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桜花爛漫に約束を  作者: 暁桜
少年、入学する
3/3

抗ってみますかねえ

今は春。

入学シーズン。


だが、こんな綺麗な桜を見るのももう最後となるのか。


今年の冬、大規模な戦争が起こる。死神との。

優斗や藍までもがこの学校に来てしまった以上、これから怒る戦争に巻き込まれることは、目に見えている。



「お前らが俺に連いて来ちまった以上、いずれ知ることになるさ」


淡々と答えた。迷いもなく、躊躇いもなく。



「…そっか」



__________静寂。当たりを静寂がつつむ。




桜が舞う。


風が吹く。



__…だが、本当にこんなことを言って良かったのか?


__いざ戦いが始まったとき、俺はこいつらを護れるだろうか。


__いざとなったら自分の生命を優先しないだろうか。



様々な疑問が胸を疼く。




刹那。


その静寂を彼女が破る。


「あーもー!! 何なのよ、二人して黙り込んじゃって!! ほら、行くよ!入学式に送れちゃうじゃない!!」


藍が罵声を上げ、優斗の制服の袖を引っ張っていく。



「それと鵠也!!」


「うぉっ!? な、何だよ…」


「何考えてんのか知らないけど、鵠也と一緒の高校に行くってのは私達自身が決めた事だから!! だから何かあっても私達の責任、いい!?」


細い人差し指を立てて言う藍。



「…っふ、はは…っ」


「な、何よ…。私変なこと言った?」


「別に。何でもない。ま、お前の言うとおりだわ」





鵠也は歩き出す。




通学路を。

破滅への道を。


その先にどんな運命が待っていようと、彼は歩き続ける。




どんなに長くても。

どんなに遠くても。







「んじゃまあ、俺もちょっと抗ってみますかねえ」








桜花爛漫から、花びらが一枚零れ落ちた様に見えた。

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