日常に入り込むやつ
2年生から転校生が来るといういかにもテンプレ展開を終え、始業式を寝て過ごした俺は昼休みにテストの準備に取り掛かっていた。
「秋?なんで机片付けてんだ?早く部活いこうぜ」
「お前はバカなのか?今から何あるか黒板に書いてるじゃん!」
そう、日直が律儀に黒板に昼休み後テストがある旨をかいていたのにこいつときたら...
「お前今日テストがあること忘れてたろ?」
「当たり前じゃん?」
いや、ドヤ顔で言うセリフじゃねぇ。
「ほら、各教科の要点まとめたノート。あと30分で詰め込め」
「サンキュー秋!恩にきるわ!」
そういえば転校してきた女の子。確か加藤だったっけ?あいつは大丈夫なのか?
少し転校生のことが気になって席に目をやると囲まれて質問攻めにあっていた。
恐らく話の中でテストの事を聞いたのだろう。今まで笑顔だったのが凍りついた。
あの顔じゃ多分勉強してなかったな?まぁどうでもいいけどさ。
「どうしたんだ秋?転校生見つめちゃって」
「いや、あいつはテストの事を知ってたのかなって思ってさ」
「なるへそ〜まぁ大丈夫なんじゃね?頭よさそうだしさ」
「そうだな...」
国語、数学、英語のテストが終わった。さすがに2年生。勉強はしてたとはいえ、難しかったな。
「やべぇいきなりやらかしたかも」
「まぁ確かに難しかったけどさ、春休みの宿題をちゃんとしてれば解けたぞ?」
「うるさいやい!」
さて、テストも終わったし部活に行こうと夏樹に伝えて荷物をからった時、転校生に声をかけられた。
「ねぇ!そこの君!」
ん?俺のことかな?
「俺?」
「そう、君だよ!君って何か運動部なの?」
なんでそんな事を聞くのだろう?
「一応バスケ部だけど?あと椎名秋って名前があるから」
「ごめんごめん椎名君全然スポーツしてる人には見えなかったから」
話しかけてきておいてなんて失礼なやつだこいつ!
「はぁ!?いきなりなんだよ!まぁ確かにそう見えないかもしれないけど!」
「いや〜ごめんね?だってスポーツしてそうにないのにバックがスポーツバックだったから気になっちゃって」
「まぁいいけど...おい夏樹!笑ってないで部活いくぞ!」
爆笑してる夏樹を引っ張って部活にいきならが思った。
(絶対仲良くできないタイプだあれ...)
相変わらずきつい優咲のしごきに耐えて約束のジュースを夏樹に奢ってもらい帰り支度をしていたら教室に忘れ物をしていたことに気づいて夏樹を先に帰らせてから取りに行った。すると加藤が教室にいた。
「あっ、椎名君じゃん!本当にスポーツしてたをんだね」
「うるさい。」
「どうしたの?」
「忘れ物を取りに来ただけ。すぐ帰るよ」
「そうなんだ〜しっかり者に見えるのにね」
「からかうなよ。じゃあな」
その後、この事を夏樹に話すとなんてラノベ展開なんだ!って言われた。そういや、あいつラノベ好きだったな...今度読んでみるかな
翌朝、夏樹と通学中に普段はかかるはずのない女の声が...
「おはよっ!椎名君、春野君!」
でたな加藤 桜。
「おはよ!桜ちゃん」
「おはよう加藤」
「なんで名前呼びなんだよ」
「いいだろ別に」
「名前で呼んでいいよ?私気にしないし」
「やかましい」
くだらない話をしながら思う。
あぁ、めんどくさいやつが俺の日常に入ってきたみたいだ...