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 余章 いつかの未来、合わせ鏡



 “(リソウ)(ゲンソウ)のままであるべきだった”




「お前は異常だ。こちらの世界でも、あちらの世界でもここまで歪んだ人間はそういない。そう、お前は狂ってるんだよ」

 

 教師と魔術師。


 指導者と探究者という正反対の性質を同時に持った男がハッキリと口にする。

 それは教師という職の人間から出るとは思えない程に残酷な宣告。

 

 宣告を受けた少年にとってその言葉は是が非でも否定したかったものだが、限りなく的確だ。

 

 真っ赤に燃える茜に照らされた屋上。

 互いの髪が紅色に染まる時刻に一人の人間の矛盾が明かされる。


「……そう、ですね。僕の夢は偽りだらけのモノでした。本当の夢、許されざる理想の名は『人の◼️◼️を◼️える◼️◼️』なのですから」

 

 悲しそうに少年は笑顔を造る。

 子供を連想させる純粋な、されど模造品のような悲しい笑顔。

 自分の終わり(果て)を他者に悟られ、気付かされる。こんなにも悲しいことはないだろう。


ーーーー抱いた理想が間違いだったのだろうか?


ーーーー空っぽと呼ばれる程度の理想だったのだろうか?

 

 何度も、何度も、自身の(のう)に問いかけた。

 けれども正解なんて見出せない。


 ()()使()()などという幼き夢は所詮、カタチを保てぬ幻。そして、捨てるべき蜃気楼。


 そんなことはとっくの昔から気づいてたんだ。

 


 忘れたフリをした。


 

 見てみぬフリをした。


 

 そうするのが正しいと盲信した。

 目を逸らし続ければ長い夢を見れたから。

 

 

 そして、夢から覚めたのだ。

 今、自らの偽りと向き合う日が訪れる。

 

 しかし現実に直面してなお、心には未だに信じようとしている部分があった。



ーーーー僕は理想(ゆめ)を捨てたくない。


 それは少年の心からのコトバ。

 

 

 この人生がどれほどのの狂気を含んでいたとしても、恐れる程に純粋な愚物の戯言(たわごと)だったとしても、我が心の内に“在る”のだから。


 

 

 僕は最後までその幻想を信じていたかったのだ。




初作品です酷い文章ですが読んでいただけると嬉しいです。

頑張って書いていきます。


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