第3話 呼ばれた理由
次の日王に呼ばれ謁見の間に行った
「うむ、儂の名はレクト・グランツいきなりでわからない事も多いだろう」
チラッとレクトは昨日の老人を見る。
「はい、僭越ながらこの宰相アルガス・ゼーテが説明致しましょう。まず、この世界はフェアト、この国はグランツ王国と言います。何故あなた方が呼ばれたかと言うと三年前この世界は魔王の脅威に晒されていました。そこで我々は勇者召喚の魔法を使いあなた方の世界から勇者を召喚し魔王を討伐してもらいました」
そこで何故か俺を見るアルガス......バレてるなコレ
「そこで魔王の脅威は去った......かに思われました。ですが先月、邪神の使徒を名乗る者がこう宣言したのです『前座は終わった、これから邪神様の世界征服が始まる』と。先代勇者が倒した魔王は邪神軍の幹部でしかなかったのです」
なるほどそれでまた呼ばれたのか。
「僕たちに邪神軍を倒せ、と?出来れば戦いたくない人達は......」
自分の事よりクラスの皆の心配をする光輝、流石イケメンだ。
「いや、強制はしない、がどちらを選んでも十分な生活を保証しよう」
「......最後に、僕達は帰れるんですか?」
「世界を救えば最高神様が願いを一つ叶えてくれるらしい。先代勇者様は魔王討伐後、最高神様に帰還を願い自らの世界に帰って行った」
また俺を見るアルガス......。
「そう、ですか」
「出来れば明日までに決めておいてくれ」
その言葉を最後に俺達はそれぞれの部屋に戻って行った。
その日の夜、俺の部屋に誰かが訪ねて来た。
「ソーマ様少しお時間よろしいでしょうか」
訪ねて来たのは、アルガスのようだ。
「ああ」
「失礼します」
「で、聞きたい事は大体分かるが一応聞いておこう......何の用だ遠慮なく昔の様に接してくれて良いんだぞ」
「はい、ではお言葉に甘えて......何でお前も召喚されてんだよッッ!!」
そっちから来たか。
「いやー、それがさー」
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「そうか、そんな事があったのか......にしても強くなりすぎだろ」
む、気づいてたか
「はっはっは、コレでも一応神だからな?」
「何と、それほどまでに強くなっていたのか」
「今ならアンタに勝てるだろうよ」
コイツは元々王国騎士団団長で昔何度もボコボコにされた記憶がある。
「......今は宰相だから戦いはしない」
そうか、少し残念だ
「そうだ、明日は陛下も来ると言っていたぞ」
「は?え、ちょ、ま――」
アルガスは、俺に何も言わせず部屋を出ていった