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第10章 雪音ちゃんと村娘達 129 〜 淫乱斬り裂き魔は淫乱斬り裂き魔じゃなくて聖女様!?⑥〜

「それでは詠唱を始めますので、他の方々は魔物の警戒にあたってくださいね?」

「ああ、俺達に任せておきな!」

「もし、亡者どもが出現したとしても俺の持つこの試練の宝剣(魔剣ディーア)の力で亡者どもを軽くあしらうことが可能ですので、聖女様はどうか安心してピートとマイケルの水虫を癒すのに専念してください! ぷっ」

「おい、ライト!? おま、ほんとふざけんなよな!?」


 ロリコン(ライト)が先ほどのお返しとばかりにチャラ男(マイケル)をからかうので、チャラ男(マイケル)は顔を真っ赤にして怒っている!


「先に俺のことを病気扱いしたのはそちらでしょう? 幼女が好きで何が悪いと言うんですか?」

「あー、聖女殿、幼女好きを治す魔法を使えたりは」


 フトモ(ピート)モスキーがロリコン(ライト)チャラ男(マイケル)のやり取りを横目にしながら聖女さんに一縷(いちる)の望みを託して問い掛ける。


「ま、誠に申し訳ありませんが、そのような魔法は習得しておりません。そもそも存在しないかと……」

「それは残念だ……」


 けれど、聖女さんにそんな魔法はないと言われてしまい、フトモ(ピート)モスキーは残念そうにため息を吐くのであった。


 うーみゅ、幼女好きを治す魔法か……。作ろうと思えば作れるけど、そーゆー、好きとか嫌いとかをイジっちゃう魔法はなんか違うと思うからなぁ……。とりあえず代わりにロリコン(ライト)が幼女に悪さをしようとしたら雷が落ちる魔法でも掛けておいてあげるかな?


 私は周りにバレないようにこっそりとロリコン(ライト)に魔法を掛けておいた!


 それから、聖女さんがチャラ男(マイケル)フトモ(ピート)モスキーの水虫を治すために詠唱してるのを眺めてたら、


『雪音ちゃん、聖女さんは上手くパーティーに溶け込めたみたいで良かったですねー♪』


 とラピがテレパシーの魔法で話し掛けて来た!


『そうだね。あとは魔剣ディーアをダンジョンの元あった場所に戻すだけかな?』

『雪音様、魔剣を戻して町に帰ったあとのことなのですけれど、あの聖女はどうなさるおつもりなのかしらぁ〜ん?』


 ラスィヴィアもテレパシーで会話に加わって来た!


『えっ、それはもちろん私達の館に連れて帰るつもりだよ? ほら、聖女さんお金持ってないし、妖刀に身体乗っ取られていっぱい人殺して来ちゃって自分が育った教会?で育ててくれた司教様やお友達のシスターさん達も斬り殺しちゃったって話だから、神聖帝国に戻ったら問答無用で捕まっちゃうかもしれないし』

『ですねー。お隣の国の、しかも、神聖帝国とは反対側の方にワザワザ来ていると言うことは向こうではお尋ね者になっていたってことだと思いますから、そうするしかないんじゃないですかー?』

『聖女なんて(わたくし)達吸血鬼の天敵なのですけれど、雪音様もラピ様もお(たわむ)れが過ぎるのではないかしらぁ〜ん?』


 爆乳ツインテール吸血鬼のラスィヴィアが聖女さんを連れて帰ることに対してすっごくイヤそうな顔をしてる!


『あっ、その点は大丈夫だよ? 聖女さんの血を吸う時に、ついでに牙から私の血ぃ流し込んで私の眷属(けんぞく)に加えておいたから、仮に私達の秘密に気付いても暴露とかできないし!』

『それはまた……。雪音様、存外、鬼畜(きちく)なのですわぁ〜ん』


 ラスィヴィアを安心させてあげようとしたのにラスィヴィアから(ひど)いこと言われたよ!?


『えっ!? なんでそうなるの!? 彼女がもう(あやつ)られることのないようにと思って眷属(けんぞく)化したのに!?』


 ※ 説明しよう! 雪音ちゃんに魅了(みりょう)や支配系の魔法などは基本的に効かないのだよ! そして、雪音ちゃんの血を体内に取り込んだ生物も同様になるため、(くだん)の聖女は今後誰かに(あやつ)られることはなくなるってことなのさ! by 女神様


『知らないうちに自分が今まで討伐して来た存在になってしまった聖女に同情いたしますわぁ〜ん』


 ラスィヴィアがすっごく(あき)れたような表情をしている!


『えぇえええ!? ラ、ラピはどう思う!? 私のしたこと、アウトだったかな!?』

『はい、私的にアウトなのですよー? 雪音ちゃん、私を眷属(けんぞく)にする時はすっごく渋っていましたよねー? なのに、どうしてそんな出会ったばかりの新しい女の子を簡単に眷属(けんぞく)に加えちゃうんですかー? チューチュー吸った聖女様の血の味がそんなに美味しかったんですかー?』

『がぉー』ラピ様のびょーき、またはじまっちゃったー。

『ぴぃぴぃ』ねー。


『えっ、あ、うん、ラピに劣らず、すっごく美味しい血の味がしたけどって、待って!? そんな青筋立てて怒らないで欲しいな!? 別に聖女さんの血が美味しかったから眷属(けんぞく)に加えた訳じゃないんだよ!? ホントだよ!?』

『怪しいのですー! 今、『すっごく美味しい血の味がしたけど』って言った時の雪音ちゃん、とっても幸せそうな表情してたのですー! これは浮気と言っても過言ではないのですよー!』


『過言だよ!? 聖女さんの美味しい血の味思い出してちょっと頬が緩んじゃっただけじゃん!?』


『ラピ様の血に劣らず、ですの? でしたら(わたくし)も味わってみたいですわぁ〜ん♪ ( 雪音様の眷属(けんぞく)になっているのでしたら吸血しても問題ありませんわよね? (わたくし)の方が序列は上になるのですし、今度こっそり吸血して ) 』


 私とラピのテレパシーでの言い争いをよそに、ラスィヴィアが聖女の方を見ながら舌()めずりをしていると、


『ふーん、ラスィヴィアさんも私より聖女様の方が良いんですかー? さっき傷付いた私の人差し指をあんなにも美味しそうにしゃぶっていたのに、そうですか、そうですかー。なら、私からのご褒美(ほうび)は今後もう()らないってことですねー』

『ひぃっ!? ( ラ、ラピ様がお怒りなのですわぁ〜ん!? ) 』


 背後から聞こえて来るラピの恨みがましい声にビクッと反応するラスィヴィア!


 やった! ラスィヴィアのおかげでラピの怒りの矛先(ほこさき)が変わったよ!


『お、お待ちくださいまし!? 今のはラピ様から折檻(せっかん)されたくてワザと言ってみただけなのですわぁ〜ん! 雪音様とは違って!』


 慌ててラピの方に振り返って私に不利なことを言ってのけるラスィヴィア!


『なっ!? ラスィヴィア、その言い訳はズルくない!?』

『雪音ちゃんは黙っててくださいねー? 私は今、ラスィヴィアさんとお話してるのですよー?』


『う、うん、口挟んじゃってごめんね?』


 ラピの有無を言わさぬ声音に私は素直に(うなず)くことにした! せっかくラピの関心が私からラスィヴィアに移ったんだから藪蛇(やぶへび)になってもアレだもんね?


『ラスィヴィアさん、今の言葉は本当ですかー? もし本当だと言うのでしたら、聖女様の血を吸ったりしちゃダメですからねー? 私に隠れてコッソリ吸っちゃうのもダメですよー? 分かりましたかー?』

『も、もちろん分かりましたわぁ〜ん!』


 コクコクと首を縦に振って恭順の意を示すラスィヴィア!


『約束ですよー? 約束破ったら、もうお尻グリグリ踏んづけてあげませんからねー? ときおり混ぜてあげてた電撃ビリビリの刺激も味わえなくなっちゃいますからねー?』

『そんなの嫌ですわ!? (わたくし)、聖女の血を吸おうとなんて絶対に致しませんわぁ〜ん! ですから、ですからラピ様、お(ゆる)しくださいましぃ〜』


 ラスィヴィアがラピの腰に(すが)りついて懇願している!


『ふふふ、仕方ありませんねー♪ じゃあ、ラスィヴィアさんは(ゆる)してあげるのですよー♪』


 そう言ってラピがラスィヴィアの頭を()()でし始めた!


 うぅ〜、ラスィヴィア1人だけラピのお怒りから逃れるなんてズルいよぉおおお!? しかも今、『ラスィヴィアさんは』の所で意味ありげにチラッとこっち見て言って来たし! もう、謝れば良いんでしょ、謝れば! そんなにあのこと根に持たなくても良いじゃん、ラピだってちゃんと私の眷属(けんぞく)にしてあげたのに……。


 でも、とりあえず私はラピに謝ることにした!


『ラピ〜、私のことも(ゆる)してよぉ〜? ラピに相談もしないで聖女さんを私の眷属(けんぞく)に加えちゃったことは謝るからさ〜?』

『分かってくれて嬉しいのですよー♪ 次から女の子を雪音ちゃんの眷属(けんぞく)に加える時は必ず私に相談してからにしてくださいねー?』


 私が後ろからラピに抱きつき甘えるような声を出して謝ると効果は抜群だった!


 やった! 私は心の中でガッツポーズを取った! うんうん、家族を増やす時はパートナーと相談してからにしないとやっぱダメだよね!


『相談してからなら女の子でも眷属(けんぞく)に加えて良いんだ?』

『もちろん、その女の子の置かれた立場と状況によりますよー? 基本的には認めませんけどー』


『えっ、あー、( 基本的には認めないんだ……。) うん、分かった、それで良いよ。別に私もポンポン私の眷属(けんぞく)増やしたいわけじゃないからね』

『はい♪ 致し方ない場合だけでお願いしますねー♪』


 ラピに笑顔が戻った! 良かった良かった!


『でもですねー、雪音ちゃん? 聖女様が何者かに(あやつ)られないようにしてあげたかったなら、雪音ちゃんの血で作った魅了(みりょう)封じのネックレスとか腕輪を渡してあげるだけで良かったんじゃないですかー? どうして雪音ちゃんの血をあげて吸血鬼にしちゃったんですー? 吸血鬼にする必要って本当にあったんですかー?』


 終わったと思ったのに話がループしちゃってるよ!? なんでぇええ!?


『ほ、ほら、ラピ達に相談する前は聖女さんは妖刀のことで今後問題が起きてもおかしくなかったじゃない? 今は私達以外が彼女を見たら変装魔法で別人に見えるようになってるけど、でも、あの時はそういう発想なかったから、単に私の保護下に置いて私が面倒を見てあげようと思ったんだよ! 眷属(けんぞく)なら何か問題起きても居場所とかすぐに分かるし!』


 私は慌てて言い訳を試みた! 別に(やま)しい気持ちがあったから慌ててるわけじゃないよ! 面倒を見てあげてたら聖女さんに私が吸血鬼だってバレちゃった時にお礼として血を分けてもらえるかも、なんてことはちょびっとしか考えてないし! もちろんラピと毎日してるベロチューしながらお互いの血を交換みたいな方法で(もら)おうだなんて思ってないから浮気じゃないし!


『…………。まー、いまさら聖女様の眷属(けんぞく)化をなかったことにすることはできないと思いますし、そういうことにしておいてあげるのですよー』


 どうやらラピはこれ以上の追求を止めてくれるらしい! ふー、助かった、助かっ


『でも、雪音ちゃん? 側室を勝手に増やした罰として館に帰ったらお仕置きなのですよー♪ 覚悟してくださいねー♪』


 助かってなかったよ!?


『って、待って!? 側室って何!? 聖女さんは側室なんかじゃないよ!?』

『雪音ちゃん、まさかあの女の方を正妻に!? やっぱり氷漬けに』


『ラ、ラピが正妻だから! 私のお嫁さんだから! 館に帰ったらラピのお仕置き甘んじて受けるから氷漬けは止めてあげてぇええええ!』

『っ!? 私が、正妻? 私が雪音ちゃんのお嫁さん?』


『そ、そうだよ! ラピが私のお嫁さんだよ! 私のお嫁さんはラピただひとりだけだよ!』


 恥ずかしいこと言わせないでよ! ここまで言ったんだから機嫌直してよ!!


『も、もー、雪音ちゃんは仕方ないですねー♪ あの女はただの居候(いそうろう)と思っておけば良いんですねー♪ 分かったのですよー♪ でへへ♪ 私が雪音ちゃんの、おっ♪ よめっ♪ さ、んー♪』


 ラピが上機嫌になって身体をクネクネとくねらせながら歌い始めた!


 はぁ〜。なんか一気に疲れたよ……。

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