第三買 深宮玉姫の高校生活
皆さん皆さんこんにちは!
相田博葵です!久しぶりに本名名乗りました(笑)
今回投稿させていただいたのはさつきストア、やっと第三買です!
ではでは、主人公たちの誕生秘話でも語らせていただきましょう。
玉姫ちゃんは、名前は可愛い感じで漢字の並びもよくて、そんな感じにしました。
この名前が思いついた時は、達成感が半端なかったです(笑)
麓見くんに関しては、苗字+ん、ができるようにしました!あと、名字の最初の一文字を、画数多くて印象重めの漢字にしました。
ろくみんと呼ぶ人はまだ現れてませんが、いずれ誰かに呼ばせてみたいものです(笑)
店長と御月さんは、旧暦からとった感じですね。店長は、〇〇ストアで旧暦を入れるとき、さつきが一番しっくり来たのでそうしました。御月に関しては、同じく〇月にしたかったのですが、男の子の名前で入れるとなるとしっくりくるものがなかったので、弥生⇒三月⇒三月という読みの変換にしました。その時、三月はちょっとな…となったので、漢字を変え、ついでに店長も、キャラのイメージに寄せて彩月としました。
ではでは、今回出てくる新キャラの誕生話はまた今度!
さて、前書きもこの辺にして、さつきストア第三買「深宮玉姫の高校生活」
どうぞご覧ください!
えーっと今は何時だろう…ってまだ七時半だったのか…。
今日の朝はお父さんが面倒だったからいつもより早く家を出たけどまさかこんなに早くなるとは…。
私が通う、里美立高校の朝のSHRのスタートは八時半。つまりそれまでの時間は、何をしていたっていい。もちろん、読書なんかをしてもいいのだが、一時間ともなるといっそ何かできるのではないかとさえ、思えてしまう。
結衣乃も凜もまだ来ないか、こんな時間だし。
そう思っていると、
「あ、玉姫ちゃんおはよう。」
「玉姫おはよう。」
まさかの結衣乃と凜だった。
ちなみに結衣乃は中学から、凜は小学生からの友達。凜に関しては腐れ縁と言ってもいいかもしれない。
「玉姫ちゃん今日早いねー!お父さん大変だったんだ?」
無邪気に笑う結衣乃。ちなみに父の本性は知らない。
「こんな時間ってことは、相当だったんだね。」
凜は一度だけ、会ったことがある。インパクトが強すぎてほとんど忘れているけれど。
「うん、でも二人がいてよかったー。私暇で暇で。」
「今日の朝、結衣乃は感じ取っちゃったんだよ、玉姫ちゃんがやばいってね!」
「「どうせ宿題やってないとかでしょ?」」
「もう!二人とも酷いよー!当たってるけどさー。」
そういうところは、さすが結衣乃である。
「そういえば凜ちゃんは?どうしたのこんな時間に。」
「いや、なんとなく…。」
「わかった!凜ちゃんも終わってないんだね?課題!」
「結衣乃、結衣乃と凜は次元が違う。」
「え、それどっちが上?」
「傷つきたくないなら聞かないほうがいいと思う。」
「なんで凜ちゃんが決めてるのー!」
まあ、私たちはいつもこんな感じ。結衣乃がボケ?的な感じで、私と凜で突っ込む。これはこれで楽しいからいいんだけどねー。たまにボケもしたくなる。
「深宮ー。」
そうそう、ちょうどこんな感じの奴にボケを言いたい…ってあれ?名前呼ばれてるの私?まあこの学年私しか深宮さんいないし…。というかこの声…。
「麓見先輩!?」
「よう、しっかし第三棟って遠いんだな。そこそこ時間かかったわ。」
「玉姫ちゃん知り合い?」
「うん、バイトの先輩。」
「ああ、さつきストア…だったっけ?」
「そうそう。私ちょっと行ってくるね。」
「どうかしたんですか?お友達まで連れてこられて。」
「実は…ちょっとお願いがあってな。」
「はい?なんでしょう。」
「この古典の応用プリントがわからなくて…だな。」
「つまり教えてほしいと?」
「そうだな。」
「わかりました、じゃあ第三棟の自習室行きましょう。友達も呼んできますから。」
「友達?」
「古典学年トップ3なんですよ、仲良し三人で。」
「そりゃすごい。」
「凜ー結衣乃ーシャーペン持って自習室行くよー。」
「「わかったー。」」
「深宮、一応自己紹介するか?」
「そうですね、せっかくですし。」
「じゃあ、俺は麓見 燈矢。よろしく。」
「俺は立花 空。よろしくな!」
「僕は東城 楓。よろしくね、三人とも。」
「じゃあ私も。深宮 玉姫です!よろしくお願いします!」
「私は咲原 結衣乃です!よろしく~。」
「近江寺 凜。よろしく。」
「じゃあ、始めましょうか。」
「えーっと、どこが分かんない感じですか?」
「古典文法…覚えてなくて…。」
「あーそういうこと…。」
そういって、少しプリントを除く。
「凜ちゃん、玉姫ちゃん、これ応用というか、ほとんどパターン型の文法問題だよね?」
「うん、まったく同じこと思った。」
「私も。」
「麓見先輩達って、理系選択ですか?」
「ああ、とはいえ文系も授業とかは多少なりあるからな。課題も普通に出るんだよ。」
まあ、私たちも理系課題出るし、化学基礎とかは普通に習うからなー。そりゃそうか。
「なるほど。ではここから本題に入りますよ?このプリントの問題はほとんど、今から説明する動詞のパターン型を覚えれば楽勝です。」
「「「パターン型?」」」
「では結衣からは、四段活用の説明をさせていただきたいと思います。」
「「「はい…。」」」
「では今回は"行く"を例として説明したいと思います!四段活用、未然の形はa、連用はi、終止、連体はu、已然、命令はeとなります。」
「咲原さん、さっぱり意味が分からない。」
「こら、空、教えてもらってるんだから。」
「あと一分聞けばすぐ意味が分かるよってことで続けるねー!では今話したa、i、u、eに"行く"を入れていきます。すると、行か(ず)、行き(たり・けり)、行く、行く(とき)、行け(ども)、行け…って感じ…。どう?なんか古文っぽくない?で、ついでにちょっと下を見てみよう!」
「「「下って…あ!」」」
そう、結衣乃は古文プリントの第一問が行くなのを見てこの例を出したのだ。
「これで解けるな…一問目。」
「でしょでしょ?」
結衣乃…通常運転すぎるよ…。
「でもこれ、他の部分でどう使うかの判断ができなくないか?」
「ふふふ…そこが今回の肝なんだよ!」
「結衣乃、早く本題に移ってあげて。」
「凜ちゃん怖いよ!えーっと、で見分け方は、ずばりずです!」
「「「ず?」」」
「はい!これどうなんだろう…って悩んだ奴はずをつけます!それで今回みたいに行かずって語幹の次の字がア行になったら四段活用!今教えたのを使うんだよ~!」
「それ以外になったら?」
「それは後々わかる…よね?玉姫ちゃん!」
「そうなります。だから大丈夫ですよ、先輩。」
「話変わるけどさー。深宮さんって燈矢の学年勘違いしてる?」
「いえ、してませんが…ああ、先輩と呼んでいる件については、麓見先輩が私のバイトの先輩だからです。」
「なんだー。てっきり燈矢が留年してるから年齢は上だと思ってるとかだと。」
「え、麓見くん留年してるの?」
「してない。そいつが勝手に言ってるだけだ。」
「まあ、どっちかっていうと空君の方が留年してるっぽいもん。」
「それどういう意味だよー!」
「空の方がバカっぽいってことでしょ?」
「楓、お前もそっち側か…。」
「あの、おしゃべりもその辺にして。理系三人衆。続きをはじめますよ?」
「あ、お願いします。てか、すいません…。」
「いえ、別に怒ってはいないです。まあ、とりあえず始めましょう。」
「「「お願いします。」」」
「では私からは上二段活用について説明させていただきます。」
「神!?まじかなんかかっけー!」
「そっちの神じゃなくて、上下の上のほうの上です。」
「なーんだそっちか。」
むしろ、神様のほうの神だとしたら、いったいどんな神々しい古典文法なのか、逆に気になるところである。
「空、話進まなくなりそうだから、しばらく静かにしててくれ。」
「わかったよー。」
「では続きを説明します。今回は、"落つ"を例として説明します。未然形、連用形はi、終止形はu、連体形はuru、已然形はure、命令形はiyo、となります。それで、先程と同じように、今説明したものに、"落つ"を入れてみると、落ち(ず)、落ち(たり・けり)、落つ、落つる(とき)、落つれ(ども)、落ちよ、という風になります。これはずを付けたとき、過ぎずというように、語幹の次の字がイ行になるときに使われます。大問二は主にこの上二段活用で解けると思いますよ。」
「「「おおー!」」」
「それで、さっきも少し気になってたんだけど、ごかんって何?」
「漢字は言語の語に木の幹の幹です。それで語幹と言うのは、活用においてずっと変わらない文字のことです。大方漢字がそうなりますね。」
「なるほど!だから語幹の次の字ってことか!」
「古典トップ3はさすがだな。」
「まあ正確には全員トップなんですけどね。」
「あ、そうなのか?やっぱ九十点は固いの?トップって。」
「いや、全員満点ですよ。」
「「「え…………まじ?」」」
「「「大まじです。」」」
「俺ら何気にすごい人に教わってんだな。」
「だな。」
「じゃあ最後。大問三の部分の説明しますよ。」
「「「お願いします。」」」
「私からは下二段活用について、"越ゆ"を例にして説明させていただきます。未然形、連用形はe、終止形はu、連体形はuru、已然形はure、命令形はeyoとなります。例に当てはめてみるとよくわかると思いますよ。では私からは少し別の話をさせていただきます。恐らく動詞を見て、〇行〇〇活用か答える問題があると思うのでそれについて。
最初の〇行というのは語幹の次の文字が何行なのかというだけなので、越ゆの場合、ヤ行となります。〇〇活用のは、今教えた四段活用、上二段活用、下二段活用のうちのどれかいれたら完成です。とは言っても、活用形は他にもまだあります。ただ、とりあえずこのプリントなら今の三つだけ覚えておけば何とかなると思います。」
「さすが玉姫ちゃん、私すっかりその説明忘れてたよ~。」
「おお!これでどうにかなりそうだ…。」
「しかし麓見くんたちさあ、すごい急いでたけど山岡先生そんなに怖くなくない?」
※山岡先生とは、私たちの古文の先生である。もうよぼよぼのおじいちゃんでこそあるが、優しくて授業も面白い、いい先生である。
「山岡先生?誰だそれ。」
え…。まさか…。
「棟によって先生違うんですか?」
「確か第一、第二棟は先生が同じで、第三、第四棟はまた別で先生が同じだとか?」
「そうなんだ、知らなかった…。」
「てかさー、どーせ俺ら文系は全員やばいんだし、これからも教えてもらうために連絡先とか交換したほうがよくない?」
「お前さ、特に知りもしないやつらでさらに教えて得もないような奴においそれと連絡先教えるわけないだろ。」
あ、地味にダジャレだ。
「え?うちらは全然問題ないよー!むしろこっちは理系教えてほしいくらいだし!」
「あ、そうなの?てっきりほかの教科も問題ないと思ってたけど。」
「それは玉姫ちゃんくらいで、私と凜ちゃんはそれぞれ理系に不得意科目あるよ~。まあ、数は違うけど。」
「その言い方だと私が天才みたいじゃない。」
(あれ?深宮、この前自分のこと天才…的なこと言ってなかったっけ?)
気のせいかな、先輩に何か言われている気がするのは。
「まあまあ、じゃあ交換しよっ!ライムでいい?」
「うん、じゃあ今からQR出すわ。」
「おっけー。」
そうして、全員が全員と連絡先を交換した。
「今日のお礼に、今度何かおごるよ。」
「え?本当?じゃあありがたく受け取ります!」
「じゃあ、暇なとき連絡するね。」
「よろしく~!」
そうだ、この際先輩にシフトの事、お願いしておこう。
「あ、麓見先輩。」
「なんだ?深宮。」
「私シフトまだもらってなくて、次いつ行けばいいかわからないので、できてたらその時教えてくれませんか?」
「ああ、わかった。」
「じゃあ僕たちそろそろ帰るね。今日は本当にありがとう。」
「うん、じゃあね~!」
そうして緊急勉強会は幕を下ろした。
そしてその日の夜。
「ただいまー。」
「お、玉姫おかえりなさい。」
「あー、うん。」
またいるのかよ、こいつ。
なんか最近家に帰るのがやけに早くないか?
仕事クビになったけどお母さんと私に言い出せなくて公園のベンチで時間をつぶしているけど、それで夜遅くまでいるのはさすがにきついから、仕事が早く終わったとか適当な理由つけて早く家に帰るようにしているのか?
いや、いくらなんでもそれはさすがにないか…。いくらあんなクソみたいな人間性の父親とはいえ、さすがにそこまでの大事件を犯したりはしないだろう。ただ、夕飯まで家で食べているというのは本当に心配だな。(あ、ちなみに心配っていうのはあいつの心配じゃなくて、私とお母さんの生活の心配である。)
普段…というか今までは夕飯はお母さんと私と二人で食べることしかなかったのだが。ここ最近は毎日あいつも食卓を囲んでいる。
あ、まさか…リストラ?いやでも、会社側がリストラをするとき、家庭環境は重視すると前にテレビか何かできたことがある。うちで暮らしているのは三人。家族自体は四人なのだが、訳あって今は三人だ。うち、娘である私は高校生。自分で言うのも少し変かもしれないが、まだまだお金のかかる年である。
そりゃ、幼稚園生やら小学生やらがいる家ならうちよりも非リストラ対象になるとは思うが、若い独身男性なんかは我が家よりリストラ対象になるだろう。
さて、前の段落から三百文字近く、いや、そこまでではないか、我が家の家庭環境からリストラをされるような家なのか否かについて話しては見たけれど、本来のリストラの意味、それは組織の再構築である。今までの私の口ぶり的に、不当解雇、そうかそうかリストラとはそういうものなのかと納得してしまった人たちのためにもう一度言う、本当に正確なリストラの意味は組織の再構築、だ。つまり、組織、会社が低迷した際、人員を削って一度規模を縮小させ、そこから立て直そう、簡単に説明するとそういう感じだ。
まあその正しいほうのリストラの場合、残されるのは優秀な人たちだけで、そうなるときっとあの父親じゃ残るのはまず不可能と見える。
そんなこんなだし、最悪リストラの場合はすべてを受け入れなければいけないと、そういうことか。
というか、今更過ぎて笑えて来るかもしれないが、私は父親の職業を知らない。いや、どうせサラリーマンだろうと、そう信じて疑わないから聞いたことすらなかったけど、まあやっぱりどうせサラリーマンだろうな、これだとサラリーマンを下に見ているというか、バカにしているみたいだが、別にそんなことはない。ただ、普通だと、そう思っているだけだ。そして私は、普通とはすばらしいと思っているので、そんな普通なサラリーマンのことを、下に見るなんてそんなわけがない。むしろ尊敬しているかもしれない。いや、している。
まあ、そうなると父親も普通になってしまうが、そこは受け入れたくないけど受け止めなくてはいけない微妙なところである。
そんな時
「玉姫、今あなたが考えていることは、現実とは違うから、安心しなさい。」
「お母さんエスパー!?」
「いや、玉姫が何を考えているかまではわからないけどねー。」
「そうなんだ…。」
とてもじゃないがこの家の未来のことなんて言えない。
「まあ、何考えていたかまでは聞かないけど、とりあえずご飯食べちゃいなさい。」
「はーい。」
やっぱり叶わないや、お母さんには。
そう思った私であった。
「ん?ラインか?」
携帯のバイブ音がしたので、開いてみると深宮からだった。
あー、シフト表の件か?意外にせっかちだな…。
まあ、違うかもしれないし、一応見るか。
「なんか今回、サブタイトルとすごいずれてましたよね?」
は?どういうことだ?
あ、返信かな?
そう思って携帯を開くと、
「意味が分からん、アホか。」
「お母さん!学年七位に向かってアホかってお前がアホかって感じだよね?」
「あーはいはい。」
「ちょっと真面目に聞いてよー!」
そうして、なんともサブタイトルに似つかわしくない高校生活?は、幕を下ろした。
さつきストア第三買「深宮玉姫の高校生活」
ご覧いただきありがとうございました!
今回は、玉姫ちゃんと燈矢くん、それぞれの高校の友達が出てきましたね。
お勉強会的なシチュエーションが相田は大好きなので、書いていて非常に楽しかったです。
そして、書いていて気になる「最近家に帰るとお父さんが必ずいる件」について、玉姫ちゃんに考えてもらいました。正直グダグダです、すいません。
次回作は悩んでいますねー。
新キャラを出すか出さないか。
でも正直バイトメンバーがあの人数ってね…。まあ、他にもいなくはないですよ、バイトメンバー。
まあ、次回作は次回に分かります!(笑)
ではまた次回作もしくは次話で!
お会いできるのを楽しみにしております!