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第七話 可哀想な親戚

第七話です!ラッキーセブンですね(๑•̀ㅂ•́)و✧

な、なんと…総合Pv数が200を超えました…スゴスギイ…

本当にありがとうございます!!これからも頑張ります!

古田がこっちに歩いてきた。

敵意剥き出しにした水萌ちゃんが、


「ちょ、うちらになんか用?なんか手ぇ出す気ならこっちも容赦しないけど?」


古田はばつが悪そうに黙り込んでいる。何がしたいんだろう…


「その…しずくと話をー…」


「あ!みんな!一緒に食べない?」


「…お姉ちゃん!」


助かった…。お姉ちゃんと夏南さん、諒さんと龍義さんの御一行だ。


「ひょーちゃん!聞いてよ、こいつが例のやつ!」


「えっ…ちょ、里宮、それ本人の前で言わない方が…」


「コイツ?…じゃ場所移動しよう」


そう言って諒さんは別の離れたテーブルに座った。

夏南さんと龍義さんは古田を睨み付けてからそっちへ

移動した。


「…ねえ古田くん、君しずくにちゃんと謝ったの?」


「…」


「お姉ちゃん、いいって…」


「いけーっひょーちゃん、ボコせーっ」 


「み、水萌ちゃん…」


そらくんは心配そうにお姉ちゃんを見ている。

光くんも不安そうだ。それもそうだろう。しずくも不安だ。


「…聞いてんの?」


「ねぇってば!」


「うっせぇ!」


そう叫んで古田は逃げて行った。


「…ごめん、みんな。お昼食べよっか」


そう言ってお姉ちゃんは諒さんたちのいる方へ移動すると、こっちに向かって手招きした。

しずく達もそっちに移動して、お昼を食べることにした。

古田はしずくに何を言おうとしたんだろう…

しずく達が座るなり夏南さんが、


「あいつ知ってるよ、この学校で結構有名な問題児でしょ。色々やらかしてるらしいじゃん」


「あー…そうなんだ。しずく、初っ端から変な奴に目ぇ付けられたね…」


「ほんとだよ…どうにかしてよお姉ちゃん…」


「えー…でも私もめんどいし…これ以上はやだ」


「な、なんだと…それでも姉かっ」


「仲良いな二人共。どっかの姉弟とは大違いだなw」


龍義さんがそう言って夏南さんとそらくんを交互に見た。…あー…そうなんだ…


「私はこんなやつの姉になんてなりたくなかったね」


「はぁ!?俺だってこいつの弟とか最悪だし!」


「黙れクソガキ、脳みそ引き千切るぞ」


「うるせぇクソ姉!やれるもんならやってみろよー」


あぁ…姉弟ゲンカが勃発してしまった…めっちゃ仲悪いじゃん…水萌ちゃんはそれ見て爆笑してるし…


「ちょ、夏南落ち着けって。」


「落ち着けるかぁ!!」


諒さんが苦笑しながらなだめてくれてるんだが…

こりゃ収集つきそうにないな…


「おいそら…人前でそんな暴れんなって」


「うるさい光のバーカバーカ」


「何で俺まで飛び火するんだよ…」


「ちょ、夏南ぁ…人に見られてるから…w」


「ちょっと氷花は黙ってて!こいつを今ぶっ殺す!」

「俺が先に殺す!!」


あー…周りの人たち引いてんじゃん…恥ずかし…

でも、何だか楽しい。

あの頃とは大違いだ。


そして月日は流れ、転校してから一ヶ月位経った。

もうすっかりしずく達四人組は仲が良くなった。

三人は元々クラスではあまり…というかかなり嫌われていた。

前坂口と本杉が言ってた感じからすると、あの三人は恐らく悪くはないと思う。

ただ、あの三人と仲良くしてるしずくはいつしか全く話しかけられなくなった。

でも何かされる訳でもなかったから安心だ。古田も絡んで来なくなった。こればっかりは本当にありがたい。

そしてある木曜の昼休憩、学食にて。

そらくんがこんな事を言い出した。


「ねぇねぇ、三人とも知ってる?昔の悲しい話」


「悲しい話?」


思わず聞き返すと、そらくんはうーんと唸ってから答えた。


「いやーなんかさ、6年前ぐらいに、ここの近くで戦争があったらしいじゃん」


動きが、止まった。

「いや6年前はかなり最近だろ…あと戦争じゃなくて紛争だろ、確か。」


「そうだっけ。ひかるー、紛争てなに?」


「えー…銃とかまでにはいかない、市民とか、住人達

による…争い?…俺もよく分かんね」 


隣のテーブルで夏南さん達と談笑していたお姉ちゃんが固まったのが分かった。


「へー!あ、でさ、その被害者の子がね、」


「四人で遊ぼう!!」


急に、そらくんの話を遮って水萌ちゃんが大きな声で言った。


「水萌急にどしたのー?」


「あぁ、いや…そんな話するより、うちは遊びの話したいなって。」


「まぁ確かにねー!俺も遊びたい!まだこのメンバーで遊んだことないよねー」


そらくんが無邪気に話すのを見て、ひとまずほっとした。


「……?…すごく急だな…」


「ちょっとひかぴ、遊ぶのに反対な感じ?」


「俺ら悲しー」


「い、いや別にそういう訳じゃ…」


「冗談だって!騙されたぁ〜w」


「はぁ…?いやそんなん分かってたし」


「…ブフッ」


「………………桐生、今笑った?」


「…笑ってナイヨ」


「笑っただろ」


「ゴメンナサイ」


思わず笑ってしまった…

このやりとりを見て水萌ちゃんとそらくんは爆笑している。お姉ちゃんもとりあえず平和な会話に戻ったしずく達を見て安心したようだった。


「あー、面白ー。…それで、うちらまだしずっちのことあんまり知れてないし。」


「確かに。しずくもまだ三人のことあんまり知れてないなぁ」


「じゃあ…今週の土曜はどう?」


「いいけど、どこで遊ぶの?」


そう聞くと、水萌ちゃんが少し考えて言った。


「しずっちの家は?」


「あー、しずくんち?…いけると思う」


「え、いきなり大丈夫なの?」


「うん。大丈夫、その……なんでもない」


今言おうとしたことは自慢と捉えられたら嫌だし、やめておいた。まぁ三人に限ってそんなことないと思うけど。


「じゃあ…1時からはどう?」


「俺はいけるよ!」


「俺も」


「しずくも大丈夫!」


「じゃあ!きっまりー!楽しみー!」


水萌ちゃんはいかにも機嫌良さげに鼻歌を歌い始めた。

そらくんは光くんと土曜の事について話し始めた。

光くんも笑っていた。

しずくは心の底から幸せだった。隣のテーブルにいたお姉ちゃんが、微笑んだのが分かった。

だからだろうか。この状況と真逆の、悲しそうな声が、しずくの耳にはっきりと届いた。

「いいな」、と。




如何だったでしょうか?楽しんでいただけたのなら嬉しいです…!

次回もお楽しみに!

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