急展開すぎてついていけない
「おーい!椎名君こっちこっちー!早くー!」
「わかってるってば!加藤が早すぎるの!」
なんでこんな状況になってしまったのか...
それは1時間前に遡る。
ゴールデンウィーク2日目。俺は部のマネージャーであり同級生で同じクラスの女の子、鈴と部の買い物した後に映画を見た。その後スポーツショップに行こうとしたらこいつ(加藤)に捕まってしまったわけだ...
「そういえばスポーツショップ行くって言ってたけど何か買うの?」
「あぁ、ちょっとバッシュを見ようと思ってさ、そろそろ替え時だし。」
「そうなんだ!好きなメーカーとかあるの?」
「人それぞれだと思うけど俺はナイキだね。」
「どれくらいの種類があるの?」
「多分5種類くらい?大まかに分けると」
「そんなにあるんだ!」
こんな会話をしつつ、バッシュを買い用を終えた俺は帰りたいのだが、こいつはどうするのだろう?
「加藤、俺はもう用済んだから帰るぞ?」
「えー!早くない?」
「だってもうすることないし」
「せっかくこの私とデートしてるのに?」
「デートって」
「じゃあせめて駅まで送って行きなさい!」
「なんで命令口調なんだよ...」
加藤を駅まで送って今度こそ帰ろうと思っていると、親からメールが届いた。
「ねぇ椎名君。今親からメールがあって、今日から2日旅行行くから家事とかよろしく〜って。」
「奇遇だな加藤。俺もだ。」
えーっと、この場合はどうすればいいのだろうか?と迷っていると
「椎名君、悪いんだけど君の家に今日だけでいいから泊まらせてくれない?」
「...?」
今こいつなんて言った?
「だから泊めてくれない?」
「はぁー!?」
「そんなに驚かなくても」
「いや、驚くだろう普通!てかなんで!?」
「だって家にいても1人だし、夜ご飯ないし、1人だと暇だし?」
「いやその理屈はおかしい。」
「いいじゃん!それに椎名君なら襲われなさそうだしね!」
「お前、それをほかの男に言ったら間違いなく襲われるやつだぞ」
「えへへー」
「まぁしょうがないか...その代わりみんなに言いふらすなよ?」
「わかってるよー」
まさかこんな展開になるなんて...
「ねぇ夜ご飯何にするの?」
「冷蔵庫にあるものでなんか作る」
「すごい!料理できるの?」
「まぁ軽くな」
「普段の椎名君からは考えられない」
「お前はどんな目で普段見てるのさ」
「ごめんごめん」
〈次は〜◯◯〜〉
「降りるぞー」
「家この辺なの?」
「そうだけど?」
「私の家のすぐ近くじゃん!」
「まじか!」
「うん!じゃあちょっとここで待ってて!変えの下着とか持ってくる!」
「お前せめてもう少し小さい声で言えよ」
まったく、俺の理性が明日まで持てばいいんだけど...
まぁ何とかなるかなー