幕間 〜異世界の貴方達に贈る〜
箸休めモード+実験モードです。
他作品を参考にして口語体を意識しました。
ヤッホー! こんにちは、だよ。みんな。
私だよワタシ、そうジエルさんだよ!
今日はヨセフ王に頼まれて、ココ、ゲンシュデュー・アゲート国に来ています。忙しいってのに、何で呼ばれたんだか。
「おい、お前何してる。話を聞いているのか?」
「ああ、ちゃんと聞いているよ、私に、異世界から来る、子供達のお守りをしろって言うんだろ。その話は何度も聞いたよ」
「そこをなんとかしてくれぬか? 儂はお主を推薦したいのだが」
うーむ。ヨセフには恩があるから断りずらいな。……それに儂にお主ねぇ。
これが冗談ならば雑に蹴ってるのだが、生憎こいつが儂なんて偉ぶるのは真面目な時だ。
王の状態を羽織っているヨセフを無碍にするのはあんまり気が進まない。
「分かったよ。でも、一回考えさせて。私は今のあそこを知らないからね」
…………いやー、面白いなー。まさか、体内の、細胞達を擬人化させるとは。驚いたぜ。
現在、私ことジエルは『自室』に引きこもり、『化学世界』について調べている。
方法は簡単。干渉すればいいだけだ。
私達の世界には自然の化身みたいな奴や星そのものみたいな奴も居るけど、そんな生物がいない中でこんな物を作るのは普通に凄いな。
まあ、他にも調べてみるか。
……すごいなー、まさか私達の世界似た作品が、こんな沢山あるとは、皆んなここに来ているのかなぁ?…こんなにも、理解し合えているなら、きっと大丈夫だネ!!
……ってのは冗談で、実際どうしよう。実は昔から異世界人はこっちに来てるのは知ってるけど、その度に、物品価値を崩壊させたりして来たからなー。今はそんな事出来ないだろうけど、あまりにも価値観が違いすぎる。
私たちは昔からあらゆる脅威と戦って来た。空飛ぶトカゲ、忘れた頃に訪れる、異界の門の崩壊。大型魔術を使用した、『数より質』の種族間の戦争。
ましてや、九十年前には、トンデモ魔王が、沢山の国家を荒らしたし。
そのせいで、文明が崩壊しかけても、何度も、立て直す事が出来た。それは、きっと国同士が一体となるという考えが薄いからだろうね。協力関係であっても、社会性まで一体になろうとはしないから。
……でも、向こうの世界はどうだろう。文明は、人間が実質統一し、ただ国同士で社会的に争ってるみたい。
もう一度大戦が、始まってしまえば、彼らの文明は、きっと形を残さないだろう。
そんな、人たちにこの世界を、共生関係にしても良いのか。
(はぁ、難しい質問だ。今日は一晩中考えることになりそう)
「それで、答えを聞いても良いかな?」
そんなの、聞かなくても知ってるくせに、ヨセフ。
「私は良いよ、でもお前、それで良いの?」
……本当にヨセフは私にするべきだと、思ってるのだろうか、私は少しこの世界でも異質な方だ。
そんな私に、この世界の命運の一つを託そうとするのか。
「もちろん良いよ。お前は手を貸さないって言うけど、助けてくれるじゃないか。……君は君が思ってるより優しいんだよ。私達が出会った時だってそうだったじゃないか」
ーーーー嫌な言い方をしてくる王様だ。断り辛いじゃないか。
「良いよ、分かった。私は貴方の願いを聞き届けよう。……早速授業の準備でもしてくるよ」
ヨセフが、微笑んでるのが分かる。私なりに彼らがこの世界の魅力を知れるようにやってみよう。
ーーーーそう。これはジエルが、異世界の子達と本当の意味で分かり合うまでのお話。
なんか、本編より、良く書けたような?
次回、魔術世界の歴史の話!