春の前触れ
SEAを知ってるか?
知らない?
あぁ…これは知っていた方がいいだろう
「またSEAが動いたぞ」
「すごいよなぁ。そんな奴がうちの学校にいるだけで興奮しちまう」
「ホント何者なの?」
「あいつらさぁ…」
県立翔栄高等学校の奴らなら誰でも知っている
奴らの行動でこの学校は180度変わった
皆、噂をしている
「SEAを敵に回すな」
***
「ほぉ…、そんなことがありましたか。」
湯飲みから湯気がゆらゆらと舞い上がる
山積みにされた書類に目を通す
「あんなことがあっては、うちの学校の恥です。厳しく罰を与えるべきです。」
落ち着かないのか、貧乏揺すりが激しい
せっかくの茶が不味くなるではないか
「教頭として私が…」
「わかりました。そのことは、あの子たちと話し合いましょう」
教頭に背を向けて、窓からの景色を見る
もうすぐ桜が満開になるだろう
“失礼しました”という声と“バタンッ”という扉が閉まる音が聞こえた
「荒々しいですなぁ…」
手に取った書類を見る
生徒会執行部 メンバー
会長: 天将 蓮
副会長: 獄成 龍雅
副会長: 夏希 瑞穂
書記 : 月城 弥生
書記 : 日向 雷人
経理 : 冬咲 めぐみ
「おっと!たしか、これは今日中に会長に提出でしたね」
提出しないと、めんどうですからね
書類の一番下にサインをする
校長:葉堂 陽介
「今年も何をやらかすか楽しみですよ」
夕焼けは綺麗に校長室を照らした