中間報告書 (2章のあらすじです)
全力で土下座します。更新を停止していて申し訳ありませんでした! 活動報告を更新して、理由やお知らせ等を書いております。宜しければご覧下さい。
----クレア・ドーンドレス 視点----
クレア艦内の自室に置いてある設置型の端末で書きかけの報告書をデーファイルから読み込む。これは決して表には出ることがない、私の所属している巨大複合企業『ノア』の中でも限られた幹部しか閲覧を許されない極秘文書だ。
「えっと、何処まで纏めたっけ」
独り言を喋りながら記憶と実際に書かれている内容を照らし合わせる。そうだ、確か異世界に通じるゲートを開いた所まで書いた筈だ。淹れたばかりのコーヒーを啜りながら続きを入力する事にする。
『異世界暦元年、8月1日、先遣隊《強行偵察班93名》がG-88に進出。ゲート出口側の偵察を開始、約3時間後に未知の生命体と接触・交戦しこれを撃墜。この生命体は後に《鳥類型魔物・ガーゴイルと判明》。
8月2日、先遣隊が衛星情報より確認した知的生命体が居住していると思われる地点の偵察を開始。移動中に《災害級魔物・サンドワーム》に襲われている集団を発見、ワームと交戦・撃破し救助に成功する。
なお、ガーゴイル・サンドワーム両種との交戦情報から先遣隊が使用している銃火器が《魔物》に対して非常に有効な対抗手段と判明する《注、その後の対魔物討伐部隊からの報告で歩兵が使用する小火器では対抗不能な魔物の存在を確認》。
救助した集団は、査察を終え王都へと帰還中の《神聖メルカヴァ王国》所属の第4王女アドリエンヌ姫と護衛の騎士団と自称、偵察隊はこの集団の身なりや装備から真実を語っていると判断し国交の樹立を申し出る。
詳しい会談内容を決めるためメルカヴァ王国所有の砦へと移動するが移動途中に《荒川功樹・特務少将》が王国内の偽装陣地を看破、最重要情報として箱根基地に通達される。
砦内での会談後《会談内容は別途付属情報を参照》、30日後にメルカヴァ王国との正式な会談を行う事が決定される。知らせを受けた箱根基地では政治工作部が準備を整え、26時間後にゲートへと突入しG-88へと進出する。
9月2日、政治工作部がメルカヴァ王国使節団と交渉。即日、国交を樹立するが王国が所属していた5カ国連合《神聖メルカヴァ王国・ラーギレ公国・リクル教国・リンクドブル帝国・キャプス王国からなる軍事同盟》から経済制裁及び軍事的制裁を警告される《この事態を受けノアでは第3級戦備体制が発令される》。
10月4日、《荒川功樹・特務少将》が武装した状態でノア島から単独で北大陸へと向かう。特務少将は約4時間後に北大陸からレベルAの緊急通信を送信、内容はウルスナ帝国との交渉成立・同盟国として受け入れ要請。
ノアは受け入れを快諾し帝国の使節団をノア島へと迎え入れる《注、事前情報では北大陸は不毛の土地と解析されていたが帝国側からの情報公開の結果、広範囲の電子・視覚妨害と判明。詳細は魔法研究班の付属情報を参照》。
翌日13時、キャプス王国を盟主とする《人族連合軍》がメルカヴァ王国に対し宣戦布告。この知らせを受け、帝国との交渉を中止しノア・神聖メルカヴァ王国・ウルスナ帝国の首脳部が軍事同盟を結ぶ事を決断、《多種族同盟》を結成する。
同日15時、多種族同盟軍はメルカヴァ王国を介して人族連合軍に対し宣戦布告、ノアは所属する全人員に対して第1級戦時体制を発令する。
10月8日13時、《荒川功樹・特務少将》率いる同盟軍所属・北方方面軍第1強襲旅団がリンクドブル帝国領内の湾岸都市を強襲攻撃、無血占領に成功する。
同日15時、《荒川美紀・特務上級大将》率いるメルカヴァ王国救援軍が王国の国境線上で連合軍の主力部隊と交戦。一時は敗退寸前まで追い詰められたが、特務少将の要請で出動した《超大型地上襲撃機・オーディン》の援護により戦線を突破する。
同日17時、《荒川修一・総司令官》率いるウルスナ帝国救援軍が早朝から続いていた連合軍の猛攻により一時戦域から撤退。戦力の建て直しを計るが、ウルスナ軍の全滅により組織的な軍事行動が事実上不可能になる。
同19時、ウルスナ帝国救援軍の援護に向かった《ドラゴン族・コン》がG-88にいる全てのドラゴン族に対し助力を要請。要請を受諾した《マーベラス》率いるドラゴン族2千名が援軍としてウルスナ戦線に転移、ドラゴン族の出現に連合軍は反抗を試みるも圧倒的な戦力差により敗退。これによりウルスナ帝国救援軍は戦線の突破に成功する。
10月10日、別々のルートで進撃していた3軍がリンクドブル帝国の帝都である《トリエタ》の手前100キロで合流、トリエタを包囲下に置く。翌日の総攻撃の前に民間人の被害を最小限に抑えるため、特務少将が奇策を進言し採用される《作戦内容の閲覧は情報管理レベルSSが必要》。
翌04時、作戦終了。目標の《トリエタ》を無血占領する。なお、作戦の開始前に諜報部が入手した情報により連合軍が暗号名の実戦投入を───』
カタカタとキーボードを操作していると、腕につけている端末から音声通信の呼び出し音がなっている事に気付いた。画面には美紀さんらの通信と表示されていたので慌てて端末の応答ボタンを押す。
「はい、クレアです」
「私よ。悪いけどグールについて対策を練りたいから功樹を呼んできてもらえるかしら? CICに来るように伝えて」
「分かりました」
通信を切ってから大きく伸びして、冷めたコーヒーを飲み干す。どうやらこの書類の続きを書くのは今夜になりそうだ。私は備え付きの鏡で軽く身だしなみをチェックしてから功樹君の部屋へと向かう事にした。
ぜひこれからも『転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?』を見捨てずに更新を見守っていただけると幸いです。




