもプライドを傷つけられたラスィヴィアは石柱に身体半分()もれさせながら、かんかんに怒っていた!


「よくも、よくもやってくれましたわねぇええええ!? 絶対に(ゆる)さないのですわぁ〜ん!!」


 ラスィヴィアが石柱から抜け出して地面に着地し、黄金骸骨亡者のはまっていた所に目を向けると黄金骸骨亡者は既にそこにいなかった!


 ラスィヴィアが石柱にめり込んでいる間に黄金骸骨亡者は石筍(せきじゅん)地帯から抜け出していたのであった!


「どこに行ったのかしらぁ〜ん!? 両腕にあんなに分厚い大鎌がついているのに逃げるなんて情けないと思わないのかし……」


 ラスィヴィアがキョロキョロと周りを見渡すと少し離れた所で地面に潜ろうとしている黄金骸骨亡者の姿を発見した!


「見つけましたわぁ〜ん!!!」


 ラスィヴィアはすぐさま片腕を上げ、手の平を上へと向けて溶岩弾(ラーヴァ・ボール)を作り出し、それを飛ばした!


 黄金骸骨亡者の身体は既に半分地面に潜り込んでいたので普通に考えれば間に合うはずなかったのであるが、怒っているラスィヴィアは普通じゃなかったので、そんなこと気にせず溶岩弾(ラーヴァ・ボール)をぶっ放した!


 ドガーン!


 大きな音を立てて溶岩弾(ラーヴァ・ボール)が地面に着弾したが、黄金骸骨亡者はとっくのとうに地面に潜り込んでしまっていた!


「きぃいいいいい!!! どこに行ったんですのぉおお!? ぶち殺して差し上げますから早く顔をお出しなさいましぃいいい!!」


 かんかんに怒ったラスィヴィアは周囲の人間の目を気にせず吸血鬼の羽をバサッと広げて洞窟の天井付近へビューンと急上昇し、頭上に溶岩弾(ラーヴァ・ボール)をどんどん展開させて行った!


 ボコッ! ボコボコッ!


「そこですわぁ〜ん!!!」


 ヒューン、ドガーン!


「ちっ、アイツじゃありませんでしたわ。今度はそこ!」


 ヒューン、ドガーン!


 地面が盛り上がって地面の下から黄金骸骨亡者達が飛び出して来たら、ラスィヴィアはすかさず溶岩弾(ラーヴァ・ボール)を落として黄金骸骨亡者を潰して行った!


 雪音ちゃんが見ていたら「モグラ叩きみたいだね〜」と言うかもしれないが、ラスィヴィアのやってることはそんな可愛げのあるものではなかった。なにせ燃え盛る熱々の溶岩が上空から落ちて行くのだから……。


 ちなみにこの時、ロリコン(ライト)の存在はかろうじて忘れられていなかったのでロリコン(ライト)溶岩弾(ラーヴァ・ボール)の巻き添えを食うことはなかったのだが、周りにドガン、ドガンと溶岩弾(ラーヴァ・ボール)を落とされ、いつ自分の上に溶岩弾(ラーヴァ・ボール)が落ちて来るか気が気でなかったと、のちにロリコン(ライト)は仲間達に語ったそうである。


 さて、無数の溶岩弾(ラーヴァ・ボール)流星(メテオ)のように落としまくったラスィヴィアは首を(かし)げていた!


「極太の大鎌を持ったアイツがなかなか出て来ないのですわぁ〜ん。ひょっとして気づかないうちに押し潰してしまったのかしらぁ〜ん?」


 待てども待てども地面から黄金骸骨亡者が出て来なくなったので、ラスィヴィアはひとまず地上に降りることにした。


 バサッ、バサッ。


 地上に舞い降りたラスィヴィアは吸血鬼の羽をしまって溶岩弾(ラーヴァ・ボール)に押し潰されて身動きの取れない黄金骸骨亡者の大鎌を確認して回り始めた。


「ここも違いますわね。あーもう!? 一体どこで押し潰されているんですの!? この目でアイツが溶岩弾(ラーヴァ・ボール)にペシャンコにされている間抜けな姿を見ないことには腹の虫が収まりませ……」


 次の着弾地点へ行こうとラスィヴィアが地面に向けていた顔を上げ、横を向いたその時、その視線の先に地面の下からひょっこり出て来た黄金骸骨亡者の姿があった! その両腕には極太の大鎌がついている!


「見ぃ〜つけましたわぁ〜ん♪」


 ラスィヴィアは獲物を見つけた捕食者のようにキラ〜ンと目を輝かせ、にたぁ〜っと笑った!


 それを見て恐怖を感じたのか、極太の大鎌型両腕を持った黄金骸骨亡者はラスィヴィアに背を向け逃げ出した!


「逃がしませんわよ!? 溶岩弾(ラーヴァ・ボール)!!」


 ラスィヴィアは両手を前に突き出して手の平から特大の溶岩弾(ラーヴァ・ボール)を打ち出した!


 ヒューン! ヒョイッ! ドガーン!


 しかし、ラスィヴィアの放った溶岩弾(ラーヴァ・ボール)は大ジャンプした極太の大鎌型両腕を持った黄金骸骨亡者に避けられてしまい、その先にあった別の黄金骸骨亡者の身動きを封じているラピの作った氷の(かたまり)を破壊してしまった!


「あぁあああああ!? どうして避けるんですのぉおお!? 失態に続く失態なのですわぁ〜ん!? うぅ、これではラピ様にお仕置きされて……。はっ!? それはつまり正当な罰としてラピ様にお尻をグリグリ踏んでもらえるのではありませんこと!?」


 2度の失態を犯した罰としてラピ様にお仕置きをしてもらえる!という考えから、ラスィヴィアの怒りは頭の中から消え失せてしまった! ラスィヴィアは妄想の世界に入ってしまって身体をくねらせている!


 ボコボコッ! ボコボコッ!


「ラ、ラスィヴィアさん!? 地面からまた別の奴らが、って聞こえてないんですか!? ラスィヴィアさん、ラスィヴィアさーん!?」


 やっとのことで黄金骸骨亡者を1人で倒したロリコン(ライト)であったが、またもや地面の下から黄金骸骨亡者達が出て来たことに泣きそうになり、頼りになるはずのラスィヴィアが妄想の世界に旅立ってしまっていて声を掛けても両肩を(つか)んで揺さぶってみても返事が返って来ないことに絶望を感じてしまうのであった……。

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