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ソルガル!!  作者: ファフニール
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4ソルガルの勝利者はたった一人です

4ソルガルの勝利者はたった一人です




取り返しのつかないことっていうのはやっぱり存在する。

この時、僕がもう少しだけ勘が鋭くて、そのことに気がつけていたら、結末は違っていたのだろうか。もし~だったらっていう想像に意味がないのはわかってる。それでも僕は考えずにはいられない。

いずれにせよこのときの僕は、初めて出来たソルガルの友達との共闘に、ただ夢中になっていただけだった。


「オープンクエスト影鬼の首領を倒せ」

1.クエスト種別打倒イベント

2.制限時間72時間

3.出現する敵シャドーロードシャドーナイトシャドーメイジシャドーアーチャーシャドーソルジャーシャドー

4.報酬25,000ルナ¥1,500,000.

5.出現する敵ハウンド

6.勝利条件シャドーロードの撃破

ただしシャドーロードはシャドーナイトシャドーメイジシャドーアーチャーシャドーソルジャーの四体を撃破した後でなければ出現しない四体撃破時にはそれぞれルナが支給される

敗北条件制限時間が経過してしまうクレセントガールが一機体でも消耗限界を越えてしまう


特筆すべきはやっぱり72時間という膨大な制限時間だ。僕はこの数字をみて、本当は取っておきたかったルナをしぶしぶ使って、知覚スキルの「地図表示」をつけてきた。三日間も戦って万が一時間切れにでもなったら洒落にならない。西東京市っていうのが地図で見るとやたらに広いのだ。足で探せる広さじゃない。

僕はこの時の為に家からくすねてきた東京の地図を広げた。「地図表示」を発動すると地図上に無数の青い点と四つの赤い点が現れた。

「ふぅん、便利なんだな知覚スキル」とはコージの言。僕の後ろから地図を覗き込んでいるが、コージには光の点は見えないようだ。

僕は地図上を指でなぞりながら、赤い点の位置をコージに告げた。

「そいつが役付きだな」

コージは四対のサブボスを「役付き」、おそらく雑魚キャラであろうシャドーを「無印」と呼んだので、僕もそれにならうことにした。

それにしても、「地図表示」なしでコージはどうやってこの長すぎるクエストをクリアするつもりだったんだろう。

僕がその点を指摘すると、コージは駅のロータリーの方を指差した。

そこには赤いスポーツカーが置いてある。

なるほど。中学生の僕にその発想はなかった。

「コージの車なの?」と僕は尋ねた。車のことはぜんぜんわからないけど、ずいぶん高そうだ。でも「いや」と金髪の美少女は首を振る。

「同期して、近所のレンタカー屋からかっぱらってきた」

「か、かっぱら!?」

「ちゃんと金は置いてきたよ。一日のレンタル分は」

そう言って美少女は悪戯っぽい笑みを浮かべた。可哀相に。この車が無事に店舗に戻ることはないだろうに。

「乗れよ」とコージが言うので、二人してロータリーの方へ歩き出す。すると空気がざわりと震えた感じがして、僕らと車の間に立ちふさがるようにして、地面から黒い影が次々と立ち上がる。

それは20体ほどの、1メートルくらいの大きさの鬼だった。なるほど影鬼ということばはぴったりだ。

全身まっくろな人型の影は、角の生えた頭部以外は結構あいまいな輪郭をしている。目や鼻はなく、目のありそうなあたりがボウと光っている。

ただ口は大きく裂けていて中には牙が生えている。手には鋭そうな爪が並んでいて、好戦的な感じだ。

「くるぞ!」とコージが告げる。言われるまでもない。

僕はスキルスロットから「地図表示」をはずし、戦闘用のスキルに切り替える。

「液化」を使って地面を掬い弾丸の元を作るとそれを思い切り投げつける。鬼たちは悲鳴も上げずにその場で霧散した。

「やるじゃないか」と金髪の美少女が嬉々とした声を上げる。「変化形か」

まぁね、と僕は答えて次の弾丸を掬う。正直言うと女の子に褒められたのが照れくさかった。まぁ中身は男だけど。

「よし、俺もいくか」そう言ったコージは手の平を空中で広げた。そしてまるで空気を掴む様にその手を握って言った。「取り寄せ」

コージがそう唱えると、その手に一振りの日本刀が握られていた。

移動系統のスキル「取り寄せ」だ。僕はルナの関係でその習得を諦めていた。

「日本刀はどうしたの?」

「模造刀だ。通販で買った」

便利な世の中だ。

コージはすばやく走り出すと車の周りに群がる鬼に向かって剣を振るう。

「袈裟切り」コージがそう唱えると、まるで剣の達人の様な動きで日本刀が滑空する。三体の子鬼達の身体が断ち切られて霧散した。

ソバットを使っているときに僕も気付いたのだが、攻撃系統のスキルはただモーションを補正してくれるだけではない。例えばソバットで何かを蹴ったとき、脚には普通掛かってくるだろうとんでもない反作用はほとんどない。せいぜい何か脚にあたったなくらいのものだ。

攻撃系統のスキルはソバットなら脚を、袈裟切りなら刀を保護し、強化してもいるのだろう。そうじゃなければ脚や日本刀がぼろぼろになって、結局スキルが使えなくなってしまうから。

「こんなもんだな」僕とコージとであらかた子鬼を片付けると僕らは車に乗って走り出した。僕もスキルの全部を見せたわけじゃないけど、コージもぜんぜん本気を出してはいない気がした。

美少女が運転する車の助手席というのも悪くない。初夏の風がほほに当たって心地よかった。


僕はふたたび「地図表示」を発動して地図を広げた。コージはさっきの説明で大体場所は覚えたとは言っていたが念の為。「車なれてるの?」と僕がきくと「昔よく乗ったからな」と答えた。

僕はてっきり、僕と同じくらいの年齢の参加者が多いのかとばかり思っていたが、コージは大分大人の様だ。年齢を聞くのははばかれたが、自分の年を告げてから聞いてみたら「レディに年を聞くもんじゃない」って切り替えされた。中身男じゃん。

むきになって聞いてみたが「少なくとも孝一よりは年上だ」といってはぐらかす。それはなんとなくわかるよ。運転はなめらかで自然で、昨日今日始めた様にはとても思えなかったから、本当に慣れてるんだと思う。

道にはうじゃうじゃ子鬼がいたけど無視して走り抜けた。さすがに車に追いつくのは無理みたい。程なくして、役付きのいる初めの場所にたどり着いた。

そこは大学か何かの様で、ずいぶん立派な建物だった。

「ふぅん」とコージは言って車を降りる。僕もあわててシートベルトを外した。

正門前には、やはりうじゃうじゃと子鬼がいる。ペースを考えれば、今日中に「役付き」を二体倒せれば後が楽だろうというのが、コージと僕の共通の見解だった。時刻はいつの間にか10時をすこし過ぎている。あまりのんびりはしてられない。

「とりあえずバラバラに捜そう。見つけたら大きな音を立てるとかして自分の場所を教える。それでどうだ?」

「いいよ」と僕が言うと、コージはもう走り出していた。僕はアスファルトの地面を掬い上げると、いつでも投げつけられるように構えながら走った。


複合スキルについて、僕は散々に研究した。

スキル一覧の中にある複合スキルは、二つ以上のスキルスロットがあればいつでも登録できる。

例えば「火炎弾」と「ソバット」を登録すると、足に炎を纏った回し蹴りが出来る。僕はこれをファイアーシュート(まんまだ)という名前で登録したが、他のプレイヤーはまた違った名前で登録している事だろう。

登録した複合スキルは、対象の二つのスキルを装備していればいつでも発動できる。僕は習得した数少ないスキル、現時点では6系統の初期スキルと、地図表示、液化、倍加、遠隔五歩。特に倍加スキルは装備しているスキルの威力を自動的に倍加してくれるオート複合スキルみたいなところがあるので重宝する。遠隔五歩は自動で遠隔十歩となる、と言った具合に。もっとも遠隔スキルはスキルの効果範囲を歩数分広げてくれるというだけだから、もう一つスキルスロットに空きがないと、遠隔十歩は発動しても意味がないけど。

正直獲得したほとんどのルナは倍加に費やした。下位スキルの割りに4,000という消費ルナはめちゃくちゃ痛い。でも今のうちに覚えておけば、今後の応用も利きそうだと思う。

長い廊下をやや慎重に歩いていると、物陰から続々と子鬼が湧き出してきた。

校内の地図をどこかで手に入れられれば、「地図表示」が使えるんだけど。ということでまずは職員室を目指しているんだけど、大学ってそういうのあるのかな、といまさらになって分からなくなってきた。

僕はとりあえず校舎のセメント壁を掬って弾丸を作ると、最近のお気に入りの連携技を発動する。

「ミサイル!」

セメントの弾丸を投げながらの「火炎弾」発動。

複合スキルでもなんでもないけど、固形化したセメント弾が火炎弾の後押しを受けて猛スピードで対象に直撃する。狭い廊下に湧き出した子鬼は、まとめて炎につつまれた。


大きな音がして僕はコージが呼んでいることを知る。慌てて窓の外から音の出所を探すと、体育館の屋根に風穴が開いているのが見て取れた。無茶しすぎだ!

僕はソフィのスペックにあかせてもうスピードで走る。現実世界ではこの瞬間に体育館の屋根に穴があいたことになるのだろうか。それともクエスト終了時に突然穴があくのか。僕たちにはまったく確かめようがないけど。

渡り廊下を走りに渡って走ると、ようやく体育館が見えてきた。入り口を乱暴に開けると、そこには巨大な黒鬼に対峙する金髪の美少女の姿があった。

「おそいぞ、コーイチ!」

「ごめん!」

黒鬼は、おそらくシャドーソルジャーだと思われる。3メートルはありそうな馬鹿でかい体格で、全身真っ黒だけど鎧みたいな外装に包まれている。もっとも鎧と身体の境界は酷くあいまいだから、脱ぎ着できそうには見えないけど。

一本角で一つ目というこれぞ鬼だという風貌で、目は子鬼と違って血走ったリアルな眼球。気持ち悪い。やはり耳まで避けた口からは凶悪な牙が覗いている。

手には巨大な真っ黒な斧を持っていて、あれを食らえばさすがのクレセントガールもひとたまりもなさそうだ。

「『飛燕』!」

コージがそう叫んで刀を振ると、20メートルほど離れた場所にいるはずのソルジャー肩口がぱっくりと開いた。血は出ないが、痛みはあるようで、ソルジャーが忌々しげに吼える。

こえぇ。

「今のは?『袈裟切り』と『遠隔5歩?』」

「いや?『遠隔十歩』だ」

そう言ってコージは美しい口の端をあげる。こいつ、攻撃特化かと思ったら移動系にルナ使ってるな。

巨人は乱暴に斧を振り回すが、リーチが長いコージには攻撃が当たらない。どうでもいいけどさっきから体育館の床がぼこぼこだ。先生たちは不思議に思うだろう。

「コーイチ、さぼってんな!」

分かったよ。

正直コージだけでもなんとかなりそうだが、鎧の部分が硬いのか、「飛燕」では決定打がでないようだ。とは言え周りを見回しても弾丸になりそうなものはない。

僕はここらで切り札の一つを出す事にする。

スキルを変更。装備するのは「火炎弾」と「液化」。

「『ファイアーロープ』!」

僕が登録した複合スキルは摂氏八百度の高熱を誇る火炎弾の液状化。

僕の手の平からだらりと垂れる炎の縄は、高温度を保ったままその形状を保つ。僕はそれを振り回すと、黒鬼に纏わりつかせた。

丁度濡れタオルを肩口に打ちつけたみたいに、炎の縄が黒鬼の肩から腹くらいまでをじゅうと焼く。

「コージ離れて!」

「とんでもないこと考えるなお前!」

コージが慌ててその場を離れると、僕は赤い縄から手を離す。

ただそれだけで、炎の縄は本来の、火炎弾の性質を取り戻す。

「シュート!」

黒鬼をゆるく縛る炎の縄が、突如発火して急激に燃焼する。

爆発が起こり、黒鬼が炎につつまれて怨嗟の声を上げる。

腹に響くような低いうなり声。

こえぇ。

僕は追撃の手を緩めない、というか怖くて緩められない。

「『火炎弾』『倍加』!」

多分数千度の高温になっている炎の塊が爆発の余韻の残る黒鬼を強襲する!

またもや響く鬼の咆哮。

煙でよく見えないが、その硬そうな鎧はほとんどが剥げ落ちているようにみえる。

「コージ!」

「まかせとけ!」

コージは大きく刀を振りかぶると、僕に向かってにやりと笑った。

「飛燕!」

コージの渾身の一撃が、ソルジャーの胴体を穿った。


「結構疲れたな」

「まぁね」

僕らはぐったりとして体育館の床に腰を下ろしている。

多分コージも僕も、短いスカート丈からパンツが見えてると思うけど、気にしている余裕はない。クレセントガールは同期中疲れるということはない。スキルの使用回数も上限はない。それでも、平和な日本に生まれ育った僕たちにとって、戦闘というのは精神的な疲労が大きいのだろう。

それでもいち早く回復したらしいコージが立ち上がり、僕に手を伸ばす。

「ほら、行こうぜ」

「うん」といって僕はその手を握り返した。上から見下ろされた形だから、金髪美少女の大きな胸の谷間丸見えだ。僕はふっくらした手の平の感触を確かめながら、これで本当に女だったら文句ないのに、とそう思った。

実際、コージは相棒として相性がいいと思う。

どっちかと言うとぐずっぽい僕をぐいぐい引っ張って行ってくれるし、戦闘の際も、近接戦闘を引き受けてくれるから楽だ。僕のスキルとか戦い方って、やっぱり直接の戦いにはむかないから。

もっとも、さっきの戦いでコージの現時点での限界も見て取れた。コージは飛燕がなかなか通用しないのに、それ以上の技を出さなかった。僕も当然知っている下位スキルの組み合わせからして、彼にはまだあれ以上の攻撃手段がないのだ。

たぶん現時点で中位スキルを取得しているプレイヤーは僕を含めていないはずだ。僕の勘では、このオープンクエストをクリアしたあたりから解禁になると思う。そして多分中位スキルの消費ルナは下位とは比べ物にならないのだろう。そうでなければ報酬の25,000ルナはいくらなんでも多すぎる。

ちなみにソルジャーを倒した僕らにはそれぞれ2,000ルナの報酬があった。あと三体たおせば8,000ルナにもなる。その数字は今までのクエストで稼いだ全部のルナと同じくらいだ。

コージがどうしたかは知らないけど、僕はとりあえず消費せずにとっておくことにした。今後の展開によっては、使わなくてはならなくなるかもしれないけど。

僕はもう一つ隠し玉があるけど、これだって決定的に威力が高いわけではない。残りの三対の「役付き」とボスキャラが、ソルジャーとそんなに大差ない性能だったらいいんだけど。


結論から言うと、少なくともこの日倒したもう一体の「役付き」、おそらくシャドーメイジはソルジャーよりもあっけなかった。

農業試験場みたいなところで待ち構えていたメイジは、地面から影の槍を伸ばすという遠隔攻撃が出来たけど、ソルジャーの様な装甲がなかったのでコージの「飛燕」や僕の「ミサイル」で楽勝だったのだ。

これはでも相性というものかもしれない。ガチの近接戦闘パーティーだったら、案外に苦戦するかも。

その時点で時刻は夜の9時を回っていた。これは予想されたことだが、暗くなるとシャドーたちはぜんぜん見えない。明らかに戦闘は不利だ。

ここは無理をしない方がいいというのが僕とコージの共通の判断だった。「地図表示」と自動車という強力な索敵手段を持つ僕らは、普通よりも攻略スピードでアドヴァンテージがあるはずだ。もしどちらもなければ、こまめに歩き回りながら「索敵」スキルで敵を探し回らなくてはいけないはずで、それはかなりの難作業となるだろう。

僕らは比較的安全そうな(根拠はまったくない)ホテルに車をつけ、誰かが使ってるかもしれない部屋に入って寛ぐ事にした。

現実世界ではどうなってるんだろう。突然扉があいたりして幽霊みたいに思うのかな。それはやっぱりナンセンスだから、やはりクエスト終了時に一気に世界に反映されるのかもしれない。どちらにしても、確認する手段はないけど。

『マスターはコージ様をとても信用するようになっていますね』

僕は何かあった時のためにコージと同じ部屋で泊まる事にしたけど、夜はスキルの確認やなにやらで結局別々に行動した。部屋にパソコンがなかったからだ。僕は一階のロビーで。コージは職員の部屋に忍び込むと言った。勿論同期中だから立体映像のウィンドゥで見れないことはないんだけど、慣れてるせいか画面上の操作の方が楽なんだ。

スキルを見直したけど、やはりこれ以上は今時点で習得する必要はないと思う。遠隔十歩はぎりぎり習得できるけど、この先を考えるとルナは少しでも温存したい。

そんな時、ソフィは僕にそう話しかけてきた。

「そう?うん、そうかもしれないね」

僕はパソコンから一端目を離して、目をこすりながら言った。

今日始めてあった人間にしては、相性がいいのか信用できると思う。まぁ、そもそもクエストはどちらが欠けてもクリアできないんだけどね。

『いずれ』とソフィはやや沈痛な口調で僕に話しかける。『いずれ、友と信じた人とも戦わなくてはならなくなります。ソルガルの勝利者はたった一人です』

「うん・・・・・・」

僕はそう言って再びキーボードに向かい合う。

僕は姉ちゃんを助けたい。これは誰にも譲れない願いだ。でも僕以外の参加者に同じように大切な人の為の願いがないなんて言えるだろうか。

僕はほんの少しだけ悲しい気持ちになって、パソコンから離れて部屋へと向かった。


そのときの衝撃を僕は忘れることは出来ないだろう。確かに気持ちは分からないではない。一日中戦い続けた上に、コージは車の運転までしてくれたのだ。

クレセントガールのタフネスが無限だろうと、うっかり眠くなってしまう気持ちだってわかる。

そして、シャワーを浴びたあと、バスローブを巻いただけのあられもない姿になったこともまぁいいだろう。僕らは中身は男だ。その辺にとんちゃくがないのは仕方がない。

でもね。

ドアを開けて電気をつけたとき、色白で天使みたいにきれいな金髪の美少女が、おっぱい丸出しで寝てるってことはないだろ!

僕は耳までまっかになったのが自分でも分かるほど動転し、しばらくあわあわ言っていたが、慌てて布団をコージに掛けて、視界から追い出した。

心臓が破裂するかと思った。

僕がばくばく言う心臓を懸命に鎮めていると、頭の中でソフィの声がした。

『マスターって、おっぱいだったら何だっていいんですね』

僕にどうしろっていうんだ。

何故か突然不機嫌になったソフィをなだめるのに、僕は結局一晩を要したのだった。



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