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『生存の配分 第一章 第二章── 上田合戦:徳川・真田、闇の合意』  作者: あっちゅ寝太郎
第二章

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「なぜ史上最大の激戦・関ヶ原の裏で、上田合戦の死傷者は極端に少なかったのか? 真田の存続と、徳川秀忠の『遅参』。そこには家康と本多正信が描いた、武の時代を終わらせるための冷徹な国家設計図があった。」

2. あらすじ 慶長五年、伏見。地震で崩落した城を前に、徳川家康と本多正信は「豊臣の解体」を誓い合う。彼らの戦略は、朝鮮出兵で他家の暴力を「放電」させ、徳川の精鋭を無傷で「温存」することだった。家康は石田三成を「不純物を集める掃除機」として利用し、関ヶ原へと誘い出す。一方、跡継ぎの秀忠には、真田昌幸との密約による「偽装戦」と「意図的な遅参」を命じる。戦後、泥まみれの諸将の前に現れたのは、一兵も欠けぬ白銀の具足を纏った秀忠の三万八千。家康は敢えて秀忠を烈火のごとく叱責し、「情」ではなく「法」で身内すら裁く新時代の到来を演出する。すべては、真田の家門存続と徳川二百六十年の安泰を等価交換した「生存の配分」であった。武士が牙を抜かれ、官僚へと変貌していく「退屈な平和」の産声を、冷徹な知性で描き出す歴史スリラー。

第二章:「放電」の朝鮮:おバカたちの狂宴

1. 「放電」の朝鮮:おバカたちの狂宴

慶長二年。伏見城。

「……再び海を渡れ。明国を、わしの庭にせよ」

もはや正気と狂気の境目が消えた豊臣秀吉(猿)の命により、再び朝鮮の地へ「暴力のエネルギー」が注ぎ込まれた。

徳川家康は、誰よりも早く膝をつき、恭しく「御意」と応じた。だが、動かしたのは形ばかりの元御小姓組のみ。徳川の主力を一兵たりとも異国の泥に沈めるつもりはなかった。

一方、現場では小西行長や脇坂安治といった「功名心の亡者」たちが、泥沼の戦いを繰り広げていた。特に脇坂は、海戦のいろはも知らぬまま、李舜臣率いる亀甲船きっこうせんに無謀な突撃を繰り返し、貴重な兵を海の藻屑に変えていた。

本多正信(弥八郎)は、大坂の陣屋でそれらの報告書をめくっていた。指が、ある一枚の上で止まった。損害の数字が、想定より一桁多い。

(……脇坂め。ここまでの阿呆とは、正直読み違えたわ)

正信は舌打ちを飲み込み、暗がりでほくそ笑んだ。読み違いすらも、都合よく飲み込んでしまえるだけの余白が、この男にはあった。

「亀の背に石を投げて勝てると思っているのか。あれこそが風見鶏の限界よ。……三成。お主がこれら『おバカ』どもの失態を、『大勝利』と書き換えて太閤に届けるたび、豊臣の命脈は一寸ずつ削られているのだぞ」

正信にとって、戦死者の数は「掃除」の進捗度を示す数字に過ぎなかった。

2. 「充電」の江戸:設計者の静かなる執務

一方、江戸城。

若干十九歳の秀忠は、家康の乳母・大姥局おおばのつぼねの厳しい視線の先で、全土の検地帳と格闘していた。

「若君、これからの天下は槍ではなく、この紙の上の数字で決まるのです」

大姥局が差し出したのは、正信が秘かに送ってきた「焼け焦げた胡桃」の湯。秀忠はそれを一口啜り、眉根を寄せる。

「……苦いな」

それだけ言うと、しばらく黙って湯呑みを見つめていた。大姥局も何も言わず、次の言葉を待っていた。

「――だが、脇坂たちが海に流している血の臭いよりは、数倍マシだ」

秀忠の手元には、正信からの密書があった。

『竹千代様。あっち(朝鮮)で馬鹿どもが踊っている間に、お主は「法」という名の檻を作れ。誰もが欠伸をするような退屈な世の設計図だ』

秀忠は、正信から届く戦地の「失敗データ」を分析し、それを逆手にとって、二度と武士が暴れられないような「官僚組織の雛形」を書き進めていた。検地帳の数字を睨む秀忠の目には、若さに似合わぬ、乾いた光があった。

3. 秋の便り:重石の軋み

朝鮮の泥沼が続く中、伏見からは重病の報だけが届いていた。

大坂の陣屋で、正信はある夜、届いたばかりの文を何度も読み返していた。太閤の容体を知らせる、簡潔な数行。いつもなら一読して火にくべる文を、その夜だけは、しばらく手元に置いたままだった。

「……秋か」

誰に言うでもなく、正信はそう呟いた。萩の花が咲く頃には、と誰かが言っていたのを思い出しながら。

蝉の声はまだ止まず、朝鮮の海では脇坂たちが、意味も分からぬまま血を流し続けていた。重石が外れるその日まで、あと僅か。正信はそれだけを胸に、文を火にくべた。

「AI(Gemini)と協力して練り上げた歴史大戦です。年表の整合性と人間ドラマの融合を目指しました。」 ぜひご覧ください。

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