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ノーマルな俺とヒロインの彼女  作者: 霞ヶ浦 春
3/4

予期せぬ誘い

俺たちが高校2年生になって早くも1ヶ月が過ぎた。俺は特に目立つようなこともせずに夏樹と普通の高校生活を楽しんでいた...はずだった。

「おーい椎名君なにしてるのかな?」

「なにって宿題だけど?」

「うそっ!今昼休みだよ!?友達と話したりしないの?まさか椎名君真面目ちゃんなの!?」

「うるさいな〜あと真面目ちゃんってなにさ」

「こら秋!せっかく桜ちゃんが話しかけてくれてるのになんだよその反応」

「いや、お前の反応がなんだよ」

なんで夏樹に怒られるんだ?

加藤は誰にでも話しかける。それが目立つことを嫌う俺であっても、クラスのイケメンでもだ。そこが加藤のいいところなのだが...

せめて昼休みの教室というクラスメイトが揃う時間帯に話しかけてくるのはやめて欲しい。クラスメイトからの視線が痛いのだ。

確かに加藤は俺から見ても可愛いと思う。身長は160半ばでスタイル完璧、容姿端麗で頭脳明晰...とまではいかないがそこそこ頭もいい。転校生というのが話題を飛ばせて今では先輩からも声をかけられる程だ。なんでこんなやつが俺なんかと絡むのだろう?

「相変わらず真面目だね〜そんなことだから友達いないんだよ」

「お前結構グサグサくるよな」

「えー?いいじゃん素直な子がいいでしょ?」

「確かに素直な事はいい事だがな...あと友達くらいちゃんといるぞ?」

素直と正直者は別物だと思う。


放課後...

「こらそこ!足止まってるぞ!走れ走れ!」

優咲の指導しばきにも耐えて帰ろうと着替えていると

「秋!明日からのゴールデンウィークは空いてる?」

「どうした鈴、また部の買い物か?」

話しかけてきたのは木下きのした すず

俺と夏樹の同級生であり同じクラス、なおかつバスケ部のマネージャーだ。よく手伝わされるため、休みとかに買い物に付き合わされることがある。

「いや〜、確かに買い物も付き合って欲しいんだけど...」

「なんだよはっきりしないな」

「その、一緒に映画見に行かない!?」

「映画?別にいいけど、どうした急に」

「いや!?特に理由はないんだけどね!?じゃあゴールデンウィークあけといてね!」

そう言い残して帰っていった。

(なんだったんだ?)

「あーきーくーん?」

「どうした夏樹怖い顔して」

「どうしたじゃねーよ!今さらっと鈴とデートの約束したな!?桜ちゃんのみならず鈴まで...」

(?)

まぁ夏樹がうるさいけど鈴の魂胆は恐らく荷物持ちさせるからその償いのつもりだろう...それなら思う存分甘えてやるさ。


「秋ー!」

「時間ぴったりだな鈴」

ゴールデンウィーク2日目。俺と鈴は約束の買い物に出かけた。

「ねぇ秋、どう?」

「どうって?」

「はぁ、まぁ秋に期待なんてしてないけどさー」

(???)

「けどいいや!そういえばお昼はどうする?」

「そうだな...◯ックでもいくか」

「そうだね!」

今日の鈴はなにか雰囲気が違うな。私服だからか?いつもはどちらかというと男勝りなイメージがあるけど今日の鈴はなんかおしとやかなイメージだ。

(あ、なるほどね)

「なんか今日の鈴は雰囲気ちがうな」

「え!?今言うのそれ!」

「だってさっきはなに聞かれたかわからなかったし」

「これだから秋は...顔はそこそこなのにモテないんだよ?」

「うるさいな〜」

こんな会話を交わしながら買い物をすませた後に◯ックに行ってセットを食べた。奢らされたのは言うまでもない...

「あー美味しかった!ありがとね秋!」

「はいはいどういたしまして。お前映画でポップコーン奢りな」

「えー」

「返事は?」

「はーい!」

ちなみに映画は最近有名な『君の膵臓が食べたい。』を見た。感動して不覚ながら泣いてしまった。

「いい映画だったね〜秋は泣いてたしね」

「確かに感動できるいい作品だったな、あとうるさい」

まぁ本当にいい作品だったからよしとしよう。


「今日はありがと!楽しかったよ!」

「こちらこそ。また手伝えることがあったら言えよ」

「デートの部分には触れないのね...」

「なんか言ったか?」

「いや?なんでもない!じゃあまた部活でね!」

そう言って鈴は帰って行った。

思えばあいつと関わるようになって初めての2人だけで休みの日に会ったな。いつもとは違う鈴も見れたしいい日だな。

(まだ15時だしスポーツショップにでも行くかな)

そう思って歩き出したらある人物が目に入った。

(あれは...加藤か?なにしてるんだこんなとこで)

近づくとそれはまぎれもない加藤だった。

加藤の服装は花柄の膝より少し短いフレアスカート、ピンクのシャツにカーディガンという春を強く思わせるもので、思わずドキッとしてしまった。そんな俺に気づいたのか手を振りながら

「椎名君ー!こんなとこで会うなんて偶然だね!何してるの?」

と、笑顔で話しかけてきた。

「いや、ついさっきまでマネージャーと部の買い物して映画見てきたんだよ」

「椎名君そこは、なにも?ただ歩いてただけだよ。って言うんだよ?」

「なんで?」

「女の子はそう言って欲しいものなの!」

(女心はわからん!)

「そういう加藤はなにしてたんだ?こんなとこで」

「私は今から友達と遊ぶの!」

「だいぶん学校にも慣れたみたいだな」

「うん!」

「ならよかったな。それじゃあ俺は行くわ。」

「待って!一緒について行っていいかな?」

「は?いや、お前今さっきこれから友達と遊ぶって言ってなかったか?」

(なに考えてるんだこいつ?)

「そうなんだけど、その友達の中にちょっと苦手な人がいてさ...あまり乗り気じゃないんだよね」

「加藤がそんなこと言うなんて珍しいな」

「そんなことないよー!苦手な人くらいいるよ!」

「だからといって他の友達放っておいていいのかよ」

「大丈夫大丈夫!もう連絡いれたから!早く行こう?付き合うよ」

「まったく、後で怒られても知らないからな」

(まぁいいか)

「その時は巻き込むからね?」

「おい今なんて言った?」

「なんでもー?」

はぁ、仕方ないから連れて行くかな...

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